インターネットによる知的財産権侵害の取り締まりの強化(台湾)

インターネットによる知的財産権侵害の取り締まりの強化(台湾) 1

知的財産局は、知的財産権の保護の強化を図るため、「インターネットによる権利侵害の防止措置の強化に関する実施規則」を定め、かつ、「インターネット合同取り締まりチーム」を組織して、インターネットによる知的財産権侵害の取り締まりを強化する決定をした。

以下は、同局のホームページに掲載された前記決定に関するプレスリリースの訳文である。

標 題:「インターネット合同取り締まりチーム」を組織し、インターネットによる権利侵害を効果的に抑止する知的財産局の決定

掲載日:2005年1月24日

政府は、知的財産権の保護を着実に実行するため、「2002年知的財産権保護アクションプログラム」を実施に移した後、更に「知的財産権保護政策貫徹3カ年計画」の制定を経済部に指示し、また、「知的財産権保護大隊」と「光ディスク検査・取り締まりチーム」の発足に合わせて、光ディスク製造工場及びナイトマーケットの査察を全面的に強化し、その結果、光ディスク海賊版の製造販売の取り締まりに顕著な効果を得ることができた。しかし、インターネット・テクノロジーの急速な進歩により、著作物を大衆に提供する便利な環境が整えられたが、これは間接的に権利侵害などの不健全な風潮を助長することにもなった。

知的財産局の委託により政治大学が末端消費者を対象として行った調査の結果によると、2004年にインターネットからダウンロードされた音楽及び映画の海賊版の比率は、2003年に比べて3~15%上昇しており、これは、音楽、映画及び各種デジタル産品について、インターネットによる侵害が新しい侵害の形態として、従来の販売ルートを介した侵害に取って代わる勢いにあることを、明らかに示している。このような状況の急速な変化に対応するため、世界各国とも、インターネットによる権利侵害行為の取り締まりの強化、及びインターネット・デジタル産業に関する法制の整備を極めて重視している。

インターネットを利用した犯罪の新しい形態を把握するため、知的財産局は2004年、「資訊工業策進会科技法律中心」に、侵害態様の分析及び具体的な対応措置の検討・提案を委託した。同会の調査によると、現在のところ、インターネットによる権利侵害の態様には、ウエブサイト又はインターネット・プラットフォームを利用した販売行為、P2Pのファイルの共有伝送、及びインターネット・デジタル・コンテンツの伝播等の態様が含まれる。

インターネットによる権利侵害行為が多発しているのに対応するため、知的財産局は2005年1月、行政院研究発展考核委員会、法務部、教育部、電信総局、内政部警政部、経済部所属の関係機関、権利者団体、プロバイダー等の業者団体と共同で「経済部インターネットによる権利侵害の防止措置の強化に関する実施規則」の草案を検討した。この規則は1月28日の「知的財産権協調会議」に提出して更に討議を経て実施される予定である。その実施期間は暫定的に2005年1月1日から2007年12月31日までとし、期間満了後に改めて検討をする。この実施規則の重点は以下のとおりである。

  1. 新著作権法の規定の周知の強化 著作権法の重要な規定について、特にインターネット・サービス・プロバイダーに対する周知を強化し、また、インターネット使用者に対しても、適切で効果的な周知の方法・手段を採用して周知の効果を高める。
  2. インターネット・サービス・プロバイダー業者団体と権利者団体の協力と自律公約の制定 インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が使用者の知的財産権侵害行為に対して法律責任を負うべきか否かという問題については、更に問題点を整理して検討を進める。また、知的財産権の侵害を防止するため、業者団体と権利者団体で協調して自律的公約を制定することを推進する。特に、著名ブランド、オーディオ、ビデオ及びコンピュータ・ソフトウエアの権利者団体、代理人団体とオークション・サイト及びインターネット・サービス・プロバイダーの協調により、海賊版を識別する能力の向上を図る。
  3. 学園内におけるインターネット管理の強化    各大学等にインターネットの使用規範の制定、インターネットの利用量が異常に多い者に対する補導、及び学生に対するインターネットの利用に関する正確な法律観念の教育の強化を求め、その実施成績を学校の評価事項に入れる。
  4. インターネットによる権利侵害行為の効果的な防止 「知的財産権保護大隊」及び「光ディスク検査・取り締まりチーム」の中からコンピュータ、インターネット、技術、法律等を専門とする者を選び、知的財産局「著作権組」を事務部門の窓口として、「インターネット権利侵害行為取り締まり専門チーム」を組織し、インターネットによる権利侵害事件の取り締まりを強化する。また、侵害事件取り締まり担当者の専業上の訓練を強化して、侵害事件の調査及び起訴の迅速化を図るとともに、インターネット上の権利侵害行為を制止するため、権利侵害事件の検挙及び執行に対する奨励金、並びに行政上の成績に対する奨励金の額を引き上げる。更に、外国にも関連するインターネット事件の調査の困難を解決するため、関係諸国との連携のルートを確立する。
  5. 知的財産権の保護の強化については、長期的に継続して努力を重ねる必要があるので、これまでの実績をふまえて任務の遂行にあたるほか、更に急速に変化する侵害行為の種々の形態に対応する措置をとる必要がある。知的財産局は、前記「実施規則」を着実に実行することにより、インターネットによる権利侵害行為を効果的に抑止し、知的財産権の保護の目標を達成することができると考えている。