世界の気候変動による様々な影響により、環境保護と持続可能な発展は現在、多くの国における重要な課題となっている。国連の、2050年までにカーボンニュートラルを目指す目標を基に、グリーンエコノミー、グリーンエナジーおよびその商品は日々注目度が高くなっている。知的財産権の制度において、商標は商品またはサービスの由来を表すものであり、環境保護概念に合致するグリーン商標は、欧州連合を参照し、登録出願する商標の、ニース国際分類に用いられる商品またはサービスの少なくとも一項がグリーン商品またはグリーンサービスに用いなければならない。グリーン商標を有する会社は、ブランドイメージを確立し、消費者がその商品/サービスを購入または使用する誘因になるとともに、特に大手企業は炭素排出量の関連規定(炭素税を含む)の下、グローバルマーケットの激しい競争において有利となる。
産業界の商標展開における参照用として、台湾知的財産局は欧州連合の「グリーン名称(Green Terms)」と台湾の「Green Expressions」を検索のフィルター条件として、台湾の商標データバンクからグリーン商品/サービスの関連登録出願を検索し、今年八月下旬に「台湾のグリーン商標産業の展開分析」を公布した。知的財産局の統計、分析によると、2014年~2023年に登録出願された台湾の商標案件では、グリーン商標(125,388件)と非グリーン商標(740,099件)はそれぞれ14.49%、85.51%を占めている。グリーン商標の登録出願量の平均割合は、前期(2014~2016年)で約13%、中期(2017~2020年)で約15.31%、後期(2021~2023年)で約14.64%であり、後期はコロナ禍により中期に比べ登録出願量が減少しているが、全体的に見て、この十年において台湾のグリーン商標の登録出願は一定の成長を維持している。
台湾でのグリーン商標の登録出願人は台湾、中国、日本および米国など国(地域)を含み、トップ3は統一企業、アップル、アリババとなる。グリーン商標の九大分野(欧州連合のグリーン商標の九大グループ参照)において、台湾のグリーン商標案はエネルギー節約(主に省エネ、蓄電)、汚染制御(主に一般的汚染、水質浄化、大気浄化)及びエネルギー製品(主にソーラー発電)が、グリーン商標の登録出願量の八割を占める。知的財産局の統計は下記の表を参照。
2014~2023年の台湾グリーン商標の登録出願順位トップ10(地域)
| 順位 | 出願人(国/地域) | 商標登録出願数 | グリーン商標数 | グリーン商標割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 台湾 | 648542 | 80868 | 12.47% |
| 2 | 中国 | 47332 | 10334 | 21.83% |
| 3 | 日本 | 38611 | 8027 | 20.79% |
| 4 | 米国 | 37916 | 7567 | 19.96% |
| 5 | 香港 | 14657 | 2685 | 18.32% |
| 6 | 韓国 | 14867 | 2456 | 16.52% |
| 7 | ドイツ | 8275 | 2378 | 28.74% |
| 8 | ケイマン諸島 | 3307 | 1215 | 36.74% |
| 9 | イギリス | 5876 | 1127 | 19.18% |
| 10 | シンガポール | 5481 | 1086 | 19.81% |
(出典:台湾知的財産局)
2014~2023年の台湾グリーン商標の登録出願
| 順位 | グリーン商標九大分野(件数/割合) | 登録出願人トップ3(件数) |
|---|---|---|
| 1 | エネルギー節約 (53,993 / 31.48%) | アップル(442) 統一企業(294) ファーウェイ(247) |
| 2 | 汚染制御 (45,932 / 27.20%) | 統一企業(527) 久光製薬(239) 小林製薬(214) |
| 3 | エネルギー製品 (34,761 / 20.58%) | アップル(453) 統一企業(341) 任天堂(237) |
| 4 | 気候変動 (7,272 / 4.31%) | アリババグループ(193) 統一企業(150) アマゾン・ドット・コム(89) |
| 5 | 廃棄物管理 (6,969 / 4.13%) | 統一企業(108) アップル(67) クーパン(43) |
| 6 | 農業 (5,367 / 3.18%) | 全農肥料(215) 大益農業科技(128) 興農(49) |
| 7 | 運輸 (5,501 / 3.26%) | キムコ(226) ビー・エム・ダブリュー(82) デイムラー(54) |
| 8 | 環境保護意識 (4,790 / 2.84%) | アリババグループ(193) 統一企業(63) 任天堂(37) |
| 9 | 再利用/リサイクル (4,307 / 2.55%) | 統一企業(134) 台湾セメント(31) サンリオ(28) |
(出典:台湾知的財産局)
グリーン商標は企業ブランドの、エコフレンドリーおよび炭素削減への寄与のアピールになるが、商標登録出願は製品の機能、製造工程、パッケージ、ひいては使用後の処置などは審査していない。グリーンビジネスの発展に伴い、マーケットでは一部、緑色の文字による宣伝でグリーン製品またはサービスの効果を誇張している商品が見られる。登録出願人はグリーン商標/サービスに対し、商標登録出願による保護以外に、関連する認証または許可証を別途申請することで、「グリーンウォッシュ(greenwashing)」によるブランドイメージへの影響、または関連規定の違反を防ぐことができる。
