発明特許審査にクレーム毎の料金徴収、及び特許年金の大幅引下げを予定(台湾)

発明特許審査にクレーム毎の料金徴収、及び特許年金の大幅引下げを予定(台湾) 1

台湾の特許(発明特許、実用新案特許、意匠特許)に関する審査等の実務については、近年来、様々な改正措置が講じられているが、これに伴う料金の改訂は行われていない。また特許年金は、各年度の料金が発明特許、実用新案特許、意匠特許の何れも同一料金であった。 このため現在、知的財産局で料金体系の調整が検討され、公聴会も開かれている。以下は知的財産局の知的財産権電子報に掲載された記事の訳文である。なお、改訂が予定されている規定手数料・料金についての説明を、参考資料として訳文の後に加えた。

掲載日:2009年11月5日

特許規定手数料、料金準則については、2004年7月1日から現在まで調整が続いている。この期間において本局は、審査に関して特許請求範囲の請求項の逐項審査、初審の拒絶理由先行通知の実施、面談システムの拡大を含む、多項目に亘る重大改革を推進した。更に2007年1月1日から、発明及び意匠の初審において特許検索報告を添付する措置を実施しているが、規定手数料については審査費用の増加に合わせた調整が未だ行われていない。

「使用者費用負担」の原則に基づき、特許出願で発生する費用は規定手数料に合理的に反映されなければならない。アメリカ特許商標庁、日本特許庁及びヨーロッパ特許庁、更には韓国工業所有権庁と中国国家知識産権局の何れもが特許請求範囲の請求項数の多寡に基づき費用を徴収しており、審査費用は同一ではない。我が国に目を転ずると、依然として2004年7月以来の料金基準に従っている。改革措置において新たに発生した費用が合理的に反映されていない。

上述各国が請求項に対応する料金方式であることを参酌して、今回の特許規定手数料調整案では、我が国の大多数の出願の請求項数の分布状況から判断して合理的な料金の額を取り決めている。これは使用者費用負担の精神に合致するだけでなく、出願人に実体審査請求の必要性について慎重な考量を促すことができる。更にその請求項をより緻密なものへと向かわせ、特許審査の能力及び効率を上げることができる。

今回の発明特許実体審査費用の調整は、「合理的な料金体系の樹立」に基づき、公平、合理的、及び効率的な特許出願と審査の環境を構築し、一方では特許出願で発生する費用を実体審査費用に合理的に反映し、他方では出願人に実体審査請求の必需性についての熟慮を促して、特許案件全体の審査の流れを遅らせるだけでなく、出願人の時間的、金銭的コストを無駄に増やす保護の必要がない特許出願の審査を避けることを目的とする。今回の規定手数料の調整は、日本、韓国、アメリカ及びオーストラリア等の国に習うもので、ある一定の条件の下で、特許出願人に出願取下げの申請、並びに審査費用の返却を認める方策である。出願人が、その発明特許出願について更に審査を進める必要がないと認めたときは、発明特許出願の取下げを可能とし、実体審査の規定手数料を返還する新設措置は、国際的な趨勢に歩調を合わせるだけでなく、実質的に出願人に利するものである。

今回の規定手数料調整案では、特許権者の負担を軽減するため特許年金についても併せて調整している。この改正で意匠特許の年金を第4年度から大幅に引下げ、発明特許の年金は比較的負担が重い7年度以降について引下げる。実用新案特許の年金は、第4年度から引下げ、比較的負担が重い7年度以降の年金引下げにも応える。実用新案特許の年金について、第4年度からの引下げは、多くの特許権者の期待に応え、規定手数料体系の合理化の目標を達成するものである。

この他、企業が国際間の競争で優位性を確保するため、グローバルな位置付けに基づいて考量し、同一件の発明について複数の国に特許出願する傾向がある。このため各国は、目下、特許案件の激増という難題を抱えている。この点を考慮し、各国は特許審査の調和化、簡便化の方向に向かっているが、各国はまた、出願人からの早期審査の請求に直面している。そこで、各国の審査又は検索の結果を容易に活用できれば、我が国の特許案件の検索及び審査段階を簡略化することができる。そして国外の検索及び審査結果の参照が可能であれば、国際的な調和化、案件の審査終了までの加速化を達成することができる。早期審査施行拡大のため、今回の調整案では、当面これに関する料金を徴収しない計画である。

(以上)

[補足説明]

実施が予定されている規定手数料・料金とその金額

1)知的財産局特許規定手数料、料金準則の改訂草案によれば、その調整方向に関し、出願の際にクレームが10項を超える場合、10項を超えたクレーム数×NT$800を加算徴収する予定。

2)特許年金引き下げ後の料金は下記の通り。

年金修正前
(発明、実用新案、意匠同様)
発明
(改訂後)
実用新案
(改訂後)
意匠
(改訂後)
自然人、学校または
中小企業の減免金額
第1年~3年NT$2,500NT$2,500NT$2,500NT$2,500NT$800
第4年~6年NT$5,000NT$5,000NT$4,000NT$3,500NT$1,200
第7年~9年NT$9,000NT$8,000NT$8,000NT$5,000(減免無し)
第10年以降NT$18,000NT$16,000NT$8,000NT$5,000(減免無し)

3)上記の2点については、台湾財政部の同意を得なければならないが、2010年1月1日からの実施が予定されている。