台湾初の特許の強制実施許諾は両当事者が取消を申請し、知的財産局がそれを認め取消を決定した。以下は本件取消に関する同局のプレスリリースの訳文である。
主題内容:
経済部知的財産局は、オランダ国籍・フィリップス社及び台湾国籍・国碩科技工業股份有限公司が提出した、国碩科技工業股份有限公司によるフィリップス社の5件のCD-R特許権の強制実施許諾の取消申請に対し、審査により取消を決定した。この決定は、当該処分書送達の時から発効する。
強制実施許諾取消の申請は、双方から提出された。フィリップス社は、既に新しい許諾計画(Veeza)を提出していること、並びに国碩公司が「国内市場の需要を第一として供給する」との要求を履行していないことを理由として主張し、国碩公司は、2007年5月31日からCD-Rの国内生産を停止するため強制実施許諾の原因が消滅したことを主張して、強制実施許諾取消を申請したのである。
本件は関係する範囲が非常に広いため、審査に約1年かけた。知的財産局は慎重な審査を期し、双方当事者に提出した理由証拠について答弁するよう通知したほか、学者、専門家を招聘して専門審査委員会を設置し、双方当事者に知的財産局に出向いて意見を陳述するよう通知し、十分な答弁と説明が行なわれた。更に職権により、国碩公司およびその関連子会社(宏大公司および杏康公司)に対し、係争製品に関連して税関と輸出状況の資料を調査した。2件の申請は、ともに知的財産局の2004年7月26日付強制実施許諾許可に対する取消申請で、申請理由は異なるが、双方とも特許の強制実施許諾の取消という目的が全く同一であるため、双方当事者が主張した各項の理由、答弁を併せて審議し、関連事項を調査した。国碩公司が強制実施許諾請求の原因が消滅するとした日付、2007年5月31日が近いことに鑑み、申請に基づき取消処分とし、法に拠り発効する。また、取消の決定は、フィリプス社が法に拠って申請した目的であり、特許権者に有利であって且つ関連権益に影響がないものであるので、知的財産局が併合審議、調査した結果、当該2件の申請に対し決定したものである。
フィリップス社が行政手続き法第123条等の規定を引用し、国碩公司は負うべき関係責任を履行しておらず、既に強制実施許諾は失効すべきであるとの主張については、知的財産局が法に拠って職権による調査を行った。知的財産局は既に職権でフィリップス社が提出した証拠資料の関連調査を行い、並びに国碩公司とその関連子会社に関する税関や輸出状況の証拠、国碩公司が提出した会計士の報告書を調査したが、現在のところ関係証拠資料で前述の状況を直接証明することはできない。今後の手続きの進行については、以後の関係証拠資料の具体性有無により決める。
本件取消後、国碩公司はフィリプス社が所有する関連CD-R特許権の再実施はできない。知的財産局は双方が長年に亘る争議を今後理性的、平和的に解決し、ともに産業を発展させ、知的財産権保護の契機とすることを希望する。
