知的財産局が行った南僑公司「讃岐」商標取消案件についての説明(台湾)

知的財産局が行った南僑公司「讃岐」商標取消案件についての説明(台湾) 1

台湾の会社、南僑化学工業股份有限公司は、1998年及び2001年に「讃岐」に関連する商標を14件出願し、全て登録を取得した。その後、日本の樺島商事有限会社が登録取消を求めて無効審判を請求した。審判の審定は2012年1月10日の段階で4件出ており、何れも登録取消が決定され、その後南僑公司は上訴したが、経済部の訴願、知的財産局の行政訴訟第一審でも南僑公司が敗訴し、登録取消が維持された。

これに対し、南僑公司は2011年12月6日に台湾の4大新聞、聯合報、中國時報、自由時報、蘋果日報の第1面に登録の取消は不当であるとの声明広告を出した。これを受けて、知的財産局が審定に誤りはないとの声明をプレスリリースした。

以下はプレスリリースの訳文である。

掲載日:2011年12月6日

本日6日、南僑化学工業股份有限公司が「讃岐」及び「SANUKI」等の商標登録取消に対する声明を発表したことに関し、知的財産局には審査の不一致、手続の遅延及び政治的圧力を受けた等の事実は断じて無いことを明らかにする。

南僑公司は1998年に、「讃岐」、「SANUKI」等の商標を、うどん、ラーメン、インスタントラーメン等の商品を指定して出願し、登録第844652号、第844819号等の商標権を取得した。これに対し樺島商事有限会社は、2008年4月1日に無効審判を請求し、「讃岐」、「SANUKI」等の商標は公衆に商品又は役務の性質、品質又は産地を誤認、誤信させるおそれがあり、登録できないと主張した。知的財産局は、当事者の主張内容を考察し、証拠を調べた結果、南僑公司が「讃岐」、「SANUKI」等を「うどん、ラーメン、そば」等の商品を指定した商標としたのは、客観的に見て、消費者に日本の讃岐地域で製造された商品であると誤認、誤信させるおそれがあると認定し、商標登録を取消した。知的財産裁判所は、2011年11月、100年度行商訴字第84、92、91号等の行政判決で南僑公司の訴えを棄却した。

南僑公司が指摘した「讚岐」、「SANUKI」商標が消費者に産地を誤認、誤信させるおそれがあったのであれば、知的財産局はなぜ1998年に登録を許可したのかとの点についてであるが、各国には何れも商標の異議及び無効審判の手続があり、商標の主管官庁が登録を認めた商標について、公衆又は利害関係人がその権益と対立することを表明する救済方式を提供して、審査の不足を補っている。南僑公司の「讚岐」等の商標は、審査段階では登録できない理由があることを発見せず、当初は登録を認めた。その後、利害関係人が法に基づき無効審判を請求した。知的財産局は、3人の審査官を指定し、両当事者の主張に基づき及び提出された事実証拠を参酌して改めて審査し、登録は取り消すべきであるとの処分を行った。先の審査と後の審査の不一致、又は政治的圧力を受けて初めて「讃岐」「SANUKI」等の登録商標を取り消したという事実は全く無い。

南僑公司が挙げた多くの日本の有名な地名が商標登録を取得している事実について、当該商標又は指定商品と当該産地の地名には関係が無い、又は商標態様に図形が付加されている、デザイン文字である、既に権利が消滅しているもので、日本のうどんの著名な地名である「讃岐」の中国語、英語、日本語を単独で、うどん、ラーメン等の商品を指定し登録出願した本件の内容とは全く異なり、妥当か否かは別の問題に属する。また南僑公司が述べた、日本及び中国が製造業者に「讃岐」、「SANUKI」の登録を許可したとの点については、既に知的財産裁判所が関連する行政判決で事実ではないことを明確に論じている。更に、各国の国情は異なり、商標法制及び審査基準にも差異あり、引用例とはし難い。

本件の処理期間の問題に関し、樺島商事は2008年4月に無効審判を請求したが、両当事者は引き続いて理由を補充して、意見を陳述し、新たな証拠を提出した。知的財産局は、南僑公司に答弁又は答弁期間延長許可について合計17回通知し、無効審判請求人に意見陳述について合計14回通知し、関連手続は2010年7月末に漸く終結した。知的財産局は2010年11月29日に審決書を作成しており、審理遅延の事実は全く無い。

知的財産局は、一連の「讃岐」商標の無効審判案件は、係争の両当事者が提出した事実及び証拠に基づき、法に基づいて処分を行ったこと、並びに審査の中立及び法に基づく審査の職務を厳守したことを重ねて表明する。知的財産裁判所は原処分を維持する判決を行ったが、南僑公司は法に基づき、上訴期間内に最高行政裁判所に上訴し、救済を求めることができる。