台湾・商標法施行規則改正案要旨

台湾・商標法施行規則改正案要旨 1

2003年05月28日に公布された改正商標法は、改正条文第94条の規定により、公布の6カ月後(2003年11月28日)に施行される。この改正法に対応する商標法施行規則の改正について、経済部知的財産局は「改正草案」を発表した。これは公聴会等を経て作成された最終案であって、経済部が発布し、改正商標法と同日に施行される予定である。以下に紹介するのは、この改正案の主な規定である。

  1. 単色・立体・音響商標、団体商標の出願日、優先権主張
    • 改正商標法では、単色、立体、音響商標及び団体商標の登録が可能になるので、改正規則では、これらの商標の登録出願が改正法の施行日前に提出された場合、これを施行日に出願したものとみなす旨の規定が定められた(改正規則第3条第3項)。
    • 単色、立体、音響商標又は団体商標の登録出願について優先権を主張する場合、その優先権主張の根拠となる外国出願は、改正法の施行日又はそれ以降に出願されたものに限られる(改正規則第6条第2項)。
  2. 包括委任状、その有効期間
    • 商標登録出願及びその他の商標に関する手続きの代理人委任状については、これまでも5年の間その援用が認められているが、改正規則では、包括委任状について下記の規定が定められた。
    • 商標代理人の委任状は、現在及び将来の一件又は多数の商標の登録出願、異動、争い及びその他の関係手続きについての包括的委任状とすることができる(改正規則第7条第2項)。
    • 包括委任状の有効期間は委任の日から5年である(改正規則第7条3項)。
    • 前に提出された包括委任状を援用するときは、その包括委任状のコピーを添付し、かつ、原本と相違ない旨を表明するとともに、原本が提出されたときの案件の番号を明示する(改正規則第7条第4項)。
  3. 商標の出願、商標見本のサイズ
    • 改正商標法では、商品に係る商標と役務に係る商標を合わせて「商標」と称する。
    • 商標の登録出願については、出願書を提出し、商標見本5枚を添付する。ただし、着色商標の場合は、着色の商標見本5枚に加えて、モノクロの商標見本2枚を添付しなければならない。商標見本のサイズは、縦横8cm以下、5cm以上とする(改正規則第8条)。
    • 出願人の営業範囲の証明書類(会社登記簿謄本、使用宣言書等)を提出する必要はなくなる。
  4. 着色商標の出願、実際使用の態様の表示、権利不要求
    • 着色商標の登録出願については、出願書に着色商標である旨を記載し、色彩を指定しかつ関連の説明をしなければならない(改正規則9条1項)。
    • 着色商標の商標見本には、破線で指定商品又はサービスに関して、その商標が実際に使用される方式、位置又は内容の態様を破線で表示することができる(改正規則第9条第2項)。
    • 商標見本の破線で表現した部分につては、権利不要求の申立をしなければならない(改正規則第9条第3項)。
  5. 音響商標の出願
    • 音響商標の登録出願については、出願書に音響商標である旨を記載し、かつ五線譜、略譜又は描写・説明をもって音響を表現し、同時に当該音響を収録した光ディスクを添付しなければならない(改正規則第10条第1項)。
    • 音響商標の五線譜、略譜又は音響の描写・説明には、規則第8条の商標見本のサイズに関する規定を適用しない(改正規則第10条第2項)。
  6. 立体商標の出願、投影図、権利不要求の部分
    • 立体商標の登録出願については、出願書に立体商標である旨を記載し、立体的形状の図形をもって表示をしかつ関連の説明をしなければならない(改正規則第11条第1項)。
    • 立体の形状を明確に表現するため、出願人は、5枚をこえない範囲で、異なる角度から見た同じ比例の投影図又は見本を提出することができる。また、特許主務官庁も必要があると認めるときは、これを提出することを出願人に通知することができる(改正規則第11条第2項)。
    • 登録を出願した立体的形状に権利を要求しない部分が含まれるときは、実線で権利を主張する部分を表示し、破線で権利を主張しない部分を表示し、かつ権利不要求の申立をしなければならない(改正規則第11条第3項)。
  7. 商品又はサービスの区分及び指定方法、分類表改正の場合の適用基準
    • 登録出願については、商品及びサービス分類表の商品区分の順序により、その指定する商品又はサービスの区分を記載し、かつ、具体的に商品又はサービスの名称を列挙しなければならない(改正規則第13条第1項)(商品及びサービスの分類については、従来のとおり、国際分類が採用される)。
