今次特許法改正草案への特許間接侵害制度の導入見送り(台湾)

今次特許法改正草案への特許間接侵害制度の導入見送り(台湾) 1

台湾では特許法の改正に向け、草案の作成が進められている。当初、今回の改正で特許の間接侵害制度の導入が計画されていたが、各界からの意見を聴取し検討を行った結果、導入は見送られることが決定された。以下はプレスリリースの訳文である。

掲載日:2009年8月6日

知的財産局は特許法改正草案に「特許の間接侵害」の規定を増補することを当初計画していたが、多数回行った公聴会及び国際的な検討会で、国内産業界、司法実務界及び学界の意見を幅広く収集し、我が国の産業発展及び法制環境全体への影響を評価し、今次特許法改正草案に導入しないことを暫定的に決定した。

特許間接侵害制度が立案されるのは、各国特許法の規定における特許侵害が全て、侵害者が特許に必要とされる技術特徴の全てを実施していることを要件としているからである。このため、単に当該特許の重要部分を実施し、実際上、既に他人の特許権の侵害を構成するに足る状況に対し、現行では特許間接侵害行為に対して適用する規範がなく、規制できない又は構成要件が比較的緩やかな民法の規定があるが、間接侵害案件への適用にあたり一部、明確になっていない問題がある。そのため知的財産局は、アメリカ、日本、ドイツ、韓国の各国の特許法を参考にして、特許法中に特許間接侵害の規定を増補することを検討していた。

このため、知的財産局内では長期に亘る討論を行い、我が国特許法について特許間接侵害の第一段階の草案内容を示した後、2008年10月から2009年5月にかけて2回の公聴会を開催し、2009年5月には、司法審判に携わる各級裁判所の裁判官との意見の交換が行われた。その他、特許間接侵害の改正草案をより完全なものとし、特許権の完全な保護と国内産業の発展とのバランスをとるため、2009年7月15日と16日に開催した「特許間接侵害国際検討会」では、アメリカ、日本及びドイツの学者、及び司法実務の専門家が招請され、各国の特許間接侵害の規定、施行についての経験が紹介され、並びに我が国特許法の改正草案の規定について我が国の学者、知的財産裁判所裁判官、弁護士、専利師等の司法実務者との討論会が行われた。

各国の特許間接侵害制度は、今回の討論を通じ、各界において理解が一層深まったものと思われる。この問題について、知的財産局は国内産業界、司法実務界及び学術界と多数回に亘って会合し、広範な意見交流を行った。その結果、知的財産裁判所が成立して間もなく、また我が国の産業形態は転換期にあることを考慮し、制度導入初期に、適用についての懸念が権利の乱用又は濫訴につながることを避けるため、知的財産裁判所が多数の実務案件を積み重ねてから再度立法の必要性についての評価を適宜行うこととし、本次特許法改正草案には、間接侵害の制度を導入しないことを決定した。しかし、間接侵害の規定を特許法に導入し明確に規定することは、既に多数の国における立法の趨勢であり、製品の輸出が柱となっている我が国の産業にとって、一層気を配らなければならない重要命題となっている。今回の特許法改正でこの問題が提出された機会を利用し、各国の間接侵害の関連規定に目を向けるよう促すものである。