2003年05月28日に公布された改正商標法(以下改正法と称する)は、同法第94条の規定により、公布の6カ月後(2003年11月28日)に施行された。また、この改正法に対応する改正施行規則も、2003年12月10日に発布・施行された(中央法規基準法の規定により、この改正施行規則が実際に効力を生じた日は、2003年12月12日である)。
今回の商標法の改正は、商標とサービスマークの統合、連合・防護制度の廃止、立体・音響・単色商標の登録、同意書による不登録事由の解消、一出願多分類、手続きの簡略化、出願・登録の分割、登録公告後の異議申立等、商標制度を大幅に変えるものである。また、施行規則も、登録出願、更新出願、出願・登録の分割、使用許諾の登録申請及び登録後の異議申立等について、手続き上において改正法に合わせた重要な変更が行われている。以下は、改正法に基づく商標制度の現状をまとめたものである。
101 商標・標章の種類、定義
・改正法では、商標及び標章は次の4種類に分けられる。
1. 商標 自己の商品又はサービスを表すために使用する標識(改正法第2条)。
*商標とサービスマークの統合
改正法では、商標とサービスマークを合わせて「商標」と称する。
改正法の施行前に登録されたサービスマークは、改正法の施行当日から「商標」とみなされ(改正法第85条第1項)、元の登録番号が引き続き使用される。改正法の施行時に係属中のサービスマークの登録出願は、改正法の施行当日から「商標」の登録出願とみなされる(改正法第85条第2項)。
2.証明標章 証明能力を有する法人、団体又は政府機関が他人の商品又はサービスの特性、品質、制度、産地又はその他の事項を証明するために使用する標識(改正法第72条)。
3.団体標章 法人資格を有する同業組合、協会又はその他の団体がその組織又は会員であることを表すために使用する標識(改正法第74条)。
4.団体商標 法人資格を有する同業組合、協会又はその他の団体がその団体の構成員の提供する商品又はサービスを表すために使用する標識(改正法第76条第1項)。
102 連合・防護制度の廃止、経過規定
・改正法では、連合商標・防護商標の制度が廃止され、改正法施行時に登録済み又は出願係属中の連合商標・標章の扱いは次のとおりである。
1.改正法の施行前に登録された連合商標・標章は、改正法の施行日から独立の登録商標・標章とみなされ、その存続期間は原許可期間を基準とする(改正法第86条第1項)。
2.改正法施行時に係属中の連合商標・標章の登録出願は、改正法の施行日から独立の商標・標章の登録出願とみなされる(改正法第86条第2項)。ただし、出願人は,登録査定書の送達前に出願を取り下げ、出願手数料の払い戻しを請求することができる(改正法第86条第3項)。
3.改正法の施行前に登録された防護商標・標章については、所有権者がその存続期間の満了前に独立の登録商標・標章への変更を申請しなければならない。期間内に変更の申請をしなかった場合、その商標権は消滅する(改正法第87条第 1 項)。
4.改正法施行時に係属中の防護商標・標章の出願は、改正法の施行日から独立の商標・標章の登録出願とみなされる(改正法第87条第2項)。ただし、出願人は,登録査定書の送達前に出願を取り下げ、出願手数料の払い戻しを請求することができる(改正法第87条第3項)。
103 音響・立体・色彩商標
・改正法では、音響商標及び立体商標の制度が導入された。また、色彩商標については、従来の「色彩の組み合わせ」に加えて、「単色」商標の登録が認められる(改正法第5条第1項)。
104 登録出願の必要書類
・外国の会社が商標(サービスマーク)の登録出願をする場合の必要書類は次のとおりである。
1.代理人委任状 1通(認証不要)出願人押印。 会社の場合は、代表者印と社印を押す。「 106 代理人委任状の補完・援用」参照。
2.商標見本 5枚。別に願書控え及び代理人ファイル用として2枚。着色商標の場合には、上記枚数の着色見本に加えて、商標公報の製版用として、黒色の商標見本2枚を要する。商標見本の用紙は、縦横8 cm 以下、 5cm 以上。「 107 記述的文字・図形の削除、権利不要求」参照。
3.優先権証明書 「 108 優先権主張、申立手続き、優先権証明書」参照。
*商標の使用意図・営業範囲の証明の廃止
改正法では、出願人の商標を使用する意図・営業範囲を証明する書類(会社登記簿謄本、使用宣言書等)を提出する必要がなくなった。
105 願書の記載事項
・外国の会社が商標(サービスマーク)の登録出願をする場合、願書の記載事項は次のとおりである。
