台湾特許審査の面接及び電話による意思疎通の最適化スキーム

台湾特許無効審判口頭審理作業が2024年6月11日より実施される

台湾の専利法の規定によれば、知的財産局(TIPO)は特許出願を審査する際、出願人からの申請又は職務権限に基づいて出願人に面接を行う旨を通知することができる。かつては、出願人又はその代理人が知的財産局(台北本局)で面接を受けなければならなかったが、その後、新竹、台中、台南及び高雄支局でのオンライン面接が可能となった。通信技術ソフトウェア及びハードウェア設備の成熟した応用に伴い、また、COVID-19の影響も相まって、知的財産局は2022年に面接作業を改正し、規定に合致する条件の下での遠隔オンライン面接を開始した。一方、台湾専利法では、審査官との電話による意思疎通手段について規定されていないが、実務上、知的財産局が発行する審査意見通知書又は査定書には、審査グループ及び連絡担当者(審査官)の氏名や電話番号が記載されるため、質問内容がシンプルなものである場合、出願人(又は代理人)は審査官と電話で連絡を取り合って簡単な議論をしたり、不明な点について問い合わせたりすることができる。しかし、現在、知的財産局の内部審査官の人員が不足していることから、例えば先端技術や、知的財産局内部審査官では対応できない複雑な案件など、少数の特許出願については外部審査官が審査しており、その外部審査官の定員は80名で、その多くは公立大学教授又は研究機関の専門職員である。これまで、このような外部審査官の案件は出願人が実際に担当外部審査官と直接連絡を取ることができない場合があった。そこで、知的財産局は弁理士会との協議を経て、出願人に便利な意思疎通手段を提供し、審査業務の効率化を目的として、本年9月1日より「外部審査官との電話による意思疎通及び遠隔オンライン面接の最適化スキーム」を試験的に実施することで、電話による意思疎通及び面接制度を最適化するとともに心証を適度に公開し、外部審査官との電話による意思疎通及び遠隔オンライン面接を拡充することを決定した。

そのため、知的財産局は、2024年9月以降、台湾特許出願が審査意見(OA)を受けた場合に出願人(又は代理人)において審査理由又は比較的簡単な実質的技術内容について疑問があれば内部審査官と電話で意思疎通を図ることができることを規定し、外部審査官であるときは、知的財産局内職員に外部審査官との三者通話会議の可否を問い合わせることができる。また、電話による意思疎通が適切でない場合、または技術的に複雑な案件である場合は、面接を申請することができる。

台湾特許出願での電話による意思疎通及び面接制度の要点:
よって、出願人が自己のビジネス上のニーズ又は特許レイアウトを考慮したうえで、積極型面接の実施に協力できない場合や、審査官の意見に従って補正を行わない場合、知的財産局は通常の特許出願の流れに沿って手続きすることを通知する。

Ⅰ.電話による意思疎通
 1.一般的な電話による意思疎通(内部審査官)
  A.要請者:出願人(代理人)又は審査官
  B.時 期:出願人(代理人)が審査意見通知書を受けた後
  C.内 容:適用される法規又は審査意見の解釈、簡単な実質的内容の意志疎通
  D.効 果:審査官から電話による意思疎通が要請される場合、審査官は心証を適度に開示し、出願人が速やかに特許を取得できるように、軽微な補正によって拒絶理由を解消できることを伝えることができる。しかし、もし審査官が前回の心証を覆すに足る新たな証拠を発見した場合、審査官は、出願人に答申や補正の機会を与えるために改めて審査意見通知書を発行すべきである。

 2.三者通話会議(出願人/代理人、知的財産局内職員、外部審査官)
  A.要請者:出願人(代理人)
  B.時 期:出願人(代理人)が審査意見通知書を受けた後、知的財産局内職員に外部審査官との電話による意思疎通が可能か否かを問い合わせる
  C.内 容:適用される法規又は審査意見の解釈、簡単な実質的内容の意志疎通
  D.制 限:一回限りで20分以内
   電話による意思疎通が認められない特許出願については、面接を申請すべきである。

Ⅱ.面接
1.台湾特許出願の面接の実務
  A.適用する案件:初審/再審(発明、意匠)、無効審判(発明、意匠、実用新案)
  B.申請者:特許出願人、無効審判請求人、特許権者、利害関係人
  C.面接申請時に記載する情報:面接において根拠となる明細書、特許請求の範囲、図面の版;面接事項(例えば産業上の利用性、新規性、進歩性、実施可能要件等)
  D.面接の形式:知的財産局(台北本局)での対面面接、オンライン面接(知的財産局各支局)、遠隔オンライン面接
  E.面接料:NT$1000
  F.面接の申請は、特許査定前に行わなければならないが、事案がすでに明確である場合、知的財産局は面接を行わない場合もある
  G.面接は原則として1回あたり1時間とし、その場で面接記録表を作成して出席者が確認後にサイン又は押印する
  H.知的財産局の承諾を得た場合を除き、面接の過程を撮影、録音、録画してはならない
  I.最善の時期:再審査段階において審査意見通知書(OA)を受けた後、そのOAの内容に基づいて答申書(及び明細書/特許請求の範囲の補正)を作成し、同時に面接を申請する(再審査を請求しただけで理由又は補正を提出していない場合、面接は認められない)
  J.面接の効果:審査官は心証を適度に開示し、補正版について討論、提案をすることができる。面接の際、補正版を基に別の補正の可能性について審査官と議論したい場合は、面接時に補正版と理由を併せて提出することができるが、審査官に選択させるために複数の補正版を提出することはできない。
  K.面接後の対応:面接の際、審査官は面接記録を作成し、15日から30日の期間を設定して出願人に答申、補正するよう求める(外国の出願人である場合は、期間を1から2ケ月以内とするよう求めることができる)。新たな証拠が発見された場合、知的財産局は出願人に改めて通知書を発行し、答申又は補正を求める。

2.外部審査官との遠隔オンライン面接
  A.2024年9月1日より試行
  B.外部審査官が知的財産局の指定する規格に合致するソフトウェア及びハードウェア機器及びインターネット環境を有していることを確認した後、非公開の場所で遠隔オンライン面接を行うことができる
  C.その手続きは内部審査官との面接及び三者通話会議と概ね同じ

3.越境遠隔オンライン面接
  A.初審/再審段階の発明又は意匠出願に適用(無効審判案件は不可)
  B.出願人及び代理人は、非公開の場所で、知的財産局の指定するソフトウェア及びハードウェア機器を準備し、良好な通信環境のもと、審査官と遠隔オンライン面接を行うことができる
  C.通信設備を利用して面接記録を送信し、出席者が確認の上、サイン又は押印した後に知的財産局に返信する
  D.その他は概ね面接作業要点に従って実施する
  E.実務上、技術,言語の問題及び内容が複雑であるなどの理由により、出願人又は代理人が越境遠隔オンライン面接を利用することは稀である。

台湾特許審査の面接及び電話による意思疎通の最適化スキーム 3
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