台湾の営業秘密法は、1996年1月に公布、施行された。当該法の条文には、民事上の賠償責任の規定しかなく、行為者に対して刑事責任を科す規定がなかった。このため、行為者の刑事責任を追及したい場合は、当該行為が刑法又は公平交易法(不正競争防止法+独占禁止法)の関連する規定に該当するか否か検討しなければならなかった。しかしながら国際的な商業活動は日増しに複雑になっており、我が国の産業の営業秘密と国際競争力を強化するため、営業秘密法第13条の1~4の4条文の改正が2013年1月11日に立法院の三読を通過し、1月30日に総統府から公布された。今次改正の最大の改変は、行為者の刑事責任を明確に規定したことである。改正内容の概要は以下の通り:
- 営業秘密を侵害する犯罪行為の態様を新設(改正条文第13条の1)
不法な利益又は営業秘密所有者の利益への損害を意図し、盗む等の不正な方法で営業秘密を取得、使用又は漏洩する;許諾を受けずに又は許諾の範囲を超えて営業秘密を複製、使用又は漏洩する;削除、廃棄しなければならないと告知されたが、削除、廃棄しない又は当該秘密を隠匿する;及び悪意の転得者による取得、使用又は漏洩等の行為も営業秘密を侵害する犯罪行為になることが明確に規定された。
- 営業秘密侵害に対する刑事罰の規定を新設(改正条文第13条の1、2)
本法の前述した営業秘密の侵害を犯した場合は、刑事責任として5年以下の有期懲役又は拘留を科し、新台湾ドル1百万元以上1千万元以下の罰金を併科することができる。また、獲得した利益に基づき、罰金を限度額より引き上げることを酌量できる。更に台湾域外での使用を意図した場合は、別に加重処罰規定がある。
- 刑事罰を同時に科す処罰規定を新設(改正条文第13条の4)
業務を遂行したために営業秘密を侵害し、刑事責任を負わなければならない場合、本法に基づき行為者を処罰する他、当該行為者が所属する法人又は自然人にも該当条項の罰金を同時に科す処罰規定が新設された。
- その他の関連規定(改正条文第13条の3)
営業秘密侵害罪は、原則として親告罪である。但し、台湾域外で使用した場合は、問われるべき責任は更に重いため、非親告罪に改正された。更に、犯罪事実の真相の発見を促すため、例外的に告訴可分の原則が採用された。
