一、特許年金納付に関する一般事項
- 台湾における特許年金は、発明、実用新案及びデザインの3つに類別される。特許権の存続期間は出願日から起算して発明が20年、実用新案が10年、デザインが12年(近いうちに15年に改正される)である。
- 台湾では、第1年の特許年金は特許査定書の送達後3ヶ月以内に特許証書費とともに納付しなければならず、納付後に知的財産局より特許公告がなされ、特許証書が発給される。故意でなく前記納付期間内に納付しなかった場合、納付期間満了後6ヶ月以内に証書費及び倍額の第1年目年金を納付して特許証書の発給を請求することができる。
- 2年目以降の特許年金は公告日から起算し、毎年の納付期間満了前に納付しなければならない。
納付期間内に納付しなかった場合、期間満了後6ヶ月の猶予期間内に追納することができる。
ただし、その追納金額は本来の年金額以外に、超過期間一ヶ月ごとに20%の罰金が科せられ、この罰金の最高金額は規定された年金の倍額になる。月ごとの罰金の加算率は下表の通りである。
| 超過期間 | 1ヶ月以内 | 2ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 4ヶ月以内 | 5~6ヶ月以内 |
|---|---|---|---|---|---|
| 罰金 | 20% | 40% | 60% | 80% | 100% |
- 特許年金の減免
特許権者が自然人、学校、中小企業である場合、年金の減免を受けることができる。ただし、年金の減免は第6年までに限られ、第1年~第3年は毎年NT$800、第4年~第6年は毎年NT$1,200の減免となる。
現行の実務では、特許権者が自然人又は台湾の学校である場合、知的財産局は減免基準に則して直に年金を減免することができる。
特許権者が外国の学校、又は台湾,外国の中小企業である場合、年金の減免を書面により申請することができる。
中小企業は次の台湾中小企業認定基準を満たさなければならない:
(a)製造業、建設業(construction industry)、鉱業(mining industry)
及び土砂採集業(quarry industry);
払込資本額(paid-in capital)NT$8,000万以下
(b)前項事業以外の企業;
前年の売上高(revenue)NT$1億以下
(c)製造業、建設業、鉱業及び土砂採集業;
払込資本額がNT$8,000万以上だが、経常的に雇用する社員が200人未満の台湾企業
(d)前項事業以外で、前年の売上高がNT$1億以上だが、