商標登録廃止申請事件審決要旨(台湾)

2024年5月1日より台湾商標法改正条文が施行される

決定年月日 :2005年12月26日

9. 処分官庁・決定番号:経済部知的財産局・中台廃字第940101号

9.1. 決定主文:申請は成立しない。

9.2. 当事者

9.2.1.登録廃止申請人:(省略)

9.2.2.商標権者:(省略)

9.3. 係争商標

9.3.1. 係争商標番号:登録第1102787号

9.3.2. 申請人引用商標:(ナシ)

9.4. 係争商標名称:「Easy B@nk及び図」

9.5. 引用条文:商標法第57条第1項第5号(訳注参照)

9.6. 参考判決:(ナシ)

9.7. 紛争状況:審決確定

9.8. 重要法律見解:
係争の登録第1102787号「Easy B@nk及び図」商標は、2004年05月16日に登録を取得したものであって、登録後満3年を経過していないので、商標権者は、まだ商標法第57条第1項第2号に定める使用の義務を有するものではない。また、同一人が同一商標を異なる商品又はサービスについて登録し又は使用するのは、もとより許されていることである。したがって、商標権者が係争商標と同一の商標を本件登録の出願前にすでに別類に属する「金融貸付、信用貸付、自動車貸付」等のサービスに使用していたのは、そのサービスの性質について公衆に誤認・誤信を生じさせるものではなく、商標法第57条第1項第5号の規定を適用できるものではない。

9.9. 処分書摘要

9.9.1. 廃止申請人の陳述:
係争の登録第1102787号「Easy B@nk及び図」商標は、商標権者が実際には銀行貸付のサービスに使用していたものであって、本件登録の指定サービスである「広告の企画及び設計、広告の制作、広告の代理、企業買収の仲介及び関連のコンサルタント業等のサービス」について使用したものではないので、本件商標は、その実際使用時において公衆にそのサービスを銀行貸付のサービスであると誤認・誤信させるものであり、商標法第57条第1項第5号の規定の適用を受けるべきものである。

9.9.2. 商標権者の陳述:
係争商標は、登録の取得後僅かに1年しか経過しておらず、商標法は、登録後3年間の商標の不使用を認めている。また、本件係争に関連するサービスは、商標権者の営業項目に実際に含まれるものであり、この事実は、商標権者が提出した経済部商業司の「会社基本資料」のフォトコピーによって証明されている。また、商標権者は、2002年から「Easy B@nk及び図」及び「www.easybank.com.tw」を「金融貸付、信用貸付、自動車貸付」等のサービスについて、広く使用しており、当該商標は、すでに早くから著名商標になっている。商標権者は、関連の営業上のサービスについて他人がこれを模倣し又は先取りして登録をすることにより、消費者に誤認・混同を生じさせるのを防止するため、広告の企画及び設計、広告の制作、広告の代理、企業買収の仲介及び関連のコンサルタント業のサービスを指定して、本件係争商標の登録を出願したのであり、その登録は、商標法第57条第1項第5号の規定に反するものではない。

9.9.3. 処分書の論述:
本件登録廃止の申請人は、商標権者が実際に当該商標を使用したサービスが銀行貸付のサービスであったのに、係争の登録のサービスとして広告の企画及び設計、広告の制作、広告の代理、企業買収の仲介及び関連のコンサルタント業等のサービスを指定したことを、廃止申請の理由として主張している。しかし、係争商標は、広告の企画及び設計等のサービスを指定したものであるので、廃止申請人が別件登録第1085501号に対する無効審判請求事件について提出した、「Easy Bank」商標の銀行貸付仲介等のサービスについての使用の証拠資料は、係争商標が前述の広告の企画及び設計に使用されたことを証明する証拠とすることができないものである。したがって、当該証拠資料を、係争商標の登録後における違法又は不当な使用及びそのサービスの性質について公衆に誤認・誤信を生じさせたことの論拠とすることはできない。そのうえに、係争の登録第1102787号「Easy B@nk及び図」商標は、2004年05月16日に登録を許可されたものであって、登録後3年に満たないので、商標法第57条第1項第2号の規定により、商標権者は、まだ当該商標を使用する義務を有しない。さらに、同一人が同一の商標を異なる商品又はサービスについて登録し又は使用するのは、もとより許されていることであるので、商標権者が係争商標と同一の商標を本件商標の登録出願前にすでに別類に属する「金融貸付、信用貸付、自動車貸付」等のサービス」について使用していたということは、公衆にそのサービスの性質について誤認・誤信を生じさせるものではなく、したがって、商標法第57条第1項第5号の規定を適用できるものではない。

訳注:本件申請人が引用した商標法第57条第1項第2号(満3年の不使用)及び第5号(実際使用時の誤認・混同のおそれ)の規定は、次の通りである。

第57条第1項(登録の廃止)
商標の登録後、次に掲げる事由の一つがある場合、商標主務官庁は、職権で又は申請により、その登録を廃止しなければならない。

  1. (省略)
  2. 正当な理由がなく、使用をせずに又は使用を引き続き停止して満3年を経過したとき。ただし、被許諾者が使用をしているときは、この限りでない。
  3. (省略)
  4. (省略)
  5. 実際使用時において商標にその商品又はサービスの性質、品質又は産地について公衆に誤認・混同を生じさせるおそれがあるとき。
  6. (省略)