改正特許審査基準の実施例の補充、修正に関する規定について(台湾)

改正特許審査基準の実施例の補充、修正に関する規定について(台湾) 1

経済部知的財産局は、2004年7月1日施行の改正特許法及び同施行規則に対応するため特許審査基準の改定を進めており、現在、発明特許については、第2編発明実体審査、第1章(明細書及び図面)、第2章(発明の定義)、第3章(特許要件)及び第4章(発明の単一性)が2004年(7月1日から、第5章(優先権)、第6章(明細書及び図面の補充、修正及び訂正)、第7章(特殊出願)及び第8章特許権存続期間の延長)が2004年12月14日から、また、意匠特許については、第3編意匠実体審査、第1章から第6章までが2005年3月3日から施行されている。

なお、実用新案特許については、改正特許法で形式審査制に移行したため、第4編実用新案形式審査基準が新たに制定され、改正法と同時に施行された。

改正審査基準では、明細書及び図面の補充、修正及び訂正に関する基準が従来に比べて厳しいものとなった。たとえば、実施例の追加については厳しい制限が加えられている。

以下に紹介するのは、改正審査基準第6章の1.4.1.3.4「実施方式」の実施例の補充、修正に関する規定である。

「発明の実施方式については、より好ましい実施例をもって具体的に説明をすることができるが、発明の説明における実施例の補充、修正は、該発明の属する技術分野の通常の知識を有する者が原明細書又は図面に基づいて直接的かつ明確に知ることができるものであることを要する。たとえば、商品名で表示されたある既知の原料の化学構造、組成について記載を追加し、又はあるデータの既知の標準的測定方法(測定に使用された標準設備又は器具を含む)について説明をするときは、補充、修正を認めることができる。また、特許請求の範囲にすでに明確に記載されているが、発明の説明及び図面に実施例が開示されていないとき、又はその開示が不十分であるときは、特許請求の範囲に記載されている該実施例の内容を発明の説明又は図面の中に記入することができる。

原発明の説明における実施方式の開示が不十分であり、又は実施例が少なすぎるため、かつ、特許請求の範囲の記載も不明確であり又は内容が漠然としているため、特許請求の範囲が明細書の説明によって支持されることができず、該発明の属する技術分野の通常の知識を有する者がその内容を実施し又はその結果を予測できない場合に、特許を出願した発明を実施することが可能であること又は発明の効果を証明するために新しい実施例を追加するのは、(たとえ最も好ましい実施例を追加するものであっても)、原明細書又は図面に開示された範囲を超えるものであると認定しなければならない。なぜならば、そのような場合に追加される実施例は、該発明の属する技術分野の通常の知識を有する者が原明細書又は図面に基づいて直接的かつ明確に知ることができるものではないので、これを発明の説明の中に追加して明細書の一部とすることを認めることはできない。

また、補充、修正において材料の特定に関する実施例を追加するのも、通常、原明細書又は図面に開示された範囲を超えるものである。たとえば、幾つかの成分からなるゴム組成物について、「さらにある成分を加入することができる」という記述を追加するのは認めることができない。同様に、原明細書又は図面の中に弾性の支持物に設けられる一つの装置と記載されているが、特定の種類の弾性支持物を明確に開示していない場合に、その記載を「一つの螺旋状のスプリングに設けられる装置」というように修正するのは認めることができない。ただし、上述弾性支持物の事例の場合において、原図面の図示が該発明の属する技術分野の通常の知識を有する者にとって螺旋状のスプリングを開示したものと解釈できるものであることを出願人が証明したときは、その内容の修正を認めることができる。

原発明の説明に記載されている実施例の出所(来源)について説明を補充するのは、通常、新規事項を導入するものではないと認めることができる。」