商標:職権により権利不要求とされる事項の例示(台湾)

商標:職権により権利不要求とされる事項の例示(台湾) 1

商標:職権により権利不要求とされる事項の例示(台湾)

台湾には商標に権利不要求の制度があり、商標法第19条に規定されている。また、出願人が登録出願時に権利不要求の手続きをしていない場合は、審査官が職権により当該部分を権利不要求とすることができる。知的財産局は、職権による権利不要求の対象となる事項の例示を発表した。発表された内容は、1.説明、2.第1~45類によく見られる権利不要求事項、3.各類別の権利不要求事項の3つに分かれている。以下は2までの訳文である。3.各類別の権利不要求事項の部分は次号以降に掲載する。なお、中国語をそのまま掲載した部分で日本語の意味が要されると思われる部分には [ ] を付して和訳を入れた。

告示日:2009年11月20日

1.説明

商標法第19条の規定では、出願人は商標に説明的又は識別性を有しない事項を含むときは当該部分を権利不要求とせねばならず、それによって商標の登録を取得できる。不要求としなければならない事項とは、商標権者が第三者に対して権利主張の根拠にできないことが明白で疑問の余地がないものである。出願人が登録出願時に権利不要求の申立を行っていないときは、審査官が職権により直接、商標出願人の当該部分の権利を不要求とすることができ、並びに登録公告において注記する。

本例示事項は、審査手続きを簡素化するために取り決めるものである。審査官は、出願人の権利不要求を職権で行う必要があるか否かの認定において、下記例示事項を参考にしなければならない。具体的な個別案件の判断で権利不要求とすべきか疑問がある場合は、出願人に説明を行った後、再度判断しなければならない。

2.第1~45類によく見られる権利不要求事項(注1)

商品又は役務の通用名称
業界で商品又は役務を表示するために常用される中国語、外国語名称。当該名称を商品又は役務の名称として使用した場合、指定商品又は役務の通用名称となるときは、権利不要求としなければならない。
例:
「福田真珠」/指定商品は真珠、「真珠」は通用名称
「ANOSA cosmetics」/指定商品は化粧品、「cosmetics」は通用名称
「土地銀行 LAND BANK」/指定役務は銀行業務「銀行」「BANK」は通用名称

商品又は役務の通用名称が、指定商品又は役務の名称を指すのに用いられないが関連する商品または提供する当該商品の役務に用いられるもので、指定商品又は役務の説明になるときは、権利不要求としなければならない。
例:
「乳酸菌」、飲料に使用するのは、商品の成分説明となる。
「披薩」[ピザの音訳中国語]、レストランの役務における使用は提供する役務の内容説明となる。

品質、効能及びその他の特性を表示する文字
極品、精品、名品、精密、嚴選、精選、頂級、優質、御品、御選、超級、強效、長效、全效、持久、時尚、經典、新鮮、天然、原味、精純、精華、健康、養生、專業、專家、防水、隔音、正宗、正港、祕傳、老牌、有機(注2)、奈米(納米)(注3)、科技、生技、生化、生醫、生態、環境、環保、BEST、DELUXE、GOOD QUALITY、COLLECTION、PROFESSIONAL、FASHION、FRESH、NATURE、NATURAL、PURE、PROFESSIONAL、EXPORT、WATER/SOUND-PROOF、HANDMADE、DIY、HEALTH、ORGANIC(注2)、NANO(注3)、TECHNOLOGY(TECH、TEK)、BIOTECH、BIOCHEMISTRY、BIOMEDICAL、SCIENTIFIC、ECO、GREEN。

自己を示す説明用語
商品名称+専門職の敬称で、自己を示す説明用語は、権利不要求としなければならない。
例:
「珈琲達人」
醫生、博士、職人、達人、高手、專家、○○王、師傅、師父、大師、匠、Master、 Doctor又はDr.等は、全て専門職の敬称である。

商品、役務の設計関連用語
系列、系統、企劃、設計、製品、SERIES、SYSTEM、COLLECTION、STYLE、DESIGN、REDESIGN、MATERIAL、PRODUCT。

成分+シリーズ(ハーブエッセンスシリーズ)、効能+シリーズ/システム(日焼け止めシリーズ、GPSシステム)、材質+製品(皮革製品)等もまた、よく見られるもので、権利不要求としなければならない説明用語である。

役務の提供方式/形態
網際網路、電子商務、線上、宅配、整合行銷、WEB、INTERNET、ONLINE、E-COMMERCE。

地理名称
地理名称が指定商品または役務の産地、提供地域またはその他の関連説明であるとき。現在もなお人に知られる旧地名も含む。
例:
「Logo matis paris」、パリを出所とする香水、化粧品等の商品を指定商品とする場合、paris は産地説明である。
「艋舺」[現在の台北市萬華区の旧地名]、既製服小売り役務に使用する場合、役務提供地の説明になる。

