オンラインショップのウェブサイト上で自社の商品名称に他人の登録商標を使用した行為について、商標権の侵害を認定した刑事判決が出された。
以下は知的財産局のウェブサイトに掲載された台湾新北地方裁判所刑事判決の要旨の和訳である。
電子報掲載日:2017年5月5日
新北地方裁判所105年度智易字第31号刑事判決
係争商標

原告は登録第001533273、01601115、01601116号「別蚊我」商標に基づき、被告がMOMO購物、Yahoo奇摩超級商城ウェブサイト、3C市集ウェブサイトのショッピングプラットフォームで「【新錸家居】別蚊我─無線滅蚊神器」を商品のタイトル名称とした行為に対して、商標法第95条第3号における商標権侵害を主張した。台湾新北地方裁判所の判決主旨は下記の通り:
一、係争商標の指定商品において「別蚊我」の使用は、先天的識別性を有するか否か:
「蚊」の文字は、一般的な情況においては名詞として使用される。しかしながら、係争商標では「蚊」はむしろ動詞として使用され、係争商標中の「別蚊我」の3文字は、中国語の一般的な文法に反している。明らかに慣用語句ではなく、消費者が想像や思考を巡らすことなく「別蚊我」の文字が「防蚊液、防蚊シール…」等の商品を説明していると直接的に認定するとは考え難い。また、告訴人が「吻」を「蚊」に入れ替えているのは独創的標識で、係争商標には識別性がある。
訳注:中国語の「蚊」と「吻」(キスする)は発音が同じです。「別」には「~するな」という禁止を表す意味があります。係争商標の右上には何れも

二、被告の使用行為は記述性の合理的な使用に合致するか否か:
被告がインターネット、テレビショッピングチャンネル等のメディアを通して係争商品を販売する際、商品のタイトル名称に使用している「別蚊我」は、極めて目立つ位置にあり、更に「別蚊我」の前後には適当な間隔と標点符号(文章記号)がある。「別蚊我」の3文字が他の言葉と一緒にならないようにして、間違いなく関連消費者にそれが商標であると認識させており、商標使用の定義に該当することは明らかである。被告が係争商品上に「別蚊我」の3文字の他、新錸会社(被告人の会社)自身の商標「新錸家居」を同時に使用しているか否かと係争商品が係争商標権を侵害するか否かは、別のことに属し、相互排除の関係にはない。大抵の業者は、単一商品上に複数の商標を使用しており、現在の市場でも多く見られ珍しいことではない。異なる業者の連名の商品、また同一業者のシリーズブランドもあり得る。被告は販売の目的で、商品上に係争商標に類似する「別蚊我」の3文字を使用し、既に商品の出所を表す機能がある。商品の単純な記述ではなく「商取引の習慣に合致する誠実かつ信用できる方法」で係争商標を使用しているとは言い難い。商標法第36条第1項第1号の合理的な使用の要件に合致しない。
※ 本判決の主文は下記の通りです。
主文:
詹世新(被告)は商標法第95条第3号の商標権侵害の罪を犯した。
5ヶ月の有期刑若しくは1日当たり新台湾ドル1千元に換算した罰金に処す。


