実体審査請求期間を「不変期間」と認定(台湾)

台湾特許無効審判口頭審理作業が2024年6月11日より実施される

実体審査請求期限を過ぎてから請求手続きを行い、不受理処分となった発明特許の出願人が、請求手続きは不受理処分書の日付前に行ったとして、「処分前に補完したときは、これを受理しなければならない」との規定を根拠に行政訴願を提起した事案について、台北高等行政法院は、訴えを棄却した。以下は知的財産局の知的財産権電子報に掲載された記事の訳文である。[註:文中の「専利」は、発明特許、実用新案特許及び意匠特許を指す。]

掲載日:2009年2月5日

原告は2003年2月13日に本局 [知的財産局] に発明特許を出願し、並びに優先権を主張した。本局は、2003年6月30日付(92)智専一(二)15033字第09241105170号書簡で、原告に当該出願は最先の優先日の翌日から18ヶ月後に公開されると通知した。原告は2006年2月17日に実体審査を請求したが、本局は直ちに、当該出願の実体審査請求日は、出願日の翌日から起算して3年の期限を既に過ぎており、専利法第37条第1項の規定に違反しているため、2006年3月9日付(95)智専一(二)15114字第09540423830号書簡により不受理処分とした。原告は不服により訴願を提起した。経済部は訴願棄却の決定を下したが、原告は承服せず、台北高等行政法院に行政訴訟を提起した。

原告は、本局の原処分作成以前に、既に実体審査の請求手続をおこなっており、専利法第17条但書きの規定により、本局は本件出願の実体審査の請求を受理すべきであると主張した。[専利法]制度改正前の、1993年11月、1997年5月の裁判長・評事合同会議の決議、及び制度改正前の2000年度判字第1358号判決、台北高等行政法院2002年度訴字第2589号判決の見解では、全ての手続きにおいて、履行することを義務とする所定の期間が、性質上不変期間と認められないもので、且つ手続きにおいて、履行することを義務とする所定期間に遅れたが処分前に補完したものは受理しなければならず、それにより初めて法に合致する。本局の主張:「本件は、出願人が3年以内に実体審査を請求しない場合、発明特許出願を取り下げたと見なすとの専利法第37条第1、4項の規定について決定したものであり、当該3年の期間の性質をみると、上述した不変期間の特性を有し、従って、不変期間と見なすことができる。」というものである。専利法第37条第1項に規定される実体審査請求の3年の期間は、「手続き上、実体審査の請求ができる期間」であり、制度改正前の行政法院及び最高行政法院の専利出願及びその他進行手続きの所定期間に関する決定を再度参照すると、本来「法定不変期間には属さない」性質もあるとの見解である。これにより、実体審査を請求できる期間を逸した場合は、専利法第17条第1項但書きの規定から適用を類推すべきであり、本局の処分前であれば受理しなければならない。原告は、本局が2006年3月9日付で作成した原処分の前、即ち2006年2月17日に実体審査の請求手続きをおこなっているので、本局は受理しなければならないと主張した。

台北高等行政法院は審理の後、原告の訴えを棄却した。法院の指摘:専利法第37条第1項及び第4項とは、出願人が発明特許の出願日から3年以内に専利主務官庁に実体審査を請求していない場合は、当該発明特許を取り下げたと見なすというものである。法律の規定に照らし、訴訟関係人が対応する、ある定められた行為の一定時期が、延長、短縮が許されない、又は期間が満了したことにより権利が失効する結果となるものは何れも「不変」期間に属する。前述の条文には「不変」の文字はないが、その規定期間の性質には、上述した不変期間の特性があり不変期間と見なすことができる。従って該条文に定められている3年の期間は、「法定不変期間」に属すべきものである。当該「法定不変期間」に遅れたものは、同法第17条第2項の原状回復の状況があるもの以外は、当該発明特許出願は取下げたと見なす。また、「取下げたと見なす」とは、制定された法律の効力により、法定期限を超えた場合に直ちに取下げが発効するものであり、専利主務官庁が通知する必要はない。従って当該発明特許出願が期限までに実体審査を請求しなかった場合は、即ち当該出願は既に存在していないということであり、専利法第17条第1項但書きの処分前の補完とは異なる問題である。従って、原告が主張する専利法第17条第1項但書きの規定により、被告は原告の補完行為を受理しなければならないとの部分については、誤った解釈があり、当然採用できない。

注記:

専利法第17条

第1項
専利出願又はその他の手続きについて、出願人が法定若しくは指定の期間に遅れ、又は期間内に料金を納付しなかったときは、これを受理してはならない。ただし、期間に遅れ又は期間内に料金を納付しなかった場合において、処分前に補完をしたときは、なおこれを受理しなければならない。

第2項
出願人・申請人が天災又は自己に帰すことができない事由により法定期間に遅れたときは、その原因の消滅後30日以内に書面で理由を明確に述べて専利主務官庁に原状回復の申請をすることができる。ただし、法定期間の満了後すでに1年を経過したときは、この限りでない。

専利法第37条

第1項
発明特許の出願日から3年以内においては、何人も、専利主務官庁に実体審査を請求することができる。

第4項
第1項又は第2項に定める期間内に実体審査を請求しなかったときは、当該発明特許出願は、取り下げたものとみなす。

とする。