経済部は、知的財産権の保護に関する三カ年計画の徹底した実施を図るため、2003年に侵害行為の取り締まりを専門とする特捜チーム(「保智大隊」と称する)を発足させ、取り締まりを強化している。以下に紹介するのは、経済部が2004年01月13日に発表した、2003年度における知的財産権侵害事件の取り締まり成果をまとめたものである。
経済部は「保智大隊」を発足させた後、特にナイトマーケット及び小売店における海賊版CDの販売の取り締まりを強化し、海賊版製造工場に関する情報提供者への報奨金額の引き上げ、侵害品及び侵害行為に使用した機械・器具の保管倉庫を増設するなど、不法行為の排除について種々の措置をとっている。
また、高等裁判所検察庁は、警察機関及び調査局との合同会議を定期的に開いて討議を行い、捜査上の連携、共同捜査等を行っている。
著作権侵害については、著作権法の改正で、海賊版CDの製造による侵害行為が「非親告罪」に変更され、かつ、罰金の最高額が800万台湾ドルに引き上げられたため、ナイトマーケット及び小売店における海賊版CDの販売、学校近辺のコピー店における書籍の不法コピーが減少している。
2003年度では、下記のとおり、侵害行為の取り締まりにおいて成果が上がっており、これは米国通商法第301条に関する問題を解決する上においても多いに役立つものと考えられる。
- 察庁及び警察機関が処理した知的財産権侵害事件の件数 「内政部警政署」の統計によると、2003年01月から11月までの知的財産権侵害事件の処理件数は、4209件であって、押収した侵害品は金額にして110億台湾ドル余りにあたり、これは、2002年度に押収した侵害品が金額にして90億8千台湾ドル余りであるのに対して、21.9%の増加を示している。2003年度の知的財産権侵害事件では、商標侵害事件が2002年度に比べて増加しているが、これは海外からの侵害品の流入が増加しているためである。2003年度の著作権侵害件数は、2002年度に比べて35.39%減少している。これは改正著作権法の侵害行為に対する罰則の強化が海賊版の製造者等に対し警告の役目を果たしているものと思われる。前記の取り締まり件数のうち、「保智大隊」が摘発した件数は2017件であって、押収した侵害品は金額にして66億2千万台湾ドル余りに上り、すなわち、金額では、「保智大隊」の摘発した事件が50%以上を占めており、この特捜チームが摘発に大きく貢献していることが分かる。
- CD製造工場の捜査件数 経済部CD連合調査チームは、2003年01月から12月までに工場の捜査を1088回行った。これは、2002年度の捜査回数が297回であったのに対し、2.7倍の増加である。しかし、摘発した重大な侵害件数は0.9だけであって、2002年度の同期の重大な摘発件数が5.4%であったのに対して、大幅に減少している。これはCD製造工場の視察等が侵害行為防止の効果を挙げているためと思われる。
- ナイトマーケット等における海賊版CDの取り締まり
- 「保智大隊」は、全台湾で一斉に海賊版CDの販売取り締まりを繰り返し実施しており、2003年度上半期において2004回出動して、オーディオ・ビデオ及びゲームソフトのCD106万枚を押収した。しかし、下半期においては、2106回出動したが、押収枚数は36万枚だけであった。これは取り締まりによりナイトマーケットにおける海賊版CDの販売が減少していること、また、消費者がナイトマーケットで海賊版CDを購入するのが困難になっていることを示している。
- 財団法人「映画及びビデオ著作物保護基金会」の2003年07月及び08月の「ナイトマーケットにおける海賊版CD販売状況の調査報告書」によると、ナイトマーケットで海賊版CDを不法に販売する露店・屋台は二分の一以下に減少している。
- 財団法人「国際レコード交流基金会(IFPI)によると、同会が2003年08月に、過去に海賊版CDを販売した店を対象として調査をした結果、過去に300店あった販売店が調査時点では50店に減少している。
- 「警政署刑事警察局は2003年09月台北県汐止市のCD回収工場で3、4億枚に上る海賊版CDとポルノCDを発見した。工場の経営者によると、これらのCDは、著作権法の改正後、海賊版CDの販売行為が非親告罪になったので、製造者や販売者が罪を追究されるのをおそれて回収し廃棄のために持ち込んだものである。
- 国際的な海賊版販売集団の取り締まりを強化するため、台北地方裁判所検察官は2003年12月17日及び12月24日、刑事警察局、「保智大隊」、台北市調査処の捜査員を指揮して、長期間にわたり国際的海賊版製造集団と結託して、台湾でコンピュータ・ソフトの海賊版の注文を受けて、中国大陸で制作し、ホンコンを通じて各国に販売している疑いがある会社2社を捜査した。また、刑事局によると大多数の海賊版販売集団は、外国にネットワークを設置して、電子メールを利用して海賊版の製造・販売を行っているので、今後、各国の検察・警察等の関係機関及び権利者団体と連携を密にして、共同で侵害行為の取り締まりにあたることを計画している。
