歴史のある有名な練り歯磨き剤「黒人練り歯磨き」のメーカー好来化工社は、後発メーカー嘉聯實業社の「白人練り歯磨き」の名称と包装箱が自社の模倣であるとして、1997年に公平交易委員会(公正取引委員会に当たる)に告発した。その後、この紛争は裁判所の見解が一致せず、 また上訴が繰り返されたため、長期に亘る争いとなっていたが、2010年2月4日に最高行政法院の判決が出され漸く決着した。最初の告発から、最後の最高行政法院の判決までに12年余りが費やされた。
本件の流れを振り返ると、告発を受けた公平交易委員会は、「白人練り歯磨き」は違法ではないとの決定を下した。好来化工社はこの決定を不服として、行政訴訟を提起した。最高行政法院は原処分を取消し、公平交易委員会に審査を差し戻したが、公平交易委員会は原決定を維持した。好来化工社は、再び同じ決定が出されたことに承服せず、再度訴訟を提起した。その結果、台北高等行政法院は「白人練り歯磨き」が権利を侵害していることを認める好来化工社勝訴の判決を行った。しかしこの判決に対し、公平交易委員会側が不服により上訴し、最高行政法院は今度は公平交易委員会の主張を認め原処分を破棄した。そして裁判が差し戻しされた台北高等行政法院でも好来化工社の訴えを棄却したため、好来化工社が上訴し、再々度、最高行政法院で争われていた。
2010年2月4日、最高行政法院は好来化工社の上訴を棄却し、好来化工社の敗訴が確定した。判決では、「黒人練り歯磨き」と「白人練り歯磨き」の包装上の図柄、構想及び全体の設計は異なると認め、更に「白人練り歯磨き」は1989年から1996年にかけて巨額の広告費用をかけて宣伝し、且つ登録取得から20年に達しているため一定の知名度を有するとして、消費者に誤認混同は生じないと結論した。12年余りに亘った「黒白戦争」は決着したのである。
