商標登録出願の審査段階において第三者が提出する意見書は審査での証拠調査や検討に役立つため、知的財産局は行政手続法第36条に記載された職権による証拠調査の規定に基づいて、「商標登録出願における第三者からの意見書にかかる作業要点」を作成し、2019年6月20日に公布しました。その要点を以下に説明します:
- 「第三者の意見書」について、提出者は商標登録出願の出願人以外の何者であってもよく、無記名でもよい。
- 係争商標登録出願は審査中の商標登録出願(一般商標、団体商標、団体標章、証明標章を含む)に限られる。つまり「第三者意見書」は当該出願が処分又は査定される前に提出しなければならず(意見書提出後に意見や証拠を補充する場合も処分又は査定前に提出しなければならない)、当該出願がすでに登録又は拒絶査定されている場合には適用されない。
- 商標登録出願を登録すべきでないと主張する事由には、
- 識別性がない
- 他人が先に商標を使用している
- 意図的に模倣している
- 著名な商標又は標章
- 他人の著作権、専利権又はその他の権利を侵害している
- その他の登録できない事由が含まれる。意見書提出者は一つ又は複数の事由を主張することができる。
- 第三者意見書は書面で提出しなければならず、光ディスクや磁気ディスクで提出した場合、審査官はこれを採用しなくてもよい。第三者意見書の提出に政府手数料は必要ないが、関連証拠を提出しなければならない。
- 知的財産局が第三者意見書を受理し、商標登録出願を登録すべきでない有効な証拠である、と認定する場合には、商標登録出願人に通知をして意見を陳述する機会を与えなければならず、通知をしない場合、これを拒絶査定の根拠とすることができない。
- 知的財産局は第三者意見書の内容に対する認定や当該出願にかかる最終審査結果について、第三者に通知しない。
- 第三者意見書を提出した後、商標登録出願が最終的に登録査定となった場合、別途に異議又は無効審判を申し立てることができる。
前記第三者からの意見書はあくまで審査の参考用として提出するものですが、審査官は第三者から提供される情報によって商標登録の適法性に目を向け、とくに悪意による出願を避けることができます。また、この第三者意見書の仕組みは、商標登録要件を満たさず、かつ第三者の権益に影響を及ぼすおそれのある出願への対策として、登録査定又は登録済み商標に異議又は無効審判を申し立てて、登録の取り消しを図る場合と比べ、コストや時間の節約の点でメリットがあります。
