台湾立法院、商標法の一部条文の改正案を可決

台湾立法院、商標法の一部条文の改正案を可決 2

台湾立法院は2023年5月9日に商標法の一部条文の改正案を可決し、5月24日に台湾総統府により公布された。施行時期は台湾行政院が別途定めるものとし、今回の商標法の改正案は下記の五つのポイントを含んでいる:

  • 商標登録出願の早期(加速)審査制度を導入
    (第19条、第94条、第104条)

例えば「権利侵害の訴訟により権利確認が必要」、「商品が展示会に出品されている」または「商品は既にリリース可能」など、出願人にとって権利を即時取得する必要がある商標に対し、事実および理由を説明し、料金を納付することで早期(加速)審査を申請でき、その審査期間は一般的に必要とされる六、七ヶ月から約二ヶ月まで短縮される。この制度は補正または拒絶の通知を受けていない一般の商標登録出願に適用される(証明標章、団体商標または団体標章には適用されない)。台湾知的財産局はまだ早期審査に関する詳細な規範を公布していないが、現在、早期審査の政府手数料はNT$6000になると予定されている(早期審査を申請した商標登録の新規出願については、現行の規定に従って、区分および商品数に基づいて新規出願の政府手数料を納付する必要もある。一般商標の出願費用はNT$3000/区分で、指定商品は20項までと限定されている)。
註:早期審査の新制度に比べ、台湾商標制度が2021年5月1日に実施したファストトラック制度も一般の平面商標の電子新規出願に適用可能で、追加の政府手数料はなく、基本政府手数料の減額を受けられる(NT$3000からNT$2400に減額される)が、その指定商品または役務の名称は、TIPOの電子出願システムの参考名称と同じでなければならず、代理人による手続きの場合、委任状を併せて提出しなければならない。要件を満たす出願は先に審査されるようシステム的に自動分類される。

  • 商標登録出願人として適格な主体を追加
    (第19条第3項、第99条)

現行の商標法は、団体標章および団体商標において法人の資格を制限しているのを除き、一般の商標登録出願については特に出願人の資格を規定していない。実務において、出願人が非法人団体の場合、該非法人団体の名称に責任者の姓名を加えることで、出願人として商標登録を出願することができるが、一部ケースでは、権利帰属の争議が起こる可能性がある。市場経営における商業主体のニーズに応えるため、今回の法改正では、適格な商標出願人の主体を、自然人、法人、パートナー組織(弁護士、会計士または建築士事務所など)、行政官庁、機関、法律に基づいて登録された非法人団体(寺、協会、農業経営班など)または商業登記法に基づいて登記された商業で、その指定商品または役務の業務に従事するものと明確に定めた。

  • 特定の状況で他人の商標を使用した場合、合理使用(fair use)を主張できることを定めた
    (第36条)

商標の合理使用は、記述的合理使用と指示的合理使用を含んでおり、前者は商標登録出願における指定商品または役務自体の説明、後者は第三者が他人(商標権者)の商標を自分の商標として使用するのではなく、商品または役務の出所を示す際に使用するものを指す。今回の法改正では、指示的合理使用の適用状況を明確に定め、それは商業の取引の習慣の信義誠実原則に従ったものでなければならず、その使用結果は消費者の誤認混同を引き起こすものであってはならないとした。台湾知的財産局は例として、スマホ及び通信メンテナンスサービスを提供する広告看板において、各スマホメーカーの商標を用いて店がサービスを提供するスマホブランドを表示することは合理使用に属し、権利侵害にはならないことを挙げている。

  • 商標権者が税関から権利侵害の認定を行う通知を受けた場合の手続きを簡略化
    (第75条)

税関が職務遂行時に、商標権侵害の疑いがある輸入出品を発見した場合、現行の規定では商標権者に期間内で税関現場に赴いて認定を行うよう通知することとなっているが、技術の進歩及び政府による電子化作業の推進により、台湾関務署の水際保護措置の作業手続きは簡略化され、商標権者は税関の電子プラットフォームが提供する写真ファイルに基づいて権利侵害の有無を判断できる。このため、法改正により原条文の「税関に赴いて」の文字が削除され、出願人が必要と認めた場合に、税関現場に赴いて権利侵害の認定を行うことになる。(台湾の実務において、商標権者は税関による通知後の24時間内で模倣品であるかどうかを確認し、三日内に鑑定報告書を提出しなければならない)

  • 商標代理人管理制度の設立による保障
    (第6条、第12条、第109条の1)

商標登録出願及びその他の手続き事項を行う代理人の資格について、法律に基づいて遂行する商標業務の専門職員(弁護士など)または商標専門能力を備えかつ登録された者でなければならないと明確に定めた。台湾知的財産局が別途その登録及び管理方法を制定し、かつ出願人の検索用として商標代理人名簿を作成した。

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台湾立法院、商標法の一部条文の改正案を可決