経済部知的財産局は、国内外の情勢の変化に対応するため、特許法の改正作業を進めており、そのうち以下の3項についてすでに改正法案を完成している。
- ①国際公共衛生に関する問題に対応するため、強制実施権許可条件の緩和及び研究・実験の免責に対する規定の改正。
- ②司法院の知的財産裁判所設置に伴う同局「特許商標覆審・審判部」の設置に関する規定の制定。
- ③意匠保護範囲の拡大のための部分意匠、関連意匠、組物の意匠及びコンピューターイメージデザイン等に関する規定の制定。
更に知的財産局は、以下の3項についても法改正を検討しているので、2006年7月18日に公聴会を開き、特許代理人協会、発明者協会、工業総会、工業研究院及び国内大手特許事務所の代表等を招いて意見を求めた。
- ① 発明及び実用新案の二重特許出願による権利の連結を認める制度の導入等。
- ② 特許年金不納の場合の救済規定の改正。
- ③ 外国語明細書に基づいて出願日の取得を認める規定の改正。
以下に訳載するのは、知的財産局が2006年8月2日に公表した公聴会記録の同局の見解に関する部分の全文である。
- 実用新案制度の改正に関する部分
- 1)発明及び実用新案の二重特許出願による権利の連結を認める制度の導入
研究開発の成果について各企業はもちろん早期に特許を取得し、かつ権利の安定を望んでいる。したがって、本局は原則として「同一人」が「同一技術」について「同時」発明と実用新案を出願することを認めることにより、権益の保証を強化し、企業の特許戦略に利するのが望ましいと考えている。このように二重出願が認められるようになれば、各企業は、一方においては実用新案の審査が形式審査のみであることを利用して迅速に実用新案特許を取得することができ、また他方において、実態審査を経て発明特許としてより安定的した権利を取得することができ、実用新案と発明を連結して権利の保護を受けることができる。但し、実用新案と発明の権利の連結の取り扱いに関しては、出願管理の透明化等について総体的規画を定める必要があるので、本局は改正法案の完成後に、さらに各界の意見を求める予定である。 - 2)実用新案技術報告書に関する規定の改正
実用新案出願人の権益に対する配慮の見地から、本局は技術報告書を作成する前に出願人に意見陳述の機会を与える規定を定めることを考慮している。また、特許の審査の質を高めることにより民衆の信頼を維持するため、本局は出願審査の過程における補充・修正が原出願の請求範囲を超えるものであるか否かの審査を技術報告の比較対照項目に含めること、また、比較対照の結果に基づいて職権で当該実用新案権を取り消す規定を定めることについても検討している。公聴会で提供されたその他の意見については、改正条文の起草作業時に全般的に検討する予定である。
- 1)発明及び実用新案の二重特許出願による権利の連結を認める制度の導入
- 特許料不納の場合の救済に関する規定の改正
- 1)原則として本局の規画の方向に沿って改正を行うが表現上の点について更に検討する。
- 2)特許料の不納による「原特許権消滅」の時点については、現行特許法に明確な規定がなく、また裁判所の判例がないため、見解に相違が生じる可能性があるので、今回の改正で明確な規定を設けることを考慮する。
- 3)原状回復の期限・条件を緩和する問題については、外国の立法例を参照してさらに検討する。
- 4)追納の場合の料率の整合性については、改正条文の起草時に整理する。
- 外国語明細書による出願日の取得に関する規定の改正
現行法の規定では、出願人が先ず外国語出願明細書を提出して出願日を取得し、中国語明細書を規定の期間内に補充することが認められているが、その使用言語の種類について制限がなく、種々の外国語明細書が提出されており、中国語明細書が原文明細書に一致するか否かの確認が困難である場合がある。このため本局は外国語の明細書の使用言語を適度に制限することを考えていたが、公聴会において反対の意見が提出されているのでさらに全般的に検討する。
