台湾政府は、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定への積極的な参加・加盟に向け、国際的な趨勢に合わせて、現行の特許法の改正案を立案した。当該改正案は行政院を通過した後、立法院に送られ一読で審理された。改正案の要点は以下の通り。
- 発明/実用新案の新規性、進歩性の特許要件喪失例外の猶予期間を6ヶ月から12ヶ月に延長する
- 知的財産局の審査に不合理な遅延があった場合、公告日以降に、発明特許権の存続期間を最長5年間延長する申請ができる
- 後発医薬品の許可証と先発医薬品のパテントリンケージ制度を導入する
しかしながら、その後TPP協定は2016年末に当選したアメリカのトランプ大統領の強い反対を受け、成立時期は不透明である。そこで、TPP協定締結の遅延が前記改正案の審理に影響を及ぼすのを避けるため、台湾知的財産局は、台湾の企業及び学術機関のビジネス活動や学術活動と歩調を合わせることを目的とし、すでに完成された発明/考案を、発明/実用新案の出願前に様々な形態で公開した場合でも特許の保護が得られ、かつ特許出願に向けた十分な準備期間が確保できるよう、アメリカ、日本、韓国の規定を参考として、現行の猶予期間6ヶ月を12ヶ月に緩和するという上記1)の改正のみ、別途に立法委員の自主法案提出を介して法案化を図った。この改正案は立法院の三読を通過し、2017年1月18日に台湾総統により公布された。
三読を通過した前記改正案について以下に詳しく説明する:
- 6ヶ月から12ヶ月への猶予期間延長の適用対象は、発明と実用新案のみで、意匠は含まれない。
- 出願時に、意図した公開であるか、或いは意に反した公開であるかを声明する必要がなくなった
- 原則として、公開の態様に制限がなくなった(例えば、実験による公開、刊行物での発表、展覧会での陳列等)。ただし唯一の例外として、出願人が意図して台湾又は外国で特許出願し公開されたものは含まれない。
- この改正に伴い、特許権の効力が及ばない事項についての現行特許法第59条規定中の「…三、出願前、既に台湾内で実施されていたもの、又はその必要な準備を既に完了していたもの。ただし、特許出願人がその発明を知得して6ヶ月未満で、かつ特許出願人がその特許権を留保する旨を表明したときは、この限りでない」において6ヶ月という期限を12ヶ月に改正した。
上述の改正案はすでに公布されたが、その施行日は行政院が決定し、公告する。今回の特許法の改正に伴い、経済部は2017年1月23日に「特許法施行規則」の改正案も作成し、改正予告した。「特許審査基準」の改正については2017年3月に公聴会が開かれる予定で、それらの改正が間に合えば、特許法改正案は2017年5月1日から施行される見込みである。
なお、TPP協定加盟のための上記2)、3)の改正案については、TPP協定の成立と加盟が不透明であるため、当分の間、改正の見込みはないと考えられる。


