近年、台湾でいくつもの司法改革が進められるなかで、重大な商業紛争を迅速、妥当、専門に処理して健全に企業統治し、経済発展を促進することを目的として、これを専門的に取り扱う商業裁判所が新設された。台湾政府は2020年1月15日に「商業事件審理法」を制定、並びに「知的財産及び商業裁判所組織法」を改正公布し、本年(2021年)7月1日に、2008年7月1日に設立した「知的財産裁判所」を新設の「商業裁判所」に合併し、名称を「知的財産及び商業裁判所(Intellectual Property and Commercial Court)(IPCC)」とした。
商業裁判所は訴訟対象金額又は価格がNT$1億以上、或いは上場企業に関わり取引市場の秩序や投資者の権益に重大な影響を与える重要商業訴訟及び非訴訟事件を専門的に取り扱う。
商業裁判所は高等裁判所レベルで、その審理では二級二審制を採用し、商業裁判官と商業調査官が配置される。また、弁護士強制代理制度を採用する。審理過程では調停の前置手続きが採られ、協議したうえで審理計画が立てられる。また、当事者照会制度、専門家証人制度および秘密保持命令制度が導入される。ただし、商業裁判所の事実審は一審のみで、上訴後の最高裁判所は法律審となる。
知的財産裁判所については、これまで通り2014年に改正された「知的財産案件審理法」により審理が行われ、その体制にも変更はない。
「知的財産及び商業裁判所」には3つの知的財産法廷と1つの商業法廷が設置され、その知的財産法廷には計12名の裁判官と12名の技術審査官が配置され、商業法廷には現在7名の裁判官が配置されている。
