商標共同出願に関する注意事項(台湾)

商標共同出願に関する注意事項(台湾) 1

台湾の商標法には商標権の共有に関する規定がなく、商標の共有名義による登録は認められない。このため商標権の共有を主張する事案が生じているので知的財産局は現行法を改正しないで商標の共有制度を導入することを検討しており、最終決定はまだ行われていないが、すでに「商標共同出願注意事項」および書式等を定めている。以下に掲載するのは、2006年7月13日に同局のウェブサイトに掲載された「商標共同出願注意事項」の訳文である。

  1. 2人以上の出願人が共同して一つの商標権を取得することを望む場合には、商標法第2条の規定により、商標登録出願を提出する際に共有者全員の氏名・名称を記載しかつその中の1人を代表者(送達を受ける者)に指定する。代表者(送達を受ける者)を指定していない場合、本局は願書に記載されている筆頭の出願人を代表者(送達を受ける者)として送達を行い、かつその他の出願人に副本を送付して送達事項を通知する。
  2. 共同出願権の移転、共有商標権の移転、使用許諾または質権の設定にはその他の共有者全員の同意が必要である。但し、相続、競売等の法定事由により権利を取得した場合はこの限りでない。
    1. 共有商標権の移転、他人への使用許諾、質権の設定は商標主務官庁に登記しなければならず、登記をしていない場合は第三者に対抗することができない。
    2. 共有者の地位の譲渡:共有者の1人がその共有の権利を第三者に移転する場合には、共有者全員で移転申請をし、または共有者の1人が申請をする際には、他の共有者全員の同意書を提出しなければならない。但し、相続、競売等の法定事由により権利を取得した者が、その権利移転の登記を申請する場合はこの限りでない。
    3. 共有の権利の移転に関してはその他の共有者が優先譲受権を有する。
  3. 指定商品またはサービスの減縮の申請:
    各共同商標出願人または各共有商標権者は、商標法第20条、第32条の規定により、指定商品またはサービスの減縮の申請をすることができる。その申請には他の共有者全員の同意が必要である。
  4. 指定商品またはサービスの分割の申請:
    各共同商標出願人または各共有商標権者は、商標法第21条、第31条の規定により、指定商品またはサービスの分割申請をすることができる。その申請には他の共有者全員の同意が必要である。
  5. 共有商標権の放棄:
    1. 共有者はその共有商標権を放棄する場合、他の共有者全員の同意を得なければならず、かつ書面によってこれをしなければならない。その共有商標権の放棄については、書面によるその意思表示が商標主務官庁に到達した時にその商標権が消滅する。使用許諾登記または質権登記がある場合は、被許諾者または質権者の同意が必要である。
    2. 共有者の1人がその共有商標権を放棄する場合、その放棄部分は他の共有者が享有し、かつ権利移転登記をしなければならない。
  6. 共有商標の出願事項および登録事項の変更:
    1. 共有商標の共有事項の変更申請、例えば、共有商標の代表者(送達を受ける者)または代理人の名称の変更申請については、変更を証明する書類および共有者全員の同意書または関係証明書類を添付しなければならない。
    2. いずれか1人の共有者の名称、住所、代表者または前述(一)の代表者または代理人の住所の変更申請については、変更証明書類を添付しなければならない。
    3. 以上の変更事項の申請手続は単独所有の商標権の変更申請と同じである。
  7. 手数料:
    共有商標権の各種申請の手数料は、単独所有の商標権の場合の各種申請の手数料と同じである。
  8. 送達:
    代理人がいる場合には、代理人に対して送達し、その送達の効力はその他の共有者に及ぶ。代理人がない場合は、商標主務官庁は共有者の代表者に送達を行い、その送達の効力はその他の共有者に及ぶ。その他の共有者に通知書の副本を送達するのは、通知を目的とする性質のものであって、送達による効力発生の時期および法定期間の起算には関係しない。
  9. 登録証の交付:
    共有商標登録出願については、登録査定後に、本局は一通の登録証を交付する。
  10. 各種申請の必要書類(省略)
    訳注:登録出願およびその他の申請事項の必要書類については、前記注意事項の規定により他の共有者の同意書を必要とする場合を除き、単独の出願・所有の場合と同じである。