台湾では2010年1月1日から「発明特許早期審査の運用方案」(AEP)を正式に施行しているが、知的財産局は「発明特許早期審査の運用方案」の改正を2011年6月28日付で公告した。この改正は2011年7月1日から施行される。改正点は2点で、内容は以下の通りである。
- 早期審査を申請する場合は、申請の時点で出願が公開されていなければならない。公開されていない場合は、早期公開を申請する必要がある(申請費NT$1,000)。
公開は出願(優先権主張がある場合、優先日)から18ヶ月後に行われるので、公開が近い場合は、公開を待って早期審査を申請することも考えられる。
方案の改正された部分は以下の通り。下線部分が追加された。
旧方案:知的財産局が、既に実体審査又は再審査開始通知を発行した発明特許出願について、既に審査が進行中であるか否かを問わず、下記の3つの事由のいずれかに合致する出願人は、関係文書を添付し「発明特許早期審査」を申請することができる。
改正方案:知的財産局が、既に実体審査又は再審査開始通知を発行し、且つ当該特許出願を公開した発明特許出願について、既に審査が進行中であるか否かを問わず、下記の3つの事由のいずれかに合致する出願人は、関係文書を添付し「発明特許早期審査」を申請することができる。 - 早期審査の申請理由が、ビジネスの実施上必要とするものである場合は、早期審査申請費NT$4,000を納付しなければならない。
今まで早期審査の申請費は不要であったが、ビジネスの実施上必要とするとの事由の場合、外国の審査決定又は検索結果を添付する必要がなく、台湾における特許案件の検索及び審査手続きを簡略化する効果がない。そのため使用者費用負担の原則から、この事由に基づく申請の場合のみ、申請費が課せられることになった。
早期審査を申請できるのは、下記の事由のいずれかがある場合である。
事由1:対応する外国出願が外国特許庁の実体審査を経て、登録査定されたもの
| 必要書類 | 外国特許庁 | 審査結果までの処理期間 |
|---|---|---|
| 1.申請書 2.外国特許庁が登録査定公告したクレーム(中国語訳を含む)又は外国特許庁の登録査定通知(※1)の写し及び間もなく公告されるクレーム(中国語訳を含む)。 3.外国特許庁の審査過程で出された審査意見通知書及びサーチレポート。中国語、英語以外の場合は、中国語の要点説明書を提出しなければならない。 4.上記2のクレーム中国語訳と台湾出願で提出したクレームとの差異の説明。差異のない場合は上記1の申請書における「差異なし」の項目に印を付けること。 5.上記3で、対応出願が新規性又は進歩性の欠如を指摘され非特許文献が引用された場合は、その写し(特許文献の場合は、提出不要)。 6.早期審査の申請時、当該特許出願が公開されていない場合は、併せて早期公開を申請しなければならない。 | 限定されない | 6ヶ月 但し実際の審査期間は、出願の属する技術領域により異なる。 |
注1.台湾で優先権を主張している基礎出願で、同一のパテントファミリーに属するものを「対応する外国出願」とすることができる。但し、台湾において、優先権を主張していない対応出願を排除するものではなく、出願のクレームに記載されている発明が対応出願の明細書又は図面に開示されているかどうかによって判断することを原則とする。
注2.必要書類1~3は、必須書類。但し、サーチレポートが発行されていない場合は、提出しなくてよい。4~6は該当しない場合は不要。
注3.出願人が早期審査のために有利と考える場合は、以下を提出することができる。
例:・外国特許庁に提出した答弁書
・ 引用文献により、対応出願が新規性又は進歩性の欠如を指摘され
た場合、出願人は台湾出願が特許性を有する理由を説明することができる。
注4.台湾出願において、出願人にクレームの減縮を要求する審査意見通知が
出され出願人が既に減縮したときは、出願人は、補正クレームより範囲が広い登録査定された外国出願に基づいて早期審査を申請することはできない。
事由2:対応する外国出願が、米国、日本、欧州特許庁の審査意見通知書及びサーチレポートの発給を受けているが、審査結果は出ていないもの
| 必要書類 | 外国特許庁 | 審査結果までの処理期間 |
|---|---|---|
| 1.申請書 2.米国、日本、欧州特許庁の審査意見通知書で依拠したクレーム(中国語訳を含む)。 3. 米国、日本、欧州特許庁が発行した審査意見通知書(※2)及びサーチレポート(※3)の写し。英語以外のものは、中国語の要点説明書を提出しなければならない。 4.上記2のクレーム中国語訳と台湾出願で提出したクレームとの差異の説明。差異のない場合は上記1の申請書における「差異なし」の項目に印を付けること。 5.上記3の審査意見通知書及びサーチレポートにおいて、引用文献により対応出願が新規性又は進歩性欠如を指摘されている場合は、台湾出願が特許性を有する理由を説明しなければならない。 6.上記5の引用文献に非特許文献が含まれている場合は、その写し(特許文献の場合は提出不要)。 7.早期審査の申請時、当該特許出願が公開されていない場合は、併せて早期公開を申請しなければならない。 | 米国、日本、欧州特許庁 | 6ヶ月 (クレームに差異がない場合) 9ヶ月 (クレームに差異がある場合) 但し実際の審査期間は、出願の属する技術領域により異なる。 |
注1.必要書類1~3は、必須書類。4~7は、該当しない場合は不要。
注2.出願人が早期審査のために有利と考える場合は、以下を提出することができる。
例:・外国特許庁に提出した答弁書
・第2次又はそれ以降の審査意見等
事由3:ビジネスの実施上、必要とするもの
| 必要書類 | 審査結果までの処理期間 |
|---|---|
| 1.申請書 2.申請者のビジネス実施証明文書 (例:既に交渉された実施許諾契約、販売カタログ等) 3.早期審査の申請時、当該特許出願が公開されていない場合は、併せて早期公開を申請しなければならない。 4.申請費 NT$4,000 | 9ヶ月 審査意見通知書又は審査決定書を含む |
