台湾における商標法の改正案は、2011年5月9日に立法院経済委員会の審査を通過した。以下はプレスリリースの訳文である。
掲載日:2011年5月10日
商標法の改正草案について、昨日(9日)午前、立法院経済委員会の第2回目の審査会が滞りなく終了した。関心度の高い重要点として以下が含まれている:商標で保護する客体を拡大する-動く商標、ホログラム商標等、国際博覧会に関係する優先権の定義、商標権の効力の制限-権利消尽に包含される意味、地域に依拠する商標権の専用使用権と通常使用権の許諾、並びに条文第25条には、商標の出願、登録において訂正の請求ができる事項についての立法説明の段落を増補し、その他の明らかな錯誤訂正の事項について説明を加える。第30条第1項第13号の条文中、著名な他人の「別名」は登録できないとの規定を削除する。第80条第3項及び第4項において、不振産業及び伝統産業が台湾製造の証明標章を出願することを奨励する措置及び規定手数料に関する納付免除の規定を明確に定める。その他の条文は何れも行政院が立法院に審議を要請した商標法の改正草案の通りに通過した。条文は合計111条で、改正が71条文、増補改正が26条文、削除が9条文である。
昨日、審査会において改正草案が迅速に通過したことは、産業の活性、発展、不振産業及び伝統産業の保護、商標審査の効力の上昇、世界の商標制度への調和、活発で多様な取引形態の促進、良好な投資環境の構築を助け、我が国の経済力及び国際競争力を強化する。今回の改正における重要点は以下の通り。
- 商標登録で保護される客体の拡大。例えば、動く、ホログラム等の新形態の商標。
- 商標の各種使用行為の態様を明確に規定する。
- 商標権者が第二期の登録料納付が遅れたために支障を来すことを避けるため、登録料の2期分割納付の制度を廃止する。
- 商標権者が他人の登録出願の並存に同意しているが、不当な状況にあることが明らかである場合、後願商標は登録できない。
- 故意でなく登録料の納付期間を遵守できなかった場合の権利回復規定を増補改正する。
- 後願の商標、又は変更・付記を加えて使用した商標が、登録から満3年を経過した自己の商標と同一又は類似し、関連する消費者に誤認混同のおそれがあると主張して、他人の登録商標の無効又は取消を請求する場合は、使用の事実を挙証しなければならない等の規定を増補改正する。
- 「損害賠償」について、行為者に主観上の故意又は過失があることが必要であることを明確に規定する。最低損害賠償額である500倍という最小限度の規定を削除する。その他、商標権者が損害額を挙証する負担を適切に免除するため、合理的な使用許諾金額を損害賠償額とできるよう増補改正する。
- 著名商標の識別性または信用・名誉を減損する「可能性がある」のみで、侵害行為と見なすことを明確に規定し、著名商標の保護を強化する。その他、権利濫用の問題が起こることを避けるため、他人の「登録商標」を自己の会社名称、商号、ドメインネーム等とすることを権利侵害と見なす規定を削除する。
- 税関が職権に基づき差押えを行うための法的根拠を明確に規定する。並びに権利侵害又は訴訟の提起の必要性を調査するため、税関は権利者に権利侵害貨物の情報を提供すること、又は商標権者が担保金を提供して申請することによりサンプルを貸し出すことができ、権利侵害の認定を進めることができる等の規定を増補改正する。
- 産地証明標章及び産地団体商標等に関する規定を明確に定める。その他、証明標章の直接及び間接侵害の刑罰規定を増補改正する。
今回審査を通過した商標法の改正草案は、多項目に亘る制度改革である。各界に充分理解させ、改正後の制度運用に適応させるためには、相当の準備期間を必要とする。このため、施行日は行政院が別に定める。この外、関連法規、審査基準、願書のフォーム及びコンピュータのデータシステムを含む関連措置の改正については、既に知的財産局が商標法の改正内容に合わせるよう積極的に検討し、改正を計画中である。

