最近、出願人から「アメリカ合衆国特許商標庁からの優先権証明書の発行が遅延している」との声が多く寄せられたため、台湾知的財産局は2025年8月26日に、特許及び商標の出願において出願人の責任に帰することができない理由で優先権証明書の提出が法定期間を徒過した場合、その証明書類を添えて原状回復を申請することができ、原状回復の可否は、個々の事案に応じて具体的な状況を勘案して判断することを公告した。知的財産局が例示する証明書類としては、アメリカ合衆国特許商標庁が公式に発行した文書、または出願人に返信した電子メール(公式メールアドレスからのもの)が含まれる。その証明書類には、徒過した理由(例えば人員不足やその他の理由)及び優先権案件番号(又は優先権証明書の申請番号を指すOrder number)が明記されていなければならない。
専利法第17条(及び同法施行細則第12条)、商標法第8条(及び同法施行細則第9条)に基づき、天災や自己の責任に帰することができない理由により法定期間を徒過した場合、その原因が消滅した後30日以内に、徒過した原因及びその原因消滅の日付を明記し、証明書類を添えて、知的財産局に書面により原状回復の申請を行うことができる。ただし、法定期間を徒過してすでに1年経過している場合には、原状回復を申請することができない。また、原状回復を申請する案件については、期間中に行うべきであった行為を同時に行わなければならない。
外国の基礎出願に基づく優先権を主張する台湾特許又は商標の出願について、新規出願時に当該外国主務管庁が発行した優先権証明書を添付しない場合、出願人は法定期間(発明又は実用新案は最も早い優先権日から16か月以内、意匠出願は最も早い優先権日から10か月以内、商標登録出願は台湾出願日の翌日から3か月以内)内に、優先権を主張した国又はWTO加盟国が発行した優先権証明書の正本を提出しなければならず、これを過ぎた場合には、優先権を主張しなかったものと見なされる。
現在、台湾は日本及び韓国との間で優先権証明書の電子交換(二国間協力機制)を導入しているが、米国とはまだ優先権証明書の電子交換を実施していない。一般に、特許出願において優先権を主張することは極めて重要であり、なぜなら、特許審査時に優先権日が、その出願が新規性及び進歩性の要件を満たすかどうかを判断するための基準日となるからである。したがって、台湾で特許出願する際に米国優先権を主張するのであれば、出願人は台湾出願後できるだけ早くアメリカ合衆国特許商標庁に優先権証明書を申請すべきである。
さらに、台湾知的財産局は、優先権証明書は正本又は原本に限らないとしている。出願人が規定に沿った電子ファイルにて優先権証明書を提出し、それが正本と一致することを説明すれば、優先権証明書の正本を改めて提出する必要はない。知的財産局が認める優先権証明書の電子ファイルは次のとおりである:
- 外国の特許主務官庁が発行した優先権証明書の光ディスク(DVD)の電子ファイル。
- 外国の特許主務官庁がネット上で発行した優先権証明書の電子ファイル。
- 外国の特許主務官庁が発行した紙本の優先権証明書を出願人自身がスキャンして作成した電子ファイル。紙本をスキャンする場合の画像フォーマットはJPG、TIF、GIF 又はBMP、解像度は300×300 DPI以上とし、それをA4縦型の印刷フォーマット、読み取り可能、かつセキュリティがかかっていないPDFファイルとする。原則として、一つの優先権証明書につき一つのファイルとする。
