商標を侵害する商号の変更命令に関する動向(台湾)

2024年5月1日より台湾商標法改正条文が施行される

経済部知的財産局から「著名商標及び表徴の法的救済」についての討論会に関する発表があったが、著名商標はしばしば権利の侵害にあっている。外国企業Intelの中国語名「英特爾」を国内の企業が使用した件で、裁判所はIntel勝訴の判決を下したが、被告は会社登記の変更を拒否している。著名商標と商号の問題に関連する商業局、知的財産局の動向、発表を以下に紹介する。[文中の「公平交易委員会」は日本の公正取引委員会に相当する。]

著名商標または表徴を自己の会社の商号とする侵害行為に対し、商標権者が商標法の規定に拠って、侵害行為人に対する勝訴の判決確定を得ても、被告が会社名称の変更登記を拒否した場合、現在は会社名称の取消要求に関係する、基準となる原則がない。そのため商業局は、将来会社法第10条の規定を修正し、解散または名称変更を命令できる規定を加えることを検討しているとの説明を行った。

EU商法では、会社名の登記を許可する前に、政府が審査・チェックして商標との抵触を避けるよう提言している。但し、経済部商業局は、事前審査・チェックには多大な時間を要するため、また他の国にも類似する法律規定がなく、著名商標に対して特別なサービスを提供することは、将来その他の商標権利者も次々と要求することを可能にする。そのため歩調を合わせることはできないと表明した。

知的財産局長は、将来、知的財産局が著名商標を整理し、データベースを作成して商業局の参考に提供し、会社登記の許可前に予め審査・チェックを行って、登記の会社名称が他人の著名商標に抵触する事態を避けることができるようにすることを検討している。

昨年の台湾・EU間協議で、EU側が著名商標の保護等の協議において、台湾ではいくつかの法が保護範囲を拡充していないと述べたため、経済部知的財産局は、EU、アメリカ、日本等関係国の商業会議所、公正取引委員会を招き、経済建設委員会、商業局等の機関とのシンポジウムを行った。

知的財産局長によれば、「香奈兒」(シャネル)、「路易威登」(ルイ・ヴィトン)のヨーロッパの著名登録商標が台湾において何回もモーテル、ビンロウの屋台等の名称に使用されており、これらの国際的なブランド業者は、一件一件に警告書を発送し、告訴する必要があり、商標権を維持し防護することに悩まされている。

日本交流協会とEU商業会議所は、公平交易法 [公正取引法]から著名商標保護規定を削除し全て商標法で処理することを可能にする構想があると発表しているが、未だに政策決定はされていない。