税関による商標権侵害物品差押実施弁法(台湾)

2024年5月1日より台湾商標法改正条文が施行される

台湾における税関が商標権侵害品を差し押さえるための実施規則、「税関による商標権侵害物品差押実施弁法」は2004年に制定された。同弁法は2012年7月1日から施行された台湾の新商標法に併せて改正され、2012年8月2日に改正が公布され同日施行された。

以下は、同弁法の全般的解説及び条文である。

税関による商標権侵害物品差押実施弁法改正の全般的解説

税関による商標権侵害物品差押実施弁法(以下、本弁法という)は2004年9月15日に制定が公布された。2011年6月29日に改正が公布された商標法(以下、本法という)により、主管官庁が財政部と協議して本弁法を定めると権限付与の条文が改正され、また、税関による商標権益保護措置執行実施弁法等の作業規定の制定権限を財政部に付与することが本法に新設されたことにより、税関に関連作業を実施させる規定を整備するため及び一致性を考量し本弁法を改正する。改正の要点は以下の通りである。

  1. 本法に合わせ権限付与の条文番号を改正する。(改正条文第1条)
  2. 税関が執行する作業の要件に合わせ、権利侵害物品を確認する資料を電子ファイルで提供しなければならない、及び税関は法に基づき差押を解除し、代表性があるサンプルを選び取った後、貨物の輸出入に関する通関規定に基づき処理しなければならないとの手続を追加する。(改正条文第2条、第5条及び第8条)

税関による商標権侵害物品差押実施弁法

2004年9月15日経済部経智字第09304605620号、

財政部台財関字第09305504770号令制定公布

 2012年8月2日経済部経智字第10104605310号、財政部台財関字第10105008230号改正公布

本弁法は商標法(以下、本法という)第78条第1項の規定に基づき定める。

第2条 商標権者は輸入又は輸出される物品にその商標権が侵害されるおそれがある場合に、貨物の輸出入地の税関に書面で差押を申請し、且つ、下記書類を添付しなければならない。

  1. 権利侵害の事実及び権利侵害物品を識別するための説明。更に権利侵害品を確認する資料、例えば、真正品、模倣品のサンプル、写真、カタログ又は図版を電子ファイルで提供する。
  2. 輸出入業者の名称、品名、輸出入通関地及び日付、航空機又は船舶の航行番号、コンテナ番号、貨物保存場所等の関連する具体的な情報。
  3. 商標登録の証明文書

    前項の申請を代理人が提出する場合は、代理であることを証明する文書を添付しなければならない。

第3条 商標権を侵害するおそれがある物品の差押申請は、税関が見積もった輸入貨物の税込み価格又は輸出貨物の本船渡し価格に相当する保証金、又は相当する下記担保を提供しなければならない。

  1. 政府発行の公債
  2. 銀行の定期預金証書
  3. 信用組合の定期預金証書
  4. 投資信託会社の一年以上の普通信託証券
  5. 貸付機関の保証

前項第1号から第4号の担保は、税関に質権の設定をしなければならない。

第4条 税関は差押申請に基づき審査し、本法第72条の規定に合致する場合は直ちに差押を実施し、並びに申請人及び被差押人に書面で通知しなければならない。

差押申請が補正を要する場合、税関は直ちに申請人に補正を通知しなければならない。補正前において、通関手続きは影響を受けない。

第5条 商標権者が貨物輸出入地の税関に差押を申請し、税関から差押受理を通知された翌日から12日以内に、本法第69条の規定に基づき、差し押さえた権利侵害貨物に対して訴訟を提起せず、また税関に通知しなかった場合、税関は差押を解除し、その他の通関規定に違反していなければ、代表性があるサンプルを選び取った後、貨物の輸出入に関する通関規定に基づき処理する。

前項の期限は、税関が本法第73条第2項の規定に基づき、必要であると見なせば12日間延長できる。

被差押人が差押の解除を請求するときは、貨物輸出入地の税関に書面で申請し、且つ第3条の見積価格の2倍の保証金又は相当する担保を提供しなければならない。

前項の担保は、第3条の規定に基づき処理する。

差押品が商標権を侵害するため提起した訴訟を棄却した裁判所の裁定が確定した、又は差押品は商標権を侵害する物品ではないとの裁判所の判決が確定したとき、申請人又は被差押人は貨物輸出入地の税関に関連する証明書類を添付した書面で差押解除を申請しなければならない。

下記の事実の一つがあり、且つその他の通関規定に違反していないとき、税関は代表性があるサンプルを選び取り、貨物の輸出入に関する通関規定に基づき処理する:

  1. 税関が前条の規定に基づき差押を解除。
  2. 被差押人が第6条の規定に基づき税関に差押解除を請求。
  3. 商標権者が本法第73条第1項第4号の規定に基づき差押解除を申請。

本弁法は公布の日から施行する。