「MADE IN TAIWAN」、台湾製の意味である。権利不要求としなければならない。
但し、地理名称が商標法第23条第1項第11号における、公衆に誤認誤信させる状況にあるときは、権利不要求とすることはできない。

年代と時間
事業創立年代又は製品製造年代の用語の表示。
例:
SINCE/ESTD+年代、酒の醸造年代又は貯蔵年数

サービス提供時間の説明表示
例:
24H

会社名称
特別なデザインが施されていない会社の中国語、外国語名称。
例:
「品城營造股份有限公司 Pin cheng construction Co., Ltd及び図」は、「品城營造股份有限公司」と「Pin cheng construction Co., Ltd」が会社の中国語及び外国語名称なので、権利不要求としなければならない。

会社の種類を表示する文字
有限公司、股份有限公司[日本の株式会社に相当する]。会社名称部分は特別なデザインを施され、且つ識別性を有するもののみに限る。

事業の結合体、営業組織又は事業の性質を表示する文字
集團、企業、實業、展業、產業、興業、工業、事業、協會、機構、聯盟、商行、國際、全球、GROUP、INDUSTRY、INDUSTRIAL、ENTERPRISE、INSTITUTE、FACTORY、INTERNATIONAL、GLOBAL。

業務の種類を表示する文字
建設、工程、營造、建築、物業、營建、食品、銀行、通訊、資訊、電訊、電信、電腦、機械、科技、生技、生物科技、技研、百貨、BANK、COMMUNICATION、INFORMATION、TECHNIC、BIOTECH、TECHNOLOGY、TELECOMMUNICATION、ENGINEERING。

商店の屋号、場所または商品の集中を表示する文字
齊、堂、記、行、社、號等の商店の屋号を表示する文字を含む。屋、家、館、軒、亭、店、局、坊、小舗、老舗、老字號、本舗、創始本舗、小棧、工場、工坊、工作室、事務所、醫院、商場、商城、老街、天地、廣場、生活館、倶樂部、會館、専賣店、便利店、旗艦店、創始店、百年老店、購物網、BOUTIQUE、SHOP、WORK SHOP、HOUSE、STORE、STUDIO、MART、PLAZA、ZONE、MALL、WORLD、SHOPPING MALL等の営業場所又は商品の集中を表示する文字。

商品名称/サービス内容+上述文字は商品又はサービスに関連する説明なので、権利不要求としなければならない。例:
「太陽餅老店」、「弦樂専賣店」、「水電工程行」、「通訊行」、「樂坊」、「動物醫院」。

よく見かける祝賀の言葉、縁起の良い言葉及び流行語
百年好合[末永く睦まじく]、事事如意[全て思い通りになる]、招財進寶[富を招き宝を得る]等を含む。

流行語の基準については、出願案件の審査時に広く流行している用語とする。
例:
○很大(殺很大、省很大)、夯、樂活、火紅、KUSO、LOHAS、ORZ。

その他の識別性を有さない文字牌、BRAND。

宗教用語と標章
呪文、真言、経文、仏の名号等の宗教用語、太極図、八卦図、太極八卦図、仏教のまんじ図(卍)、神仏像等の宗教で常用される標章を含む。

通用標章

指定商品又は役務に通用する標章。
例:
2匹の蛇が絡みついた杖の図、1匹の蛇が絡みついた杖の図 、医療の十字マーク、薬剤に付けられるR等の医療関係業界に通用しているマーク。

説明的な図形
商品本体または商品の重要な特徴を示す図形及び商品を説明する関係業界で常用されている図形。商品又はサービスの産地、提供地域又はその他の説明的な地理図形を指し示すもの。図が実物写真又は実物の写実図形の場合も当然権利不要求としなければならない。

以上の例示事項の組み合わせ

説明的、識別性を有さない文字と商品又は役務名称を組み合わせて使用し、商品又は役務の一般的な説明となっているものは、権利不要求としなければならない。
例:
優質龍潭茶、(品質+地名+商品名称)、經典手工巧克力(品質 [經典:古典的な]+製法 [手工:手作業による]+商品名稱 [巧克力:チョコレート])。

注1. 各類別の例示において内容が複雑になること及び重複することを避けるため、多く見られる事項について本項にまとめた。従って、本事項の内容が各類に等しく適用されるわけではない。

注2. 出願人は、販売する商品が行政院農業委員会の認可を受けた検証機構の検証に合格していることを証明しなければならない(輸入農産物、農産加工品については、国際有機認定を取得していても農業委員会の審査を受けなければならない)。有機の名称を使用して販売並びに有機農産物/農産加工品又はその小売りを指定できるものが商標態様上に「有機」、「ORGANIC」の文字を使用することができる。

注3. 指定商品又は役務は、ナノ化されたもの又はナノ化の役務の提供に限定される。例えば、ナノ化した化粧品、ナノ化した生地について、商標態様中に「奈米」[ナノメートル]、「NANO」の文字を使用することができる。