医薬関連発明の審査基準(台湾)

台湾特許無効審判口頭審理作業が2024年6月11日より実施される

台湾知的財産局は「特許審査基準第二篇 発明特許実体審査第十章 医薬関連発明」を制定し、2009年6月3日より発効しました。発効日より、医薬関連発明の出願が特許を受けることができるかどうかを判断する審査基準は、この新基準に基づきます。新基準の要点は下記の通りです。

本章のポイントは、医薬関連発明の審査時に必要となる特有の判断及び処理事項を規範することにあり、他の章節と共通する一般的な規定については第一から八章の総則を参照することとします。

医薬関連発明中の「法により発明特許を受けることができない項目」に関して、審査基準では、特許を受けることができない「人体や動物の疾患の診断,治療或いは外科手術の方法」について個別に説明しています。

  1. 人体や動物の疾患の診断方法とは下記3項の要件を同時に備えるものです:1)生命のある人体や動物を対象とする、2)疾患の診断に関する、3)疾患の診断結果を得ることを直接の目的とする(特許審査基準2-10-3)。
  2. 人体や動物の疾患の治療方法には、疾患の予防方法,免疫の方法が含まれます。もし、特許出願された方法が、治療性,非治療性の効果を同時に有し、かつこの効果が区別できないものである場合には、この方法は人体や動物の疾患の治療方法に該当し(特許審査基準2-10-5)、特許を受けることができません。また、特許請求の範囲に一部を除外する形式を採り入れて特許を受けることもできません。
  3. 人体や動物の疾患の外科手術の方法は、人体や動物という生物体の構造に意図的に介入,破壊し、かつ疾患の診断,治療を目的とするものであり(特許審査基準2-10-7)、これも特許を受けることができません。

医薬関連発明の明細書の記載原則として、実施できる程度に十分に開示されていなければなりません(特許審査基準2-10-9)。審査の結果、明細書の記載がこの項の要件に違反すると認められた場合、出願人は、発明の説明の記載を根拠とすることで、発明の属する技術分野の通常の知識を有する者が出願時の通常知識を参照し、過度の実験を行わずともその内容を理解するとともにそれに基づいて出願案の発明を製造又は使用できることを裏付けるために、答申説明,関連文献又は技術内容に関する補充説明や実験結果などの資料を提出することができます。ただし、原明細書中に新しい実施方式,実施例又は実験データを追加することはできません(特許審査基準2-10-12)。

特許請求の範囲の限定方式に関して、請求する用途が人体や動物の疾患の診断,治療又は外科手術の方法に関係する場合には、用途の請求項-スイス型クレーム(Swiss-type claim)で記載することが好ましいとされています(特許審査基準2-10-18)。例えば、「Y疾患の治療に用いる、化合物Xの用途」であれば、「疾患Yを治療するための薬物の製造に用いる、化合物Xの用途」に書き換えなければなりません。スイス型クレーム中の叙述が投薬方式、例えば薬剤用量,投薬経路,投薬間隔,異なる成分を時間差で使用することなどに関係したとしても、当該出願の標的は疾患の診断,治療又は外科手術の方法ではないため、専利法第24条第2号の規定により拒絶されることはありません(2-10-19)。

特許要件の審査に関して、本章では、総則における一般的な規定以外の医薬関連発明に対する特殊な判断方式が規定されています。例えば、診断,治療を目的としない整形,美容方法は、生命のある人体又は動物に対して器械を用いて損傷を与える又は介入する方法であるため、産業で利用することができず、産業上の利用性を備えていません(特許審査基準2-10-26)。また、既知の医薬組成物の新しい治療への応用に関して、適用する病症又は薬理作用以外にも、例えば特定の患者群,特定部位,薬剤用量又は投薬経路などの技術特徴は、先行技術と明確に区別できるものであれば新規性を有しています(特許審査基準2-10-29)。なお、進歩性の判断方式については、当該発明が予期し得ない性質又は効果を有しているかどうかによって判断されます(特許審査基準2-10-32)。