台湾専利法(特許法、実用新案法、意匠法を包括する)は施行からすでに数十年が経過し、これまで幾度も改正が重ねられてきました。近年では2011年に大幅に改正され(2013年1月1日施行)、その後2013年6月、2014年及び2017年にも一部が改正されました。国際規範との協調を図るため、知的財産局は現行専利法を再度考察したうえで、改正議題を挙げて公聴会を開き、「専利法一部条文」を起草して広く意見を求めました。その改正草案の内容を下表にまとめます。
| 改正項目 | 現行法 | 改正草案 | 新条文 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 国際優先権を主張する期限の回復 | 出願人は、中華民国と相互に優先権を認める国又は世界貿易機関の加盟国で法に基づき最初の特許出願をした後12カ月(意匠は6ヶ月)以内に優先権を主張することができる。 | 出願人が同一の創作について、故意ではなく、中華民国と相互に優先権を認める国又は世界貿易機関の加盟国で法に基づき最初に特許出願した後12ヶ月(意匠は6ヶ月)以内に中華民国に専利出願をしなかった場合、期限満了後の2ヶ月以内に申請をすれば、手数料を納付した後、優先権を主張することができる。 | 第28条 第120条 第142条 |
| 2 | 登録査定後の分割の適用範囲及び期限 | 発明特許出願は、初審での登録査定後30日以内に分割出願することができる。 | 発明、実用新案及び意匠出願いずれも、初審、再審での登録査定後に分割出願することができる。分割出願の期限を登録査定後1ヶ月から3ヶ月に緩和する。 | 第34条 第46条 第71条 第107条 第119条 第120条 第130条 第134条 第141条 第142条 |
| 3 | 発明特許出願の実体審査請求の期限 | 発明特許の出願日から3年以内に実体審査を請求しなければならない。 | 出願人が故意ではなく、発明特許の出願日から3年以内に実体審査を請求しなかった場合、3年の期間満了後の2ヶ月以内に手数料を納付して実体審査請求権の回復を求めることができる。 | 第38条 |
| 4 | 専利出願の公開又は公告後の包袋資料の合法的な使用形態には複製、公開伝送及び翻訳が含まれる | 明文の規定なし | 検索のための専利データベースを提供するために、何人も、公開又は公告された明細書、専利請求の範囲、要約及び図面を複製、公開伝送及び翻訳することができる。 | 第47条 |
| 5 | 譲渡は許諾契約を妨げない | 明文の規定なし | 専利権の許諾契約登録後に専利権が移転された場合、許諾契約は譲受人に引き継がれる。 | 第62条 |
| 6 | 無効審判の審査 | 無効審判請求人は、理由又は証拠を補完するときは、無効審判請求後1カ月以内に提出しなければならない。ただし、無効審判の審決前に提出したときは、これを参酌しなければならない。 | 無効審判請求人が無効審判請求理由又は証拠を補完できる期限は3ヶ月であり、期限を徒過して提出した場合、これを参酌しない。 無効審判の審理期間では、専利権者は、通知を受けた答弁、補充答弁または答申の期間内に限り、訂正を申請することができる。ただし、発明特許権が訴訟事件に係属するときは、この限りではない。 | 第73条 第74条 第77条 |
| 7 | 実用新案の訂正を申請できる期間を制限し、訂正の審査には実体審査を採用する | 実用新案の訂正の審査には方式審査を採用し、時期の制限はない。 | 実用新案の訂正を申請できる時期は、当該実用新案が無効審判の審理中であり且つ法定の事情があるとき、実用新案技術報告書の申請の受理中、及び訴訟事件に係属するときとし、実用新案の訂正の審査には実体審査を採用する。 | 第118条 |
| 8 | 意匠権の存続期間を延長 | 意匠権の存続期間は12年である。 | 意匠権の存続期間は15年である。 | 第135条 |
| 9 | 専利包袋の保存期限の見直し | 専利包袋の願書、明細書、専利請求の範囲、要約及び図面又は図面説明は、永久保存しなければならない。 | 専利包袋の願書、明細書、専利請求の範囲、要約及び図面又は図面説明は、保存価値がある場合は永久保存とし、その他は30年を上限とした分類型の定期保存とする。 | 第143条 |
今回の専利法の改正は全面的な法改正で、その多くは規定を緩和するものです。ただし、この改正草案の施行には、経済部の承認を経た後に行政院にて審議をし、行政院がこれを承認して更に立法院三読を通過する必要があります。このため、この改正草案の施行までにはおよそ1~2年程度かかると考えられます。
