2020年5月1日より台湾商標出願の「ファストトラック(快軌)」審査制度試行について

2020年5月1日より台湾商標出願の「ファストトラック(快軌)」審査制度試行について 1
  1. 台湾での2019年度の新規出願件数は約86,794件で、結審までの平均期間は約6.7ヶ月、初回通知書発行までの平均期間は約5.2ヶ月であり、台湾の出願人は71%、台湾以外の出願人は21%であった。
  1. 昨今、ビジネスの進展は非常に速く、商品の市場流通上のニーズから迅速な審査制度の導入を求められることもあるが、現在のところ台湾商標出願に「早期(加速)審査制度」は導入されていない。
  1. このため、台湾知的財産局(TIPO)は、本年5月1日より「ファストトラック」審査制度を推進することとした。この制度では、一定の条件を満たして「ファストトラック」で出願された商標については、出願から3.5~4ヶ月の間に初回の審査意見(OA)が発行される見込みとなっており、つまり商標出願の審査期間を1.5~2ヶ月程度短縮することができる。
  1. ファストトラック審査制度を利用する商標出願は、以下の条件を満たさなければならない。
ファストトラック出願一般出願備考
出願方式①電子出願電子出願又は一般の書面(紙)出願弊所はすでに電子出願方式を採用している
商標②平面商標平面商標、非伝統的商標(立体,音声,彩色など)、証明標章、団体標章、団体商標非伝統的商標、証明標章、団体標章、団体商標についてはファストトラック審査を申請することができない
委任状③委任状は出願日から20日内に補完しなければならない一般に、委任状はTIPOの通知から1ヶ月(台湾出願人)又は2ヶ月内に補完することができる
商品/役務の名称④全てがTIPOの電子システムの参考名称でなければならない出願人が商品/役務の名称を独自で定めた場合、TIPOは受理しないものについて削除,名称の変更又は説明をするよう指示する一項目でも合致しない商品/役務の名称があると、ファストトラック審査とすることができない
費用の納付方式⑤特定の方式でなければならない出願時に納付、又はTIPOからの通知後に各種方式で追納することができる弊所はTIPOが規定する方式をすでに採用している
  1. ファストトラック審査の出願であっても、本来の出願料以外に別途料金は発生しないので、利用する価値はあるようである。また、電子出願方式で商標出願すると、出願料が一件あたりNT$300減額され、さらに全ての指定商品/役務の項目がTIPOの電子出願システムの参考名称に合致する場合、出願料が一区分あたりNT$300減額されるため、出願人にとって非常に魅力的であると考えられる。
    しかし注意すべき点として、商標出願のファストトラック審査制度を利用するには、全ての商品/役務の名称がTIPO電子出願システムの参考名称に完全に合致する必要があり、一項目でも名称が合致しない商品/役務があった場合にはファストトラック審査制度を利用することができない。
    また、電子出願システムでは、字体が中国語の新細明体及び英語のTimes New Romanである中国語及び英語しか入力することができないため、日本出願人の名称,代表者名及び住所に和製漢字が含まれる場合、願書に正確に入力できないことが考えられる。例えば、日本出願人が、中国語漢字と異なる和製漢字(例:「辺」,「徳」,「頼」の中国語漢字はそれぞれ「邊」,「德」,「賴」)を願書に記入することを望む場合には、電子出願やファストトラック審査を利用することができない。
2020年5月1日より台湾商標出願の「ファストトラック(快軌)」審査制度試行について 2
2020年5月1日より台湾商標出願の「ファストトラック(快軌)」審査制度試行について