2023年5月24日の台湾商標法の改正により早期審査制度が導入され、2024年5月1日より施行される。また、商標法の改正に応じて商標法施行細則及び商標手数料徴収準則も併せて改正され同日より施行される。知的財産局は、商標登録出願早期審査の要件及び適用態様を出願人に理解してもらうため、商標登録出願の早期審査に関する作業手続きを制定した。
まず、商標早期審査は、一般商標(証明標章、団体標章及び団体商標を除く)の登録出願に適用される。出願人は、即時に権利を取得する必要がある場合、事実及び理由を記載した申請書に証明書類(外国語の場合、中国語の翻訳文を添付する)を添付し、早期審査手数料を納付する。早期審査手数料は、商品・役務の区分数に基づいて計算され、一区分あたりNT$6,000であるが、一般商標の新規出願手数料である1区分NT$3,000(商品20項目まで)も従来通り納付する必要がある。また、早期審査請求は、商標登録出願後、知的財産局から第一回審査通知書を受領するまでの期間に行わなければならない。
早期審査の要件については、主に商標の使用状況に基づき判断され、商標の図案は申請する商標の図案と全く同じでなければならず、指定する商品又は役務の名称も一致しなければならない。知的財産局は早期審査請求の態様を以下の2つに分類しており、出願人は申請書においていずれかを選択し、事実及び理由を明記した上で、証明書類を添付する。
態様一商品又は役務の全てで商標をすでに「実際に使用」し、又は「使用のための準備がすでに相当程度進んでいる」。「実際に使用」とは、台湾で商標を使用していることを指し、商品又はその包装容器、役務の提供に関連する物品等に商標を使用することが含まれる。「使用のための準備が相当程度進んでいる」とは、市場販売を予定する商標使用形態に近いことを指し、商標を付した商品又は役務の見本、広告チラシ、宣伝用印刷物の発注、広告契約、事業計画書等を提示して証明することができる。
態様二商品又は役務の一部で商標をすでに「実際に使用」し、又は「使用のための準備がすでに相当程度進んでおり」、かつ商業的に権利を主張する必要性及び緊急性がある。知的財産局は、商業的に権利を主張する必要性及び緊急性がある状況として、以下を挙げている:
- 第三者が同意を得ずに出願商標を使用している、又は使用のための準備が相当程度進んでいる
- 出願商標の使用について第三者から権利侵害の警告を受けている
- 第三者が出願商標の使用許諾を求めている
- 出願商標の市場での流通が計画されており、協力メーカーと販売又は代理販売等の契約を結んでいる
- 出願商標の出展が計画されており、展示会の運営組織と契約を結んでいる
- その他、商業的な必要性及び緊急性を証明するに足る
商標登録出願が早期審査の要件を満たし、書類が全て揃っている場合、知的財産局は原則として2ヶ月以内に審査結果を通知する。知的財産局の2023年の統計によると、商標登録出願の第一回審査意見通知までの期間は平均6.2ヶ月、審査終了までの期間は平均7.5ヶ月である。従って、早期審査請求した商標登録出願は、審査期間が4~5ヶ月短縮されることになる。但し、商標登録出願の通常の審査手続では先に使用している事実は要求されないが、早期審査請求した商標登録出願の場合は条件が明らかに厳しくなる。