1.商標の名称「 110 商標名称」参照。
2.商品(サービス)の区分「 112 商品・サービスの区分」参照。
3.指定商品(サービス)の名称「 114 商品・サービスの指定方法」参照。
4.出願人の名称、住所、国籍及び代表者氏名「 109 出願人の商号等の中国語及びローマ字表記」参照。
5.優先権主張の申立(基本出願の出願日、出願番号及び出願国。「 108 優先権主張、申立手続き、優先権証明書」参照。
106 代理人委任状の補完・援用
・代理人委任状は、出願後、補正通知の指定期間内に補完をすることができる。
・代理人委任状は、1通をもって同時に提出される複数の出願に使用し、かつ、商号、住所及び代表者に変更がない限り、後日の出願及び商標に関するその他の手続きに援用することができる(改正施行規則第4条第1項~第4項)。ただし、援用の場合において、書式審査にあたり、原本と照合するのが不便であるときは、新規に提出することを要求されるので、前に提出したのが2~3年を経過しているときは、新たに提出するのが望ましい。
107 記述的文字・図形の削除、権利不要求
・商標見本には、原則として、商品(サービス)の説明的又は識別性を有しない文字、図形、記号、色彩又は立体的形状を含めることができない。ただし、当該部分を商標見本から削除した場合にその商標の完全性が損なわれるときは、当該部分を権利不要求とすることを申し出て、登録出願をすることができる(改正法第19条)。また、商標見本には、社名、住所の表示を含めることができない。
108 優先権主張、申立手続き、優先権証明書
・台湾と相互に優先権を認める国において法律に基づいて出願をした商標について、その出願人は、最初の出願日の翌日から6カ月以内に台湾において登録を出願するときに、優先権を主張することができる(改正法第4条第1項)。
・台湾は、2002年01月01日にWTOに加盟したので、WTO加盟国における商標登録出願に基づいて台湾で出願をするときは、優先権を主張することができる。
・外国出願人は、その属する国と台湾との間に相互に優先権を認める取り決めがない場合でも、互恵国に住所又は営業所を有するときは、優先権を主張することができる。
・優先権を主張するときは、登録出願と同時に申立をし、かつ、願書に基本出願の出願日、出願番号及び出願国を明確に記載しなければならない(改正法第4条第2項)。
・優先権証明書は、出願の翌日から3カ月以内に提出しなければならない(改正法第4条第3項)。この期間は、延長をすることができない。
・出願時に優先権主張の申立をしなかった場合、又は優先権証明証明書期限内に提出しなかった場合、優先権は喪失する(改正法第4条第4項)。
109 出願人の商号等の中国語及びローマ字表記
・願書、その他の書式では、出願人名称、住所及び代表者氏名の記載欄が、「中文」(中国語)と「英文」(ローマ字)に分けられており、知的財産局は、「中文」(中国語)に加えて、「英文」(ローマ字)も記載するよう要望しているが、これは強制されるものではない。
中国語表記:
・日本の会社で商号が漢字だけで構成されているときは、これをそのまま中国語の表記とすることができる。ただし、「株式会社」は「股份有限公司」と訳す。
・商号にカナ文字が含まれるときは、その部分を中国語(漢字)の表記にしなければならない。この場合の中国語の表記は、音訳(当て字)若しくは意訳又は両方が混在したものとすることができる。また、カナ部分が漢字をカナ文字に置き換えたものである場合、置き換える前の元の漢字をあてることもでき、また、単に音訳とすることもできる。
例:「イトー株式会社」という商号の場合、「イトー」が「伊藤」をカナ文字に置き換えたものであるときは、「伊藤」を中国語の表記とすることができる。また、「イトー」に近い音訳、例えば「意多」とすることもできる。
・中国語の表記は、権利に影響を及ぼすものではないが、同じ所有者のすべての商標については、同じ表記を使用するのが望ましい(一致しないときは、類似商標を出願した場合に、異なる会社の出願と誤認されるおそれがある)。なお、中国語の表記は、変更をすることができる。
・出願人の住所、代表者氏名等にカナ文字が含まれている場合も、中国語(漢字)の表記が必要である。
・出願人名称、住所及び代表者氏名に使用されている漢字が、台湾で使用されている「繁体字」(旧漢字)と違う場合、知的財産局は、記録、公告、コンピュータ処理の便宜のため、職権でその文字を「繁体字」に変更する。
ローマ字表記:
