最近、我が国の発明特許実施(強制許諾)制度に関連する記事が報道され、各方面の関心を呼んでいる。経済部は、発明特許実施関連修正法案および個別案件について、国際規範および法律遵守の原則に基づき処理する方針維持を表明した。以下は、このプレスリリースの全文訳である。
(知的財産局プレスリリース)
主題内容:
立法院で現在、特許法第76条修正案が審議されている、あるいはフィリップス社がEU委員会に我が国における発明特許実施について提訴し、WTO争議解決機関に解決を要請している等が報道され、最近、我が国の発明特許実施(即ち、強制許諾)制度が各方面の関心を呼んでいる。
特許法第76条の修正案は陳明真委員等64名の立法委員によって起草され、2006年11月15日に提出された。これは、現行の特許法第76条の規定が、特許権者に競争の制限あるいは不正競争の行為があるとき、処分あるいは判決の確定後に初めて特許実施の申請が可能となるとしており、特許権乱用の行為について有効に救済できないとの理由によるもので、立法院経済およびエネルギー委員会に提出された。この修正案は第1回の審議を経て、特許権者に競争の制限あるいは特許権乱用による不正競争の状況がある場合は、裁判所の判決あるいは行政院公正取引委員会の処分が下されれば特許の実施を申請でき、判決あるいは処分の「確定」を待つ必要がないと修正された。この外、貿易に関する知的財産権協定(TRIPS)第31条k項の規定に基づく、「その実施は国内市場への供給に限定しない」との取り決めが加えられ、関連する国際規範に違反するおそれはない。本案については、2007年1月12日の院会における審査で、官民の制定委員が、各界の意見を求める必要があると認めたため、公聴会を開いた後、再審議される。
フィリップス社のCD-R特許強制許諾の案件は、CD-Rの販売価格が市場で大幅に下落している状況において、フィリプス社がCD-R一枚につき6USセント(CD-R一枚の販売価格の40%に相当)の取り分を堅持しているのは認められないとして、国内メーカーが1年以上に亘り交渉を重ねたが合意に達しなかったため、特許法の規定に拠って強制許諾を申請したものである。
これは初めての強制許諾申請であるため、知的財産局あるいは経済部訴願委員会の審議は極めて慎重に進められ、関連分野の産業経済学者を招いて何度も会議を開催したほか、当事者双方が出席して意見を陳述し、質疑応答を行った。また、国内外の関連する案件及び判決の状況を斟酌し、また当該案件が特許法に規定されている特許実施の要件に合致すること、且つ、TRIPS協定の義務に違反しないことを確認し、法に基づき、慎重に特許実施を許可した。フィリプス社はEU「第三国貿易障壁排除規則および手続き」に従って訴えを提出し、EU委員会は正式に聴聞手続きを開始するか、あるいはWTOで争議の処理を進行する。必要に応じて、フィリプス社の主張の裁定を進める。過去に、EU貿易総局も当該案件に強い関心を示し、我が国に対し、2006年5月5日にフィリプス社が提出した当該特許実施許可の取消申請を法に基づき速やかに処理するよう期待を示した。
現在、当該特許実施案件は既に一部分、司法救済手続きが進められており、関連する取消申請に関しては、経済部が特許法の規定に基づき調査中であり、関係証拠を精査している。また平行し、招聘された学者、専門家によって構成される特別案件審査委員会が法に基づき審議を進めている。経済部は発明特許実施関連修正法案および個別案件について、国際規範および法律遵守の原則に基づき処理する方針を維持して、国際関係の調和を維持し、知的財産権保護を永続的に推進し、それにより優れた投資環境の確立を期す。
