国内外対応出願の特許クレーム審査において、比較対照する基礎及び引用文献が異なる場合は、審査結果を完全に参考にすることはできない(台湾)

国内外対応出願の特許クレーム審査において、比較対照する基礎及び引用文献が異なる場合は、審査結果を完全に参考にすることはできない(台湾) 1

台湾の知的財産局ウェブサイトの、本年5月5日付電子報に、拒絶された台湾特許出願について、出願人が他国における対応出願が何れも特許査定されたことを理由として知的財産裁判所に上訴した行政訴訟についての判決の要旨が掲載された。

以下はその訳文である。

原告:特許出願人

被告:経済部知的財産局

電子報掲載日:2013年05月05日

本係争の出願人は、被告に「気流整流装置及び直列式ファン」を発明特許出願した。被告は審査及び再審査し、何れも特許を付与しなかった。出願人は不服として経済部に訴願を提起したが棄却決定され、知的財産裁判所に本件の行政訴訟を提起した。

原告(即ち出願人)の主張は次の通り。中国、日本及びアメリカを含む係争出願の対応出願が全て特許査定されており、且つ何れも発明特許である。中国及び日本出願は既に証書を受領し、アメリカ出願の証書は未だ受領していないが、アメリカ特許商標局は特許査定書を発行した。また、被告とアメリカ特許商標局の間では2011年9月1日から特許審査ハイウェイ(PPH)制度が実施され、且つ被告と日本特許庁の間では2012年5月1日から特許審査ハイウェイ制度が実施されており、基本的にアメリカと日本の審査機関の審査基準は被告と類似することが分かる。双方は協力して特許審査ハイウェイ制度を試行したのであり、係争特許出願に対応する他国出願が特許査定されたことは、係争特許出願の技術が、引用文献1、引用文献2又はその他の周知技術で達成できないもので、本質的な効果があり、確実に特許性を有するのである。

上述の問題について、知的財産裁判所は判決において以下を指摘した:

引用文献2又は引用文献1と引用文献2の組合せは、係争特許出願が属する発明の技術領域に通常の知識を有する者が、出願以前に引用文献1及び引用文献2に開示された技術で容易に完成できることを証明できるので、特許法第22条第4項の規定に合致しない。原告は係争特許に対応する、中国、日本又はアメリカ特許が全て許可されており、従って係争特許は進歩性を有している等々と主張したが、中国で係争特許の審査で比較対照された文献は、CN1010 50773A、CN1746511A、CN1566711A、US6663343B2、CN2679401Y、日本で係争特許の審査の参考にされた文献は、特開2003-056498(JP、A)、実開昭54-16980(JP、U)、特開2005-273525(JP、A)、実公昭45-019964(JP、YI)、実公昭26-000478(JP、YI)、実開昭54-078013(JP、U)、特開2003-148106(JP、A)、アメリカで係争特許の参考とされた引用文献はUS5393197、US6663342B2、US6799942B1、US6508621B1である。以上の引用文献には何れも本件の引用文献1(台湾第92222694号特許出願)、2(台湾第88203171号特許出願)が含まれておらず、また、係争特許と原告が主張した上述の対応特許のクレーム及び内容には何れも違いがあり、原告はこの点について否定していない。審査で比較対照する基礎には違いがあるので、当然、審査の結果を完全に参考にすることはできない。従って、原告のこの部分の主張は、係争特許が引用文献2及び1、2の組合せによって進歩性がないとされた点について障害にはならない。即ち、被告が本件出願に特許を付与しなかった処分に誤りはない。

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国内外対応出願の特許クレーム審査において、比較対照する基礎及び引用文献が異なる場合は、審査結果を完全に参考にすることはできない(台湾)