・会社商号のローマ字表記については、英訳(~ Pharmaceutical Co. Ltd 又は音訳(~ Seiyaku Kabushiki Kaisha )とすることができる。
110 商標名称
・願書には、商標名称を記載しなければならない。文字商標の場合は、その文字を商標名称とする。
・図形商標の場合は、その図形に基づいて、名称を指定しなければならず、通常、出願人の慣用の称呼があるときは、その称呼を使用するが、場合によっては、出願人の指定した名称がその図形から自然に生じると考えられる称呼と同一でないこともありうる。出願人の指定した名称がその図形と相応しない場合には、審査の段階で変更を要求されることがある。
・House Mark (社章)の場合、その商標名称は、「xxx(出願会社名)標章」、又は単に「 DEVICE MARK 」とすることができる。
・商標名称は、商標見本に含まれていない場合、保護範囲に入らない。
111 一出願多区分、指定商品の数
・改正法では、一出願多区分の制度が導入された(改正法第17条第4項)。出願手数料は、1区分ごとに、指定商品の数を、20以下、21から60まで、60以上の3段階に分けて、計算する。ただし、サービス(第35類から第45類まで)の場合、出願手数料は、数に関係なく、1区分ごとに計算する。
・出願後の補正により指定商品の数が出願時の納付基準を超えたときは、出願料を補正しなければならない。
112 商品・サービスの区分
・商品及びサービスの区分については、1994年07月15日から国際分類が採用されている。
113 類似商品の認定基準、類似商品の削除
・類似商品(サービス)については、経済部知的財産局編集の「商品及びサービス類似グループ参考資料」( 2002 年 12 月改訂一版)を参照することができる。この参考資料は、日本特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準」に類似するものであって、一つの類の商品(サービス)が更に見出しを四角カッコで囲った小分類に分けられ、小分類番号が付けられている。また、大多数の小分類には、その小分類に属する具体的商品が例示されている。
・小分類の見出しの日本語訳については、「台湾・商品及びサービス分類表( 1998 )」(当社発行)参照。
・前記の資料に基づき、同じ小分類に属する商品(サービス)は、原則として、類似の商品(サービス)とされる。類が違っていても、類似商品(サービス)とされるもの、又は同一類の異なる小分類に属する商品(サービス)で類似とされるものについては、「備考」欄に注記がある。
・出願の審査において先行商標を引用して拒絶理由通知があったときは、類似とされる商品を削除して引用商標との抵触関係を解消することができる。 「 118 同意書による不登録事由の解消」参照。
114 商品・サービスの指定方法
・指定商品(サービス)については、具体的商品名称を挙げなければならない。たとえば、「装置、設備、システム、器具、付属品等」の用語は、一般に具体性がないとして認められない。また、「本類に属すべきその他の商品(サービス)」又は「他の類に属しない商品(サービス)」というような概括的表現も認められない。
・類の見出しによる全類指定は認められない。小分類の見出しついては前記「参考資料」で、「#」の記号が付いている場合は、範囲が広すぎるか又は不明確であるとして、商品(サービス)の指定に使用できないが、記号がついていない見出しは、商品(サービス)の指定に使用することができる。
例:#0310
研磨用材料及びその製剤
0310 化粧品、パーマネント用液、先発剤磨用材料及びその製剤
115 出願日の認定基準
・商標登録出願は、出願人、商標見本及び指定商品又はサービスを明示した願書を提出した日を、その出願日とする(改正法第17条第3項)。
116 商標の変更を認めない規定、指定商品の縮減
・改正法の規定では、出願後に商標及びその指定商品又はサービスを変更することができない。ただし、指定商品又はサービスの縮減は、この限りでない(改正法第20条第2項)。
*旧法においては、出願の公告決定後に商標を変更することはできず、指定商品又サービスは縮減のみを認める旨の規定があったが(旧法第19条第1項)、公告決定前の変更については明文の規定がなかったため、実務上においては、商標の変更又は指定商品又はサービスの追加は、出願日を変更の申請日に繰り下げることで認められていた。
117 出願・登録の分割
