台湾政府はCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定:Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)への加盟を推進するため、2022年5月4日に商標法第68、70、95、96、97条の条文を改正、公布した。その施行日は行政院がこれを承認した後、公告となる。
*前記商標法の改正案の施行日は未定ですが、おそらく台湾がCPTPPに加盟する見通しが立ったときに施行されると思われる。
前記商標法の一部改正条文の要点は以下のとおり:
- 商標の模倣について、改正前の規定では行為者が「明らかに知っていた」ことが侵害を構成する必須の要件であった。しかし、CPTPPで規定する商標民事権利侵害責任では「明らかに知っていた(knowing)」、「知り得た(with reasonable grounds to know)」の2つのケースいずれにおいても損害賠償責任を負わなければならない。ここで、「知り得た」とは「未必の故意」又は「認識ある過失」を指す。司法の実務上、「明らかに知っていた」は確定的な故意に限定されると考えられ、未必の故意や過失に対して権利侵害行為を主張することができないため、改正後の商標法は「明らかに知っていた」要件を削除し、通常の民事損害賠償を参考として故意又は過失を主観帰責要件とした。(第68条)
- 同じ(identical)又は区別できない(cannot be distinguished from)商標のラベルや包装を模倣して他人が登録した商標と同一の商品又は役務に使用したものに対するCPTPPの規定を参照して、商標又は団体商標のラベル、タグ、包装などを模倣する行為への刑罰規定として、1年以下の懲役刑、拘留又はNT$50,000以下の罰金に処するまたは併科することとした。また、電子媒体やインターネットを介した行為にも適用することを定めた。(第95条)
- 証明標章のラベル、タグ、包装などを模倣する行為への刑罰規定について、輸出又は輸入行為が含まれるように改正するとともに、「明らかに知っていた」という主観要件を削除し、3 年以下の懲役刑、拘留又はNT$200,000以下の罰金に処するまたは併科することとした。また、電子媒体やインターネットを介した行為にも適用することを定めた。(第96条)
- 他人が為した権利侵害の商品を販売する及び販売を意図する行為への刑罰規定から「明らかに知っていた」という主観要件を削除した。(第97条)
