2021年5月1日より正式施行された台湾商標出願のファストトラック審査制度について

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台湾知的財産局は昨年(2020年)5月1日より商標出願の「ファストトラック」審査制度を試行した。この制度では、知的財産局の電子出願方式を利用し、新規出願に必要な書類と手数料の要件を満たし、かつ指定商品/役務の名称が知的財産局電子出願システムの参考名称と完全に一致しなければならない。

これにより商標審査官は手続きにかかる時間を短縮することができるため、出願人は審査結果を早期に知ることができ、或いは商標権を取得することができるので、市場での商標ポートフォリオの構築に役立つ。

本年2月までのファストトラック審査制度の統計によると、その利用件数は49,000件を超え、ファストトラック出願が全新規出願に占める割合は、月平均で約6割におよび、また、初回の通知までにかかる期間は一般の出願と比較して、約1.5ヵ月短い。知的財産局による2020年の商標統計によると、商標登録出願件数は計94,089件で、初回の通知までにかかる期間は平均4.7ヵ月、査定までにかかる期間は平均6.5ヵ月となっている。

ファストトラック試行効果に対する全体的評価は良好で、商標出願人もファストトラック審査制度をすでに十分に理解し、利用していると考えられることから、知的財産局は本年(2020年)5月1日より商標新規出願のファストトラック審査制度を正式に施行することを決定し、これを公告した。

ファストトラックと一般的な商標出願との比較

ファストトラック出願一般出願
出願方式電子出願電子出願又は書面(紙)出願
商標の種類現在は平面商標のみ平面商標、非伝統的商標(立体,音声,彩色など)、証明標章、団体標章、団体商標
委任状(台湾籍出願人は代理人に委任しても自分で出願してもよいが、外国籍出願人は代理人に委任しなければならない)(出願人の国籍を問わず)出願日から20日内に補完する委任状は知的財産局の通知日から1ヶ月(台湾籍)又は2ヶ月(外国籍)内に補完する
指定商品/役務の名称全てが知的財産局電子システムの参考名称でなければならず、一項目でも独自で定めた名称がある場合、ファストトラックの規定に合致しない出願人が商品/役務の名称を独自で定めた場合、知的財産局は受理しないものについて削除,名称の変更又は説明をするよう通知する

ファストトラック出願は電子出願となるため、出願料が1件あたりNT$300減額され、また、全ての指定商品/役務の名称が知的財産局電子出願システムで公告された参考名称と同じであるので、さらに一区分あたりNT$300減額される。

ただし、知的財産局では、優先権を主張する出願で指定商品/役務の名称が前記公告された参考名称と一致しない場合、実体審査において優先日を得る重要性を考慮して、その後の権利の主張に影響することがないよう一般の出願とすることを推奨している。

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2021年5月1日より正式施行された台湾商標出願のファストトラック審査制度について