・改正法では、登録出願及び登録の分割制度が導入された(改正法第21条、第31条)。
・商標出願又は登録の分割は、同一類又は同一類似グループに属する商品(サービス)であっても、分割をすることができる。
・登録の分割については、異議申立、無効審判又は取消請求の係属中においても、分割をすることができる(改正法第31条第2項)。
118 同意書による不登録事由の解消
・改正法では、同意書の制度が導入され、出願商標が次の商標に抵触する場合、当該商標所有者の同意によりその不当録事由を解消することができる。
・他人の著名商標・標章(改正法第23条第1項第12号)。
・他人の登録又は先願商標(同第13号)。ただし、本号の場合においては、 二者の商標及び指定商品(サービス)が同一であるときは、同意書があっても、不登録事由を解消することはできない。
・契約、地縁、業務上の取引又はその他の関係で知った他人の先使用である商標(同第14号)。
・前記の同意書は、出願と同時に提出するか、又は出願に対する拒絶理由通知後に提出することができる。また、登録後に無効審判を請求された段階で、同意書を取得した場合にも、知的財産局は、公益及び当事者の利益を考慮した後、無効理由が解消されたとして、請求不成立の決定をすることができる(改正法第54条ただし書き)。
119 拒絶査定、訴願及び前置審査
・実体審査において、出願商標が商標法第23条第1項(不登録事由)の規定又は第59条第4項(変更付記又は他人の著作権等の侵害により登録が「廃止」された商標の再出願の制限)の規定に反すると認められる場合、商標主務官庁は、拒絶理由通知書を出願人に送付して、通知書の送達翌日から30日以内に意見書を提出すべき旨の通知をする(改正法第24条第2項)。意見書の提出期間については、通常、1カ月延期することができる。
・拒絶理由通知書に対し補正書・意見書を提出したが、審査官が拒絶理由を維持する決定をしたときは、拒絶査定書が発行され(改正法第24条第1項)、商標公報に出願番号のみを記載した拒絶の公告が掲載される。
・出願人は、拒絶査定に対し不服があるときは、拒絶査定書の送達の翌日から 30 日以内に訴願を提起することができる。「 125 訴願及び行政訴訟の適用範囲」参照。
120 登録査定、登録料の納付、登録の公告、登録証の交付
・改正法では、登録後異議申立制度が採用されたので、審査により適法と認められた商標については、審査決定書を出願人に送付して登録料を納付すべき旨の通知をする(改正法第25条第1項、第2項)。
・登録料は、2期に分けて納付することができ、第1期の登録料は、審査決定書の送達の翌日から2カ月以内に納付し、第2期の登録料は、登録公告の当日から起算して第3年の満了前3カ月以内に納付する(改正法第25条第2項、第26条第1項)。第2期登録料の納付については、期間満了後6カ月以内に所定の料金の倍額をもって追納をすることができる。第1期の登録料を納付しなかった場合は、出願が失効し、知的財産局のコンピュータの商標出願データにその旨の注記がなされる。第2期の登録料を納付しなかったために登録が消滅した商標については、その旨の公告が商標公報に掲載される。
・登録を許可する決定をした商標については、前記の第1期登録料の納付後に登録の公告をし、かつ、商標登録証を交付する(改正法第25条第2項)。
121 商標登録の存続期間、更新登録出願
・商標登録の存続期間は、旧法と同じく10年であるが、改正法では、「登録公告当日」から起算される(改正法第27条第1項)。更新登録の場合、存続期間は同じく10年であって、原存続期間の翌日から起算される(改正法第27条第2項、第28条第2項)。
・更新登録出願は、存続期間の満了前及び満了後の6カ月以内にしなければならない。ただし、存続期間の完了後6カ月以内に更新出願をするときは、倍額の更新登録料を納付しなければならない(改正法第28条第1項)。
・改正法では、更新登録出願について実体審査を行わない。また、商標の使用についても審査を行わないので、商標の使用証拠を提出する必 要はない。
・更新登録出願の必要書類:
・代理人委任状 1通(認証不要)出願人押印。 会社の場合は、社印と代表者印を押す。「 106 代理人委任状の補完・援用」参照。
*更新登録出願については、原登録証を提出する必要がなく、知的財産局が更新登録を許可する旨及び更新登録の存続期間満了日、指定商品(サービス)公告予定日及び商標公報番号を記載した「書簡」を交付する。
・更新登録出願は、原登録の指定商品(サービス)の全部又は一部のみ を指定することができる(改正施行規則第19条)。
