レシートに貼り付けた商標ラベルは、商標権維持のための使用証拠とすることができる(台湾)

レシートに貼り付けた商標ラベルは、商標権維持のための使用証拠とすることができる(台湾) 1

登録商標の不使用取消請求で、商標ラベルが貼り付けられた統一発票(レシート)を使用証拠と認める知的財産裁判所の行政判決が出され、この判決要旨が台湾知的財産局の電子報に掲載された。以下は電子報に掲載された判決要旨の訳文である。

統一発票:
台湾財政部が認定する形式の公式レシート。納税義務のある事業 者は商品・サービスを販売する際に発行しなければならず、領収書に近い。統一発票には、販売価格の他に日本の消費税に当たる営業税の税額が記載されており、税額控除の際の証憑になる。
統一発票には3連式、2連式、レジスター用等、いくつかの種類がある。

電子報掲載日:2015年7月5日

原告:尚立國際股份有限公司
被告:経済部知的財産局
参加人:寶島鐘錶股份有限公司

主文:
原告の訴えを棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

係争商標

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第三者による「各種腕時計、懐中時計」商品を指定した「寶島PORTER(着色)」商標が1960年2月24日に第11405号として商標登録された(以下、係争商標という)。係争商標は何度も更新登録され、参加人に譲渡された。その後原告は、係争商標には登録後、商標法第63条第1項第2号に規定される「正当な理由がなく使用せず又は使用を停止し継続して満3年に達している」事実があるとして、被告にその登録の取消を請求した。被告はその主張には明らかに理由がないと認定し、「取消棄却」処分とした。原告は不服として、訴願及び訴訟を提起した。

裁判所の判決における見解:

商標登録後、正当な理由がなく使用せず又は使用を停止し継続して満3年に達しているものは、商標主務官庁が職権又は請求に基づきその登録を取り消さなければならないと、商標法第63条第1項第2号に明文の規定がある。

商標は使用により商標と指定商品若しくは役務とのつながりが生じる。使用が多ければ多いほど、頻繁であればあるほど、当該商標は一般消費者に標識と商品若しくは役務の出所又は信用・名誉をより識別させることができる。商標は本質的に使用が必要であるが、我が国の商標法は登録主義を採用しており、商標が既に使用されていることは登録の要件ではない。そして登録された商標は、使用して初めて商標権が確保でき、継続してその商標権利を維持、保護することができる。この使用は商標の権益保護使用という。商標の権益保護使用では一般消費者に標識と商品若しくは役務が表彰する商標権者、出所又は信用・名誉を識別させるに足ることが必要であるが、商標権者自身の真正な使用であることを如何に判断するかについては、商標法第57条第3項の規定に基づき、商標の使用は商取引の習慣に合致しなければならない。同法第5条の商標使用の原則的な規定を考量するほか、商標は指定商品若しくは役務の範囲内で使用されたという客観的な判断基準に合致していなければならない。これに準じて、商標を商品若しくは役務に関連するビジネス書類、又は広告に使用することは、市場で既に販売した、或いは販売する商品若しくは役務等の商業情報を伝達し、商標は商品若しくは役務の出所を指し示す効果を達成することができる。例えば、商標を注文書、製品カタログ、料金表、レシート、製品説明書等のビジネス書類に使用し、消費者に当該文書を通して当該商標を認識させれば、即ち商標使用の態様の一つである。

参加人は以前の係争案件注 で、新紘公司が2011年4月9日、2011年7月2日、2011年9月6日、2011年11月1日に作成した統一発票を提出した。当該統一発票にはそれぞれ、PO-2987、PO-2018、PO-14732、PO-7791の型番及び係争商標が表示されたラベルが貼られていた。また、証人、即ち新紘公司の責任者、石○○の誓約書における証言:商品には標準価格があり、控えの統一発票には品名の上方に標準価格を貼ると帳簿をつける際に照合し計算するのに便利であり、時計はそれぞれに型番があるので、型番が張ってあれば勘定照合の際により計算しやすい。更に参加人が2010年12月10日に型番「PO-2018」の腕時計商品を新紘公司に販売した事実に照らし合わせ、原告は参加人が2010年12月10日に作成した統一発票の形式上の真実性を否定しているが、前記統一発票に記載された販売額は即ち参加人の当該年度の売上額で、参加人が申告しなければならない営業税は、統一発票に記載された営業税額から明らかである。原告は、2013年10月11日に係争商標の取消を請求したが、参加人の営業規模からして、進んで文書偽造のリスクを冒し、取消請求日前に税申告作業を完了した前記統一発票を偽造することはない。原告は根拠なく前記統一発票の形式上の真実性を否認しており、採用できない。以上から、新紘公司が2011年に販売した前記型番の腕時計には係争商標が表示されたラベルがあり、且つ、新紘公司は統一発票の控えの方に照合、計算が便利なように係争商標が表示されたラベルを貼り付けている。従って、係争商標には使用していない又は使用を停止してから継続して3年に達している事実はなく、原告の上記事実で取消を請求したのは理由がない。

判決文全文:智慧財產法院103年度行商訴字第124號行政判決

注:商標登録第11405号は本件の取消請求の前にも2012年6月20日に本件とは別な請求人に取消請求された。知的財産局は2013年2月26日付で取消不成立処分を出し、確定している。
本件の取消請求書提出日は2013年10月11日。

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レシートに貼り付けた商標ラベルは、商標権維持のための使用証拠とすることができる(台湾)