台湾の知的財産局は、2011年9月1日から台湾とアメリカの間で特許審査ハイウェイの試行プログラムが開始されると発表した。以下はプレスリリースの訳文である。
なお、同局の発表では試行期間に言及していないが、アメリカ特許商標庁の発表によると、試行期間は2012年8月31日までで、この期間は延長又は短縮される可能性があると述べられている。
掲載日:2011年8月22日
2011年9月1日から、アメリカを第1庁とする発明特許出願の出願人が、それに基づき優先権を主張して我が国に発明特許を出願し、アメリカ特許商標庁 (USPTO)の審査で1項以上のクレームが特許可能と認められた場合、出願人は我が国の知的財産局に早期審査を申請することができる。同様に、我が国を第1庁として発明特許を出願し、それに基づき優先権を主張してUSPTOに特許出願した場合、我が国の知的財産局の審査で1項以上のクレームが特許可能と認められた場合は、USPTOに早期審査を申請することができる。
USPTO長官デビッド・カポス(David Kappos)氏は、この試行プログラムは国際的な特許審査ハイウェイ(The Patent Prosecution Highway、PPH)ネットワークに重要なパートナーが加わることであり、出願人は台湾知的財産局(TIPO)の高品質な特許審査の成果により、このプログラムを通じてPPHを利用する機会を有し、早期審査及び特許品質の向上により便益が得られると述べた。
知的財産局局長の王美花氏は、同局とUSPTOの協力は我が国の特許審査の重要な道標となるほか、当該プログラムは特許出願人の早期審査に対する期待に適い、同時に、特許審査官の作業の負担を軽減すると信じると述べた。同局は国際的なPPHネットワークへ加入することを歓迎している。
PPHは第1庁の審査結果を第2庁が利用し、同じ発明特許出願の審査を早める方法で、未処理案件の解消及び特許審査の質の向上に貢献する。PPHは、特許庁間で相互に審査結果を利用し、重複する審査作業を減らす提携モデルであるが、必ずしも第1庁の特許査定を取得した出願について、第2庁が間違いなく当該出願を特許査定とするものではない。
知的財産局は、既に実施している早期審査プログラム(AEP)において、アメリカの特許査定を受けた特許に基づき、我が国で早期審査を申請することができることを表明している。国際的なPPHネットワークへの加入は、台湾、アメリカの特許審査の実質的な協力体制を強化する意義があるが、PPH制度の規定により、申請人はUSPTOの特許査定を取得して我が国で早期審査を申請する場合、我が国で出願したクレームをUSPTOが登録を認めたクレームと完全に同一又は更に減縮せねばならず、且つ後に補正する際にも必ずこの条件に合致していなければならない。PPHはAEPに比べて適用条件が厳格であるため、知的財産局の審査コストが比較的軽く、従って審査期間上、PPHはAEPに比べ更に早く審査結果を入手できる。
「発明特許PPH審査申請書」(Form for requesting participation in the Patent Prosecution Highway (PPH) pilot program between the TIPO and the USPTO)及び関連情報については、知的財産局のウェブサイト:www.tipo.gov.tw/pph を参照されたい。この他、USPTOのウェブサイト:www.uspto.gov/patents/init_events/pph/index.jsp でもPPHの情報を提供している。
以上
以下は、台湾アメリカ特許ハイウェイ試行プログラムにおいて、アメリカ出願を第1庁、台湾出願を第2庁とする出願について、弊社台北事務所がまとめた要点、注意点である。
- 台湾における発明特許出願(実用新案及び意匠は適用されない)は、アメリカ特許出願又はPCTアメリカ特許出願に基づき優先権を主張していなければならない。
- 対応するアメリカ出願(又はUSPTOの国内段階の審査に入ったPCT出願)は、USPTOの審査により1又はそれ以上のクレームが特許可能とされていること。
- 台湾出願におけるPPH申請時又はそれ以後の補正時、台湾出願クレームはアメリカ出願クレームと同一又は更に減縮することを要する(従って、必要があればPPH申請書の補正申請欄にチェックする。その後、TIPOが職権により、補正書を提出するよう通知する)。
- 台湾出願は公開*されている必要がある(未公開の場合は、PPH申請時に併せて公開を申請し、申請費用NT$1,000を納付する)。また、実体審査を請求し、実体審査開始が通知されているが、最初の審査通知が出されていないものであること。
- PPH申請の必要書類として、原則的に中国語の翻訳**を提出する必要はないが、知的財産局が必要と認めた場合は、出願人に提出するよう通知することができる。
- 台湾出願についてPPHを申請した後、TIPOが審査決定する前にUSPTOが審査通知等で特許を許可しない情況がある場合は、TIPOに全て提出しなければならない(但し、TIPOはこれに対する強制力はないようである)。
*対応アメリカ出願については、既に公開されていることを必要とするか規定がない(公開又は公告番号を取得していない場合はPPH申請書に記入しなくてよい)。
**PPH申請書に記載された「USPTOの審査で特許可能とされたクレームの中国語訳」は、アメリカ出願と台湾出願のクレームに比較的大きな差異がある場合、ユニオンパテントサービスセンター台北事務所では、PPH申請時に中国語訳を自発的に提出する。