122 登録後異議申立
・改正法では、登録後異議申立の制度が採用され、商標の登録が商標法第23条第1項(不登録事由)の規定又は第59条第4項(変更付記又は他人の著作権等の侵害により登録が「廃止」された商標の再出願の制限)の規定に反するときは、何人も、商標登録の公告の日から3カ月以内に異議申立をすることができる(改正法第40条第1項)。
・異議申立については、登録商標の指定商品(サービス)の全部又は一部のみについて申立をすることができる(改正法第40条第2項)。
・異議申立人又は商標権者は、市場調査報告書を自己の主張を支持する証拠として提出することができ、また、市場調査報告書について意見を陳述する機会を与えられる(改正法第43条第1項、第2項)。
・商標主務官庁は、当事者の陳述した意見及び市場調査報告書の内容を総合して判断をする(改正法第43条第3項)。
・異議に対する決定が確定した登録商標については、何人も、同一事実、同一証拠及び同一理由に基づいて無効審判を請求することができない(改正法第48条)。
・異議申立の決定に不服がある場合、異議申立人又は商標権者は、異議決定書の送達の翌日から30日以内に経済部に訴願を提起することができる(訴願法第1条第1項及び第14条第1項)。
123 無効審判、除斥期間、一事不再理
・商標の登録が商標法第23条第1項(不登録事由)の規定又は第59条第4項(変更付記又は他人の著作権等の侵害により登録が「廃止」された商標の再出願の制限)の規定に反する場合、利害関係人又は商標審査官は、その登録を無効とするための審判を請求することができる(改正法第50条第1項)。
・前記の規定は、登録前に他人の著作権、特許権又はその他の権利を侵害した商標について、侵害と認める裁判所の判決が登録後に確定した場合に準用される(改正法第50条第2項)。
・除斥期間: 商標の登録が次の規定に違反する場合において、登録公告の翌日から満5年を経過したときは、審判を請求することができない(改正法第51条第1項)。
・第23条第1項:
第1号(第5条に定める商標の構成及び識別力の要件)。
第
第
12号他人の著名商標・標章と同一又は類似の商標)。ただし、登録が悪意によるものであるときは、除斥期間の規定を適用しない(第51条第3項)。
第2号(商品(サービス)の形状、品質、効用等の説明)。
13号(他人の登録商標又は先願商標と同一又は類似の商標)。
第14号(契約、地縁、取引又はその他の関係によりその存在を知った他人の先使用商標と同一又は類似の商標。
第15号(他人の肖像又は著名な氏名等を含む商標)。
第16号(著名な法人、商店又はその他の団体の名称を含む商標)。
第17号(他人の著作権等に対する侵害判決が確定した商標)。
・第59条第4項(変更付記により取り消された商標の再出願に対する制限)。
・登録前の権利侵害行為に対する判決が登録後に確定した場合、その無審判請求の除籍期間は、判決確定の日から起算する(改正法第51条第2項)。
・一事不再理:
・異議に対する決定が確定した登録商標については、何人も、同一事実、同一証拠及び同一理由に基づいて無効審判を請求することができない(改正法第48条)。
・審判請求事件の審決後においては、何人も、同一事実、同一証拠及び同一理由に基づいて審判を請求することができない(改正法第55条)。
・無効審判の審決に不服がある場合、請求人又は商標権者は、審決書送達の翌日から30日以内に経済部に訴願を提起することができる(訴願法第1条第1項及び第14条第1項)。
124 登録の廃止(取消)
・商標の登録後、次の事由の一つがあるときは、商標主務官庁が、職権で又は請求によりその登録を廃止する(改正法第57条第1項第1号~第6号)。
*取消の事由が登録商標の指定商品又はサービスの一部分のみにあるときは、当該部分の商品又はサービスについてその登録を取り消すことができる(改正法第57条第4項)。
1.自ら商標に変更又は付記を加えたために同一又は類似商品(サービス)に使用される他人の商標と同一又は類似を構成するに至り、関係消費者に誤認混同を生じさせるおそれがあるとき。
*前記の規定は、被許諾使用者が商標に変更又は付記をした場合において、商標権者がこれを明らかに知り又は知り得たにもかかわらず反対の旨を表明しなかった場合にも適用される(改正法第57条第2項)。
2.正当な理由がなく、使用をせずに又は使用を引き続き停止して満3年を経過したとき。ただし、被許諾者が使用をしているときは、この限りでない。
