台湾・改正特許法施行規則の公布・施行

台湾・改正特許法施行規則の公布・施行 1

経済部は2004年4月7日、改正特許法施行規則を公布した。この改正施行規則は、2004年7月1日に施行される改正特許法(2003年2月6日公布)と同時に施行される。以下に紹介するのは、知的財産局の「特許法施行規則改正草案総合説明」を参照して、改正施行規則の主要な事項をまとめたものである。

  1. 実用新案技術報告書
    改正特許法では、実用新案の実体審査が廃止され、技術報告書の制度が導入される。このため、改正施行規則では、技術報告書の交付申請に関し、次の規定が定められた。
    1. 技術報告書の交付申請
      • 申請書の必要記載事項(第50条)
        1. 出願番号。
        2. 実用新案名称。
        3. 請求人の氏名又は名称、国籍、住所、居所又は営業所、代表者氏名。
        4. 代理人の氏名、事務所。
        5. 当該実用新案の特許権者であるか否か。
    2. 技術報告書の早期(6カ月以内)交付を申請する場合の証明書類(第51条)
    3. 技術報告書の記載事項(第52条)
      1. 実用新案特許の証書番号。
      2. 出願番号。
      3. 出願日。
      4. 優先日。
      5. 技術報告書の交付申請日。
      6. 実用新案の名称。
      7. 特許権者の氏名又は名称、住所、居所又は営業所。
      8. 代理人の氏名。
      9. 技術報告書の交付申請者の氏名又は名称。
      10. 審査官の氏名。
      11. 国際特許分類。
      12. 先行技術資料の範囲。
      13. 比較の結果。
  2. 請求項の記載方法
    改正施行規則では、機能的クレームに関する新たな規定が設けられ、また、独立項及び従属項についてより明確な規定が定められた。
    1. 機能的クレーム、その解釈(第18条第8項)
      • 複数の技術特徴の組み合わせからなる発明については〔その発明のある技術特徴を構造若しくは性質によって定義するのが不可能である場合、又は、構造若しくは性質によって限定するよりも効能若しくは効果によって限定するほうがより明確になる場合〕その特許請求範囲の技術特徴を手段又は工程の効能を表す用語( Means or Step Plus Function Language )で記載することができる。また、その特許請求範囲を解釈するときは、その発明の説明に記載されている当該効能に対応する構造、材料又は作動及びその均等の範囲を含めなければならない。
    2. 独立項の記載方法、その解釈(第18条第2項、第19条第1項、第2項)
      独立項には、特許請求の対象及びその実施に必要な技術特徴を明確に記載しなければならない。
      発明又は実用新案の独立項の記載に二二段方式( two parts form )を採用するときは、前言部分に特許出願の対象及び先行技術と共有する必要な技術特徴を含め、特徴部分に「その改良は~にある」又はその他の類似の表現をもって、先行技術と区別される必要な技術特徴を明記しなければならない。独立項を解釈するときは、特徴部分と前言部分に記載された技術特徴を結合しなければならない。
      ただし、特許請求範囲の独立項の記載は、前記の方式に限定されるものではなく、他の方式で記載することができる。また、特徴部分の表現については、「その特徴は~にある」、「その特徴は~である」、「その改良は~である」等、類似の表現を使用することができる。
    3. 従属項の記載方法、その解釈(第18条第3項)
      従属項には、その依拠する請求項の番号及び出願の対象を明確に記載し、かつ、その依拠する請求項以外の技術特徴を明確に記載しなければならない。従属項を解釈するときは、その依拠する請求項のすべての技術特徴を含めなければならない。
  3. 特許付与の公告の延期申請(第56条)
    特許出願人は、特許付与の公告を延期する必要がある場合、証書費及び第1年度特許料を納付するときに、理由を記載した申請書を特許主務官庁に提出して、公告の延期の申請をしなければならない。延期の期間は、3カ月を超えないものとする。
    前記の3カ月の延期期間は、公告予定日から起算する。また、出願人は、3カ月を超えない範囲で、公告延期の期間を指定することができる。
  4. 電子出願の手続きに関する実施規則(第2条)
    改正特許法第19条は、「特許出願及び特許に関するその他の手続きは、電子方式で行うことができる。その実施期日及び実施規則については、主管官庁が定める」と規定している。電子出願の実施時期は未定であるが、改正施行規則では、電子出願の実施に備えて、現行施行規則第2条を次のとおり(下線の部分を加えて)修正した。「特許法による出願・申請は、特許法第19条の規定により電子方式で提出する場合を除き、書面で提出しなければならない」。
  5. 発明者、考案者・創作者の住所・居所に関する規定の削除(第14条)
    改正施行規則では、特許出願書の記載事項を修正して、発明者又は考案者・創作者については、「氏名及び国籍」を記載し、住所・居所の記載を不要とした。この理由について、知的財産局は次のとおり述べている。
    「特許出願書類(明細書、図面等)に記載されるデータは、特許権者の権益に関係するものであるので、行政管理上、出願人に関するデータを明確に記載する必要があるが、発明者又は考案者・創作者については、国籍を記載するだけで十分であり、その住所・居所は不要であるので、削除した。 」
  6. 明細書等の用語の統一に関する規定(第15条第4項)
    改正施行規則では、明細書の記載に関し「明細書に記載される発明又は実用新案の名称、要約、発明又は実用新案の説明及び特許請求範囲の用語は一致しなければならない」との規定が設けられた。これは審査上のプラクチスを明文化したものである。
  7. 分割出願と実用新案への変更出願(第24条第3項)
    改正施行規則では、「分割出願においては、原出願の特許の種類を変更することができない」との規定が設けられた。これも審査上のプラクチスを明文化したものである。たとえば、方法と装置を含む発明出願を分割して装置のほうを実用新案に変更しようとするときは、まず2つの発明の出願に分割してから、その装置のほうの出願をさらに実用新案出願に変更しなければならない。