特許法の再改正計画(台湾)

特許法の再改正計画(台湾) 1

知的財産局は、世界貿易機関(WTO)2001年ドーハラウンドの「TRIPs協定と公衆衛生に関するドーハ宣言」に基づく薬品輸出の強制許可、動植物特許の開放、行政救済手続の審級の減少及び一元化、知的財産権裁判所の設置等に対応するため、特許法の再改正作業を進めている。以下に紹介するのは、同局のホームページに掲載された、この再改正の計画に関する2004年12月7日付プレスリリースの要旨である。

  1. 薬品輸出の強制許可
    世界貿易機関(WTO)2001年ドーハラウンドの「TRIPs協定と公衆衛生に関するドーハ宣言」及びWTO理事会2003年8月30日の決議により、WTO会員国のうちで薬品を製造する能力がない国又は製造能力が充分でない国は、エイズ、マラリア、肺結核及びその他重大な伝染病等、公衆衛生に影響を及ぼす疾病が発生し、国家に緊急事態が生じた場合、合法的に低価格で外国の特許薬品を輸入することができる旨の取り決めについて、合意が達成された。台湾特許法第76条は、強制許諾による発明の実施について、国内市場の需要に応じることを主としなければならないと定めている。この規定は、TRIPs協定の強制実施に関する規定に適合するものであるが、前記宣言の内容は、特定の状況下において輸出をすることができる旨を定めたものであるので、現行特許法の規定と違いがあるため、現行法の規定を改正する必要がある。
  2. 動植物特許の開放
    行政院農業委員会は、研究開発及びイノベーションの奨励並びに知的財産権保護範囲の拡張の見地から、2004年9月10日の「わが国農業生物技術に対する知的財産権の保護政策に関する会議」において、動植物の発明の特許を認めるため、特許法第24条第1号を改正することを知的財産局に提案し、次のとおり述べている。 動植物の発明に対する特許の付与は、産業界の動植物に関する発明への投資を促進し、その研究の成果を保護する役目を果たすものであり、わが国の動植物特許の研究に先進国を追い越す機会を与え、かつ、新たなビジネスチャンスを作り、産業上の主導的地位を勝ち取ることを可能にするものである。なお、動植物特許を認めることにより派生的に起こりうる農家に対する制限について、知的財産局は、法改正にあわせて農家の生計への影響を考慮して特別の措置をとることを検討している。
  3. 行政救済手続の審級の減少・一元化
    行政院第24回科学技術顧問会議は、第24回会議の結論に基づき、特許及び商標の行政救済手続の改革に関し、現行の二元的制度(訴願及び行政訴訟)について、審級の減少及び一元化への移行を提案した。知的財産局はこれまで特許法改正の都度、特許・商標に関する争いの迅速な処理及び侵害事件の有効な解決を図るためには、行政救済手続の審級の減少及びその一元化が望ましいと考え、検討を続けてきたのであるが、この度行政院の支持を得ることができたので、外国の立法例を参照しかつわが国法制の現況を考慮に入れて更に検討を進める予定である。
  4. 知的財産権裁判所の設立また、知的財産局は、司法院の「知的財産権裁判所設立準備会議」に参加しているので、知的財産権裁判所の設置に関し現行法の改正の要否を合わせて検討している。