    • 商品及びサービス分類表が改正された場合、その改正前に登録された商標の商品(サービス)の区分は、登録時を基準とする。改正時にまだ登録になっていない係属中の出願については、出願時に指定した商品(サービス)の区分を基準とする(改正規則第13条第2項)。
  8. 更新登録出願、部分的更新
    • 商標権存続期間の更新登録出願については、出願書を提出し、かつ所定の更新登録料を納付しなければならない(改正規則第19条1項)。
    • 改正商標法第28条では、更新出願に対する実体審査の規定が削除されてので、更新時に商標の実際使用を立証する必要がなくなった。
    • 一部分の商品又はサービスについてのみ更新登録出願をするときは、その更新をする部分の類を基準として更新登録料を計算する(改正規則第19条第2項)。
      (注)連合商標・防護商標に関する改正商標法の経過規定
    • 改正商標法では、連合商標及び防護商標制度が廃止され、現行法第22条(連合商標、防護商標、基本商標の指定、商標の種類の変更)が削除される。なお、連合・防護制度の廃止に関する改正商標法の経過規定は次のとおりである。
      ※連合商標の独立、連合出願の独立、出願の取下:
      改正法施行前に登録された連合商標は、改正法の施行日から独立の登録商標とみなされ、その存続期間は、原許可期間を基準とする(改正法第86条第1項)。
      改正法施行前にまだ登録されていない連合商標登録出願は、改正法の施行日から独立の商標登録出願とみなされる(第86条第2項)。ただし、出願人は、登録査定の送達前に出願を取り下げ、かつ出願手数料の払い戻しを請求することができる(改正法第86条第3項)。
      ※防護商標の独立商標への変更申請、独立出願とみなされる係属中の出願、出願の取下:
    • 改正法施行前に登録された防護商標については、その登録時の規定により、その存続期間の満了前に独立の登録商標への変更を申請しなければならない。期間内に変更の申請をしなかった場合、その商標権は消滅する(改正法第87条第1項)。
    • 改正施行前にまだ登録されていない防護商標の登録出願は、改正施行の日から独立の商標登録出願とみなされる(改正法第87条第2項)。ただし、出願人は、登録査定の送達前に出願を取り下げ、かつ出願手数料の払い戻しを請求することができる(改正法第87条第3項)。
  9. 出願の分割申請、登録査定後の出願分割
    • 改正商標法では、登録出願の分割が認められるので、改正規則でも、これに対応して分割手続きについて下記の規定が定められた。
    • 登録出願の分割を申請するときは、分割後の件数に応じて分割申請書副本及び規則第8条に定める書類(出願書及び商標見本)を添付した申請書を提出しなければならない(改正規則第21条第1項)。この規定は、拒絶査定確定前の分割申請にも適用される(改正規則第21条第2項)。
    • 登録査定後、登録の公告前に登録出願の分割を申請するときは、分割後の各出願の指定商品又はサービスを記載した申請書を提出し、かつ分割後の件数に応じて申請書の副本を添付しなければならない(改正規則第22条1項)。前記の分割申請については、商標主務官庁は、出願人が登録料を納付し、登録の公告後に分割を行う(改正規則第22条第2項)。
  10. 商標権の分割申請、分割後の登録証の交付
    • 正商標法では、商標登録の分割が認められるので、改正規則でも、これに対応して分割手続きについて下記の規定が定められた。
    • 商標権の分割申請については、分割後の各登録の指定商品又はサービスを記載した申請書を提出し、かつ分割件数に応じて申請書の副本を添付しなければならない(改正規則第23条第1項)。
    • 商標権分割申請が許可された後、商標主務官庁は、分割後の各登録について商標登録証を交付する(改正規則第23条第2項)。
  11. 分割後に分割前の登録に対し異議申立があった場合
    • 商標権分割の許可の公告後に分割前の登録を対象として異議申立があった場合、商標主務官庁は、異議申立人に対し、指定期限内に改めて異議の対象とする登録を指定すべき旨の通知をする。異議申立人は、異議の対象として指定した登録毎に別個に異議申立書類を提出し、かつ指定した登録の件数に基づいて、新に納付すべき異議手数料を計算し、不足額があるときは、追納をしなければならず、また、超過額があるときは、料金の領収書を添付してその払い戻しを請求することができる(改正規則第24条)。
  12. 異議係属中の商標権の分割、異議続行の表明
    • 登録商標に対する異議申立の処分前に、被異議商標権の分割が許可された場合、商標主務官庁は、異議申立人に対し、指定期限内に分割後の商標全部又はその一部について異議を続立人が指定期限内に表明をしなかった場合、その異議申立は、分割後の商標全部について続行するものとみなされる(改正規則第25条第1項)。
    • 異議申立人が分割後の一部分の商標についてのみ異議を続行する旨を表明した場合、その他の異議を続行しない部分については、異議を取り下げたものとみなされる(改正規則第25条第2項)。
  13. 訴願・行政訴訟係属中の分割・縮減
    • 商標異議案件の行政救済手続きの進行中に、被異議商標権の分割又は指定商品若しくはサービスの縮減が許可された場合、標主務官庁は、分割又は縮減の状況を行政救済審理官庁及び異議申立人に通知する(改正規則第26条第1項)。
    • 前項の規定は、登録出願に対する拒絶査定の確定前に登録出願の分割又はその指定商品の縮減の申請があった場合にも、適用される(改正規則第26条第2項)。
  14. 審判又は取消請求係属中の分割・縮減
    • 改正規則第24条~第26条の規定は、審判又「廃止」(取消)請求に準用される(改正規則第27)。前記「11~13」参照。
  15. 商標使用許諾の登録申請、申請人、再許諾、許諾の範囲・期間
    • 商標使用許諾の登録申請については、使用を許諾する商標の登録番号、許諾期間、使用を許諾する商品又はサービスの区分及び名称を記載した申請書を提出しなければならない(改正規則第29条第1項)。
    • 前項の使用許諾の登録については、商標権者が申請するときは、商標権者又はその代理人が署名又は押印をし、被許諾者が申請するときは、被許諾者又はその代理人が署名又は押印をし、かつ、関係主務官庁が真実であることを証明した使用許諾契約書の要約、又は両当事者が署名又は押印をした使用許諾証明書を添付しなければならない(改正規則第29条第2項)。
    • 商標の再許諾の登録を申請するときは、前2項の規定により処理するものとし、かつ、商標権者が再許諾に同意したことを証明する書類を添付しなければならない(改正規則第29条第3項)。
    • 使用を許諾する商品又はサービス及び許諾期間は、商標権の範囲に限られる。約定の使用許諾期間が商標権の存続期間を超えるときは、商標権存続期間の満了日を使用許諾期間の末日とする。商標権の存続期間が更新されたときは、改めて使用許諾登録の申請をしなければならない(改正規則第29条第4項)。再許諾の場合、その使用商品又はサービス及び再許諾の期間は、原使用許諾の使用商品又はサービスの範囲及び許諾期間を超えてはならない(改正規則第29条第5項)。
  16. 異議申立、申立書の内容、補正
    • 改正商標法では、登録後異議申立制度が採用されるので、改正規則でも、これに対応して異議申立手続きについて下記の規定が定められた。
    • 商標法第40条の規定により異議申立をするときは、異議申立書及びその副本を提出し、かつ下記の書類を添付しなければならない(改正規則第35条第1項)。
      1、異議申立人の証明書
      2、関係証拠2部
    • 異議申立書には、異議に係る事実及び理由を明確に記載しなければならない(改正規則第36条第2項)。
    • 異議に係る事実及び理由が不明確又は不完全であるときは、商標主務官庁は、期限を指定して補正をすべき旨を異議申立人に通知することができる。異議申立人は、登録の公告の日から3カ月以内においてその主張する事実及び理由を変更し又は追加することができる(改正規則第25条第3項)。
  17. 異議に対する答弁、答弁書の異議申立人への送達、答弁をしなかった場合
    • 商標権者は、商標法第41条第3項により答弁をする場合、商標主務官庁の指定期限内に答弁書及びその副本を提出しなければならない(改正規則第36条第1項)。
    • 商標主務官庁は、前項の副本を異議申立人に送達しなければならない(改正規則第36条第2項)。
    • 商標権者が第1項の規定に従って答弁をしなかった場合、商標主務官庁は、現有の資料に基づいて異議を審査することができる(改正規則第36条第3項)。
  18. 審判又は「廃止」(取消)請求の手続き
    • 登録商標に対する審判又は「廃止」(取消)請求の手続きについては、異議申立に関する施行規則第35条第1項(必要書類),第2項(事実及び理由)及び第3項前段(補正)並びに第36条(答弁)の規定が準用される(改正規則第37条)。前記「16、17」参照。
  19. 団体商標の出願
    • 改正商標法では、新に団体商標制度が導入されたので、改正規則でも、これに対応して出願手続きについて下記の規定が定められた。
    • 団体商標の登録出願をするときは、出願書を提出し、かつ使用規約を添付しなければならない(改正規則第41条第1項)。
    • 前項の使用規約には、構成員の資格及び団体商標の使用管理方法を明確に記載しなければならない(改正規則第41条第2項)。