中国へ出願された特許の早期審査については、日本特許庁と中国知識産権局の間において、2011年11年1日から特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムが実施されております(期間は2012年10月31日まで)。
中国知識産権局は新たに、特許出願の早期審査に関する「特許出願優先審査管理規則」を2012年6月19日公布しました。当該規則は2012年8月1日から施行されます。
公布された当該規則の要点は以下の通りです。
- 出願人の請求に基づき、条件を満たした発明特許出願について優先審査を認める。優先審査は請求が認められた日から1年以内に終了する。
- 中国知識産権局がその他の国家又は地域の特許審査機関と締結した、両国間又は多国間協定に基づく優先審査は、その関連規定によって処理し、本規則は適用しない。
- 優先審査が認められる発明特許出願には以下を含む:
- 省エネルギー・環境保護、次世代情報技術、バイオ、ハイエンド装備製造、新エネルギー、新素材、新エネルギー自動車等の技術分野に関連する重要な特許出願。
- グリーン化推進に役立つ低炭素技術、資源節約等に関連する重要な特許出願。
- 同じ主題について、中国及びその他の国家又は地域に特許出願し、最初の出願国が中国である。
- その他、国家の利益又は公共の利益に対して大きな意義を有し、優先審査を必要とする特許出願。
- 優先審査を行う特許出願の件数については、技術分野それぞれの審査能力、前年度の特許付与件数及び本年度の審査待ち件数等に基づき決定する。
- 優先審査を申請する特許出願は電子出願でなければならない。
実体審査手続きを行っていない場合の優先審査請求は、実体審査手続きを行わなければならない。 - 優先審査手続きには、下記資料を提出しなければならない。
- 省、自治区、直轄市の知識産権局が審査し、署名した意見を付し、公印を押印した「発明特許出願優先審査請求書」
- 特許検索の条件が整った機関が発行した、規定された書式に合致した検索報告、又はその他の国家若しくは地域の特許審査機関が発行した検索報告、審査結果及びその中国語訳。
- 優先審査を認めた発明特許出願に対して、優先審査の請求を認めた日から30業務日以内に第一回目の審査意見通知書を発行しなければならない。
- 優先審査された発明特許出願について、出願人の審査意見通知書に対する回答期間は2ヶ月とする。出願人が回答を延期した場合は、優先審査を停止し、通常の出願として処理する。
- 本規則は、2012年8月1日から施行する。
当方では、規則に不明な点があったため、中国の代理人に確認をとりました。以下の通りお知らせ致します。
- 上記3(1)、(2)の技術分野に該当しないと、優先審査は認められません。
- 上記3(3)にある通り、同じ主題で中国及びその他の国/地域に特許出願した場合、必ず中国出願が最先でなければなりません。
- 上記5について、優先審査は実体審査請求手続をとってから請求しなければなりません。既に実体審査を請求しており、未だ審査通知が出ていない場合は優先審査を請求できません。但し、特許庁から審査通知を入手した場合は、優先審査を請求できます。
- 上記6(1)は日本の出願人も提出しなければなりません。
優先審査管理規則では、外国出願人に対する措置がないため、日本人の出願であっても規則で規定された要件全てを満たす必要があります。従いまして、現時点で中国において特許の早期権利化を図るためには、優先審査管理規則に基づく申請は難しく、試行が実施されているPPHに基づいて申請するしかないと思われます。
