特許権侵害物品の税関差押え実施弁法の公布及び特許法部分改正の施行(台湾)

特許権侵害物品の税関差押え実施弁法の公布及び特許法部分改正の施行(台湾) 2

2014年1月22日、特許法に第97条の1~第97条の4の条文が追加され、第143条の条文が修正されることが総統府から総統令として公布された。また知的財産局は、改正条文の施行日について、関連する措置弁法の完成後に施行すると発表していた(2014年2月25日付弊社工業所有権ニュースをご参照下さい)。

2014年3月24日、経済部・財政部令で「特許権侵害物品の税関差押え実施弁法」が公布され、同日施行された。更に同日付の行政院令で、2014年1月22日に公布された特許法の部分改正が2014年3月24日から施行されることが公布された。

以下は、「特許権侵害物品の税関差押え実施弁法」の全体的な解説と条文の和訳である。

公布日: 2014年3月24日

特許権侵害物品の税関差押え実施弁法の全体的な解説

2014年1月22日、特許法(以下、本法という)に水際保護措置に関する規定第97条の1から第97条の4の追加が公布された。差押さえ申請、差押さえ解除、差押さえ物品の検査、保証金又は担保の納付、提供、返還の手続き、添付しなければならない書類及び遵守しなければならない事項に関する弁法は、主管官庁が財政部と合同してこれを定めると権限を付与された。そこで、経済部は財政部と合同で特許権侵害物品の税関差押え実施弁法を立案した。要点は下記の通りである:

  1. 差押え申請に添付しなければならない書類及び資料。(第2条)
  2. 提供する担保に相当するものの種類。(第3条)
  3. 税関が差押えを実施する前、申請人に協力を要請できる。(第4条)
  4. 税関は、差押えの実施を書面で申請人及び被差押え人に通知しなければならない。(第5条)
  5. 被差押え物品の検査申請の手続き及びその実施方式。(第6条)
  6. 申請人が権利侵害疑義物品に対して訴願を提起しなければならない期限の起算日。(第7条)
  7. 被差押え人が差押え解除を請求するために提供する反担保、及び裁判で権利侵害がないことが確定したため、当事者が差押え解除を申請する際に添付しなければならない書類。(第8条、第9条)
  8. 被差押え人が反担保を提供し、差押え解除を請求したとき、税関は代表性のあるサンプルを採取してから輸入貨物の通関規定に基づき処理することができる。(第10条)
  9. 保証金又は担保の返還申請に添付しなければならない書類。(第11条)

特許権侵害物品の税関差押え実施弁法

第1条 本弁法は、特許法(以下、本法という)第97条の4の規定に基づきこれを定める。

第2条 特許権者は、輸入される物品がその特許権を侵害するおそれがあるとして、貨物輸入地の税関に差押えを申請するとき、書面でこれを行い、並びに下記の資料を添付しなければならない:

  1. 特許権証明書類;実用新案権の場合は、実用新案技術評価書を提出しなければならない。
  2. 申請人の身分証明書、法人証明書、又はその他の資格証明書類のコピー。
  3. 権利侵害の分析報告書、及び権利侵害疑義物品を識別するに足る説明。並びに権利侵害疑義物品のサンプル又は写真、カタログ、図面等の資料及びその電子文書を提供する。
  4. 税関が差押え対象物品を識別するに足る説明。例:輸入者、統一コード番号、通関申告書番号、貨物名称、型番、規格、輸入が見込まれる期日、輸入港又は輸送手段等。
  5. 代理人が申請書を提出する場合は、委任状を添付しなければならない。
    ② 専用実施権者は、設定された範囲内で前項の申請を行うことができる。
    ③ 第1項の申請資料に補正が必要な場合、税関は直ちに申請人に補正するよう通知しなければならない。補正前において、通関手続きは影響を受けない。

第3条 差押えの申請が前条の規定に合致しているとき、税関は税関が査定した当該輸入物品の税込み価格に相当する保証金又はこれに相当する下記担保を提供するよう、申請人に直ちに通知しなければならない。

  1. 政府が発行した公債
  2. 銀行の定期預金証書
  3. 信用協同組合の定期預金証書
  4. 投資信託会社の1年以上の普通信託証書
  5. 与信機関の保証書
    ② 前項第1号から第4号の担保は、税関に質権を設定しなければならない。
    ③ 申請人が第1項の保証金又はこれに相当する担保を提供する前、税関は権利侵害疑義物品を輸入貨物の通関規定に基づき処理する。

第4条 税関は差押え実施前、申請人に協力するよう通知することができる。申請人が正当な理由なく協力せず、税関が執行できなかったとき、税関は権利侵害疑義物件を輸入貨物の通関規定に基づき処理する。

第5条 税関は差押えの申請に基づいて審査した結果、前3条の規定に合致しているとき、直ちに差押えを実施し、並びに申請人及び被差押え人に書面で通知しなければならない。

第6条 申請人又は被差押え人は、本法第97条の1第5項の規定に基づいて被差押え物品の検査を申請するとき、貨物輸入地の税関に書面でこれを行わなければならない。
② 前項の検査は、税関が指定した時間、場所及び方法でこれを行わなければならない。
③ 税関は前項の指定を行うとき、損壊及び被差押え物品の機密資料の保護に注意を払わなければならない。

第7条 申請人は、税関が第5条の規定に基づき、書面で差押えを通知した翌日から12日以内に本法第96条の規定に基づき、差押えられた権利侵害疑義物件に対して訴訟を提起し、並びに税関に通知しなければならない。既に差押え実施前に訴願を提起している場合も、税関に通知しなければならない
② 前項の期限は、税関が本法第97条の2第2項の規定に基づいて必要と認めた場合は、12日間延長できる。
   
第8条 被差押え人は、本法第97条の1第4項に基づいて差押えの解除を請求するとき、貨物輸入地の税関に書面で申請し、並びに第3条第1項における査定価格の2倍の保証金又はこれに相当する担保を提供しなければならない。
② 前項の担保は、第3条第1項及び第2項の規定に基づいて処理する。

第9条 下記の事由の一つがあるとき、申請人又は被差押え人は書面で、並びに関連する証明書類を添付し、貨物輸入地の税関に差押えの解除を申請しなければならない。

  1. 本法第97条の2第1項第2号、申請人が特許侵害物品であるとして差押え物品に対し提起した訴訟において、裁判所の裁判で棄却が確定したとき。
  2. 本法第97条の2第1項第3号、裁判所の確定した判決で、差押え物品は特許権を侵害しないとされたとき。

第10条 本法第97条の2第1項の規定に基づき差押えが解除されたとき、税関は輸入貨物の通関規定に基づき処理しなければならない。
② 前項が本法第97条の2第1項第5号に基づき差押えが解除されたときは、税関は代表性のあるサンプルを採取できる。

第11条 申請人又は被差押え人が本法第97条の3第3項又は第4項の規定に基づき、税関に保証金又は担保の返還を申請したとき、その理由を説明し、下記の文書があるときは、これを添付しなければならない

  1. 裁判所の判決書及び判決確定証明書又は裁判所の確定判決と同一の効力がある証明文書のコピー。
  2. 達成した和解の和解書のコピー。
  3. 定められた20日以上の期間、相手側に権利の行使を催告したが行使していないことを証明する文書のコピー。
  4. 相手側が返還に同意したことを証明する文書のコピー。

第12条 本弁法は、2014年3月24日から施行する。

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