台湾では、知的財産裁判所の設置に関する2つの法案が立法院を通過し、司法院の公布をまって、知的財産裁判所が設立される運びとなった。また、経済部知的財産局は、知的財産裁判所の設置に対応して、特許・商標に関する現行の行政救済制度の改善を図るため、行政争訟の審級を簡略化し、「三方争訟」の問題を解決し、紛争案件の審理に合議制を採用する方向で、改正作業を進めている。
以下に掲載するのは、前記法案の立法院通過にあたり、知的財産局が発表したプレスリリースの訳文である。なお、司法院の発表によると、知的財産裁判所は本年9月に設立される予定である。
標 題:知的財産裁判所の設置に関する2法案の立法院通過及び特許・商標行政救済の新しい段階について
主題内容:
「知的財産裁判所組織法」は本日立法院第3読会を通過した。先に立法院を通過した「知的財産案件審理法」と合わせて、関連法律の立法手続きが完了したので、知的財産裁判所は近いうちに正式に設立される運びとなった。これは特許・商標等知的財産権に関する訴訟・救済の時間を短縮することができ、かつ、国民・企業の権利をより迅速に保護し、権利者の権益の保護を強化することができるものであるので、本局は知的財産裁判所の設置に大きな期待を寄せている。
知的財産裁判所の設立後、同裁判所が特許・商標の司法救済案件の審理において最大の効果・利益を上げるのを助けるため、本局はすでに司法院が知財専門人材及び司法人材の訓練・養成作業を推進しているのに対し積極的に協力をしているが、今後も具体的審理方式を定める「知的財産案件審理規則」を制定するときに、積極的に検討会に参加し、また、知的財産裁判所の案件のより迅速かつ適切な処理についても、本局の特許・商標審査官を派遣して技術審査官の審理に協力する予定である。このような協力関係は、本局にとっても知的財産権に関する審判案件の審査において品質の向上に大いに役立つものである。
知的財産裁判所の設置は、知的財産権保護環境の強化の一環として行われるものであり、本局は知的財産裁判所の設立・運営の準備作業について司法院に協力するほか、早くから積極的に各国の特許・商標に関する法制を参照して、現行の特許・商標の行政救済制度を検討し、行政救済の審級の簡略化、「三方争訟」の問題の解消、合議の方式による紛争案件の審理等、改正の準備作業を進めている。
特許・商標案件に対する知的財産局の決定は、第三者に対しても効力を有する行政処分であるので、公益に及ぼす影響が極めて大きいものであるが、現行の制度における紛争案件の処理は、法律の規定によりすべて知的財産局を争訟の当事者とする方式で行われる。したがって、紛争の実質的な利害関係人である両当事者が互いに当事者の資格で直接に攻撃と防御の手続きをすることができないため、また、知的財産局が当事者であるとともに裁判の役目を果たす者でもあるため、行政救済手続きの過程に時間を費やし混乱が生じるものである。このため、改正案では、当事者間の知的財産権に関する紛争を迅速にかつ有効に解決することを図るため、知的財産裁判所の設立に対応して、特許・商標の紛争案件を両当事者間の紛争として行政訴訟を行う制度に改めることにした。。
改正案では、更に画期的な改革の一つとして、商標・特許出願の覆審及び紛争案件の審査を合議制に改め、かつ、効果的に集中審理を行うため、紛争案件の審理に原則として口頭審理の方式を採用し、争点が口頭弁論を通して完全に提示されるようにした。また、審級の簡略化のために権利の保障が不十分になるではないかという外部の懸念に対しては、当事者の権益の保護に配慮して、審理手続きをより厳格にすることにした。
知的財産裁判所の設立後には、特許・商標の司法救済の審理効率が高められるので、本局も対応のため特許・商標の行政救済制度の改正について立法手続きを早急に完成し、知的財産裁判所に対応して法規を整備し、より優れた知的財産の保護環境を作り上げ、かつ、特許・商標の権利の保護の強化を図る所存である。

