「台湾における特許及び商標出願の実務の違い」について

「台湾における特許及び商標出願の実務の違い」について 3
  1. 特許(発明、実用新案、意匠を含む)及び商標はともに産業財産権の最も重要な権利の一つであり、両者の法律、適用及び出願人は同じ又は類似し、台湾での主管官庁はともに経済部管轄下の「知的財産局」で、当該知的財産局内の特許主管組織は特許一組、特許二組及び特許三組、商標主管組織は商標権組である。とはいえ、特許組と商標権組の実務手続きにはいくつかの相違点がある。
  1. 台湾における特許及び商標出願の実務の違いは概ね以下のとおり(法律上の違いを除く)
内容特許実務商標実務
1優先権と出願人の関係・原則として、優先権を主張する出願人は優先権基礎出願の権利者と同じでなければならないが、実務上は異なっていてもよく、譲渡手続きをしたことを説明又は証明する必要もない。・原則として、優先権を主張する出願人は優先権基礎出願の権利者と同じでなければならず、異なる場合には名称の変更又は移転手続きをしたことを説明又は証明する必要がある。
2優先権証明書の提出・期間内に優先権証明書の正本又はスキャンデータ(電子送信のみ)を提出する必要がある。
・日本の優先権を主張する場合はアクセスコードを記入するだけでよく、韓国の優先権を主張する場合は電子的交換を記入するだけでよく、証明書の正本又は書類を提出する必要はない。
・優先権証明書は正本である必要はなく、その写しを提出することができる。
・EU及びニュージーランドの優先権を主張する場合、台湾代理人がEU及びニュージーランドの知的財産局から優先権書類の写しを入手して提出する。
3変更登録(出願人の名義、住所又は代表者、譲渡又は移転、合併等)・変更前後で各案件の事実が同じである場合、出願人の名義、住所、代表者の変更は一つの届出でまとめて手続きすることができ、TIPOも一通の通知書で登録の認可を通知する。
・特許の譲渡(合併を含む)登録手続きは1件ごとに届け出なければならず、一つの届出でまとめて手続きすることはできない。TIPOは案件ごとに譲渡登録の認可を通知し、譲受人(新たな特許権者)に特許証書を改めて発給する。
・変更前後で各案件の事実が同じである場合、出願人の名義、住所、代表者の変更は一つの届出でまとめて手続きすることができ、TIPOも一通の通知書で登録の認可を通知する。
・商標の移転(合併を含む)登録は一つの届出でまとめて手続きすることができ、TIPOも一通の通知書で登録の認可を通知するが、譲受人(新たな商標権者)に商標登録証を改めて発給することはない。
4特別代理人(本来登記された代理人でない)・特許権(又は特許出願権)の各種変更又は譲渡(合併を含む)手続きについては、本来登記された代理人とは別の代理人に特別に委任することができ、特別代理人はその特許案件を管理する(take over)必要はない。
・すでに特許査定された案件である場合、譲渡(合併を含む)手続き後に、知的財産局は譲渡登録を認可する通知書に当該案件は代理人がいない状態となることを記載する。まだ特許査定されていない案件である場合、譲渡登録を認可する通知書において、当該案件の各申請手続きを継続して代行する代理人(本来の代理人又は新しい代理人いずれであってよい)を指定しなければならないことを譲受人に求める。
・商標権(又は商標出願)の各種変更(移転を除く)手続きについては、本来登記された代理人とは別の代理人に特別に委任することができ、特別代理人はその商標案件を管理する(take over)必要はない。
・商標権(又は商標出願)の移転(合併を含む)手続きをする代理人は、その商標権(又は商標出願)の代理人を引き継がなければならない(take over)。
5異議申立て制度・特許に異議申立て制度はなく、無効審判を請求するほかない。・商標には異議申立て制度及び無効審判制度がある。
6無効審判制度・特許無効審判請求手続きにおいて、請求人は無効審判請求時又は3カ月以内に証拠及び理由を補完しなければならず、被請求人(特許権者)は1カ月以内(延長可)に答弁書を提出する必要がある。知的財産局は審理期間中必要に応じて請求人又は被請求人に対し1ヵ月以内に意見陳述書又は補充答弁書を提出するよう通知し、双方は審判官が述べた事項についてのみ新証拠/理由の補充又は補充答弁をすることができ、前記事項を超えることはできない。・商標異議申立て及び無効審判制度において、申立人/被申立人及び請求人/被請求人は、審決前であれば新証拠及び理由を補充することができ、双方交互に少なくとも2回以上攻防する。
7第三者意見書の提出者・第三者意見書は匿名で提出することができない。・第三者意見書は匿名で提出することができる。
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