*前記の事由がある場合において、取消請求時に当該商標がすでに使用されているときは、他人が取消請求をすることを知り、取消請求前3カ月以内に商標の使用を開始した場合を除き、その登録を取り消さない(改正法第57条第3項)。
*商標の不使用取消の場合、商標権者は、その商標の使用の事実を立証しなければならない(改正法第59条第2項)。
3.第36条(複数の者が同一商標を使用する場合の適切な標示)の規定に定める適切な識別の標示をしなかったとき。ただし、商標主務官庁の処分前に識別の標示を付加し、誤認混同を生じさせるおそれがないときは、この限りでない。
4.商標がすでにその指定商品又はサービスの通用の標章、名称又は形状となっているとき。
5.実際使用時において商標にその商品又はサービスの性質、品質又は産地について公衆に誤認混同を生じさせるおそれがあるとき。
6.商標を使用した結果により他人の著作権、特許権又はその他の権利を侵害し、裁判所の侵害判決が確定したとき。
・変更又は付記により又は他人の著作権等の侵害判決により登録が取り消された場合、原商標権者は、取消の日から3年以内において、同一又は類似の商品又はサービスについて、同一又は類似の商標の登録、譲受又は許諾による使用をすることができない。前記の規定は、商標主務官庁の処分前に商標権を放棄した場合にも適用される(改正法第59条第4項)。
・登録取消請求の決定に不服がある場合、請求人又は商標権者は、決定書送達の翌日から30日以内に経済部に訴願を提起することができる(訴願法第1条第1項及び第14条第1項)。
125 訴願法及び行政訴訟法の適用範囲
・訴願法及び行政訴訟法は、行政処分を違法又は不当とする者が、その処分の取消を求めるための行政救済手続き ( 訴願法第 1 条 ) 、すなわち、行政不服審査申立手続きを定めたものであって、商標登録及びその他の商標に関する商標主務官庁の処分については、主として、商標登録出願の拒絶査定;異議申立の決定;無効審判の審決;登録「廃止」(取消)請求に対する決定に適用される。
126 訴願官庁、行政法院
・知的財産局の処分に対する訴願の管轄官庁は経済部であるが(訴願法第4条第8号)、訴願を提起した場合には、知的財産局で前置審査(訴願法第58条第2~3項)が行われるため、訴願書は知的財産局に提出する(訴願法第58条第1項)。 「 127 訴願の前置審査」参照。
・訴願の決定に不服があるときは、訴願決定書の送達の翌日から2カ月以内に台北高等行政法院に行政訴訟を提起することができる ( 行政訴訟法第4条第1項、第106条第1項 ) 。
*所有権に関する行政訴訟は台北高等行政法院が専管する。
・行政訴訟は、高等行政法院(第一審)と最高行政法院(上訴審)の二審制であって、高等行政法院の判決に対しては、判決書の送達後20日以内に最高行政法院に上訴をすることができるが、上訴ができるのは、当該判決が法令に反することを理由とする場合に限られる(行政訴訟法第241条~第243条)。
127訴願の前置審査
・知的財産局は、訴願書を受理した場合、まず、原処分が合法・妥当であるか否か改めて審査をしなければならず、訴願に理由があると認めるときは、自発的に原処分を取り消し又は変更することができ、かつ、これを訴願管轄官庁に報告する(訴願法第58条第2項)。
・知的財産局は、前置審査の結果、原処分を取り消し又は変更する必要がないと認めるときは、弁明書を添付して、必要な関係書類とともに訴願書を訴願管轄官庁に送付し(訴願法第58条第3項)、かつ、弁明書の副本を訴願人に送付する(訴願法第58条第4項)。
128 審理方式、口頭弁論
・訴願及び行政訴訟の審理方式は、訴願が書面審査 ( 訴願法第63条第1項 ) 、行政訴訟第一審が口頭弁論(行政訴訟法第188条第 1 項)、行政訴訟上訴審が書面審査(行政訴訟法第253条)を原則とするが、訴願及び行政訴訟上訴審の場合においても、職権で又は請求により口頭弁論が行われる ( 訴願法第65条;行政訴訟法第53条ただし書き ) 。
129 最終判決に対する再審の訴え
・行政救済手続きは、最高行政法院の判決を最終とするが、法律の適用に誤りがある場合、又は審理で考慮されなかった重要な証拠を当事者が発見した場合に限り、再審を請求することができる(行政訴訟法第273条)。
・再審の訴えは、30日の不変期間内に提起しなければならない(行政訴訟法第276条第1項)。この期間は、判決の確定時から起算する。ただし、再審の事由を判決の確定後に知った場合には、その事由を知った日から起算する(行政訴訟法第276条第2項)。
