知的財産局により、2008年3月14日に著名商標及び表徴の侵害を法的に救済するための討論会が開催され、その内容が発表された。以下はそのプレスリリースの訳文である。 [文中の「公平交易委員会」は日本の公正取引委員会に相当する。]
主題内容
ヨーロッパ代表が昨年(2007年)10月23日に「第19回台湾とEUの知的財産権コンサルテーション業務会議」で示した、台湾は著名商標保護などの議題について法律執行機関の間で業務分担を行っているか、及びコミュニケーションがスムーズに取れているかなどの質疑に対し、経済部知的財産局は本年(2008年)3月14日、「著名商標及び表徴の法的救済ルート討論会」を開き、ヨーロッパ代表が強い関心を持つ事項と著名商標及び表徴が侵害されたときに如何に法的救済ルートをとるかなどの議題について討論を行った。
今回の会議は知的財産局の王美花局長が議長となり、ヨーロッパ経済貿易オフィス、米国在台協会、日本交流協会及びヨーロッパ商務協会などの機関の代表者が出席した。台湾政府からは、行政院公平交易委員会、経済部商業局、法務部、行政院経済建設委員会などの代表者も出席し、討論に参加した。
他人の著名商標や表徴を自己の会社、商号名称としている場合の侵害行為の様態について、経済部商業局は、商標法第62条規定により侵害行為人との裁判で商標権者の勝訴判決が確定したにもかかわらず、被告が会社名称の変更登録を拒否した場合、現在はこれに関する規定がないため、知的財産権を保護する判決を確実に執行するために、将来的に会社法第10条の規定に解散命令の事由を加えることを検討すると表明した。ヨーロッパ商務協会は台湾の知的財産権保護に対する考量を評価し、会社法に解散命令の事由を加えることは著名商標の保護に積極的な意義があることを表明した上、台湾の主管機関が会社名登録の前に審査を行い、登録する会社名が他人の著名商標と抵触するのを防止するよう要望した。
著名商標や表徴の模倣事件の救済ルートについて、公平交易委員会の代表者は、黒人牙膏(DARLIE練り歯磨き)と白人牙膏(WHITEMEN練り歯磨き)との10年を超える訴訟事件を例にあげ、同委員会を通して行政罰で著名商標や表徴の侵害事件を処理するルートでは、後の救済段階において処分機関である公平交易委員会は一方を支持する立場を表すだけであるが、実際に争議する双方の当事者が訴訟を繰り返して時間を浪費する結果となり、双方の実質利益を達することができないと説明した。同委員会の代表者は公平交易法[公正取引法]第20条と第24条に規定されている著名商標の侵害または不正競争行為により、権利人が救済を主張する案例類型を一件一件説明するとともに、同委員会がこれらの案件を受理するときに審査上の判断要点を検討し、また権利人が将来権利を主張する時に参考とすることができるように、様々な著名商標や表徴を侵害する可能性のある行為の態様に応じて、過去に商標権者が同委員会に告発した、あるいは裁判所に訴訟を提起して権益の行使や維持に成功した案件の要点を提供した。
商標法にある権利侵害の民事救済と刑事処罰部分の規定が、公平交易法第20条と第24条の規定と重複している状況に関して、同委員会は、もし侵害の対象が登録商標で、且つ商標法第81条の刑事責任の部分にかかわる場合には、行政罰法第26条第1項の規定「行政法より刑事法を優先する」原則に従って、事件を知的財産局に移送し刑事ルートにより処理を行うことを再び表明した。また、日本交流協会とヨーロッパ商務協会は公平交易法修正草案にある著名商標や表徴の保護に対する規定を削除するかどうかに関して深い関心を持った。これに対して、公平交易委員会は修正草案には二つの方案があり、一つは公平交易法の関連行政責任を削除し、民事賠償責任の規定のみを保留する方案、もう一つは著名商標や表徴の保護に対する規定を完全に削除し、商標法に従う方案であるが、この議題について、同委員会は現段階ではまだ政策決定していないことを表明した。権利人団体は、将来公平交易法の修正方向が決定した後に外部に対して公聴会を開き、検討並びに意見を述べる機会が与えられるよう要望した。
最後に、ヨーロッパ経済貿易オフィス副所長は、知的財産局が今回の会議を開いて参加者と熱心に討論を行い、具体的な資料と解決方案を提供したことに対してEU執行委員会が感謝の意を示していることを伝えた。

