特許法改正案が立法院の三読を通過(台湾)

特許法改正案が立法院の三読を通過(台湾) 1

台湾の特許法改正案は、2009年12月3日に行政院を通過し、立法院で審議されていたが、2011年11月29日に三読(最終審議)を通過したことが知的財産局から発表された。改正法はこの後、総統令により公布されるが、施行日は行政院が定める。

以下はプレスリリースの訳文である。文章中、特許の語は、発明特許、実用新案特許、意匠特許を指す。

掲載日: 2011年11月29日

立法院において、29日午前、行政院から審議を要請された「特許法」の改正草案が三読を通過した。今回は特許法の全体的な改正であり、通過した条文は計159条(改正108条、追加36条、削除15条)である。施行日は行政院が定めるが、改正法が施行されるのは公布後1年位であると予想される。

2003年2月に特許法の改正が公布されてから既に8年が経過した。国内産業のイノベーション、研究開発、健全な審査システム並びに特許制度を国際的基準に合わせるため、行政院は2009年12月11日に特許法改正草案の審議を立法院に要請した。立法院経済委員会における4回の審査会、及び与野党間の2回の協議を経て本日、三読を通過した。

今回の改正の重要点は以下の通り:

  1. 出願人が自らの意思で刊行物に発表した場合にも猶予期間を主張できることを追加する。
  2. 故意でなく出願時に優先権を主張しなかった、又は期限までに特許証書費若しくは年金を納付しなかったために権利が失効した場合に、権利回復の申請を認めるシステムを追加する。
  3. 特許請求の範囲及び要約を明細書から独立させる。
  4. 出願人が自発的に申請する補正期間の制約を削除する。及び発明特許出願の初審における公告決定後、30日以内に分割出願ができるよう緩和する。
  5. 特許の効力が及ばない事項の追加並びに修正。例えは、商業目的でなく未公開の行為、国内外での薬物販売許可取得を目的とする研究、試験の行為、国際消尽原則の採用を明確にする等である。
  6. 医薬品又は農薬品の特許期間延長規定を改正する
  7. 強制実施許諾の事由、手続及び補償金を同時に査定する規定を改正する。
  8. 開発途上国及び後発開発途上国の公衆衛生の問題解決に協力するため、薬品製造の強制実施許諾並びに必要とする国への輸出を請求できることを追加する。
  9. 特許無効審判制度の改正。例えば、職権に基づく審査の廃止、特許請求の範囲の一部分に対して無効審判を請求できる、無効審判案件及び訂正案件の併合審査及び併合審決等である。
  10. 特許権侵害、損害賠償における主観的要件を明確に定め、損害賠償の計算方式及び特許表示の規定を改正する。
  11. 同一人が発明特許と実用新案特許を別々に同日に出願した場合の規定を追加する。知的財産局は発明特許を認めた時点で、出願人に何れかを選択するよう通知し、出願人が発明特許を選択した場合は、実用新案特許権は始めから存在しないと見なす。
  12. 部分意匠、コンピュータの絵記号(Icons)及びグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)意匠、組物製品の意匠を特許の対象として認め、並びに派生意匠制度を追加する。

行政院から提出された改正草案には、当初、動植物特許の全面的開放が起草されていたが、各界のコンセンサスが得られなかった。特許法改正案を円滑に進めるため、農業委員会は国内産業の現状及び開放後に起こり得る影響を照らし合わせて検討し、現在、植物品種権の保護があるため、植物特許の開放は延期し、将来、国内の技術発展の状況を見て及び産業界が実際に必要としコンセンサスが得られてから、再度改正を提出すべきであると認定した。従って、動植物特許の開放は今回の改正範囲には入らない。

今回の特許法改正は、多項目に亘る制度改革である。各界が充分理解し改正後の制度運用に適応できるよう、施行日は行政院が別に定める。この外、関連法規、審査基準、出願フォーム及びコンピュータシステムの改正作業を含むその他の付随する措置については、知的財産局が積極的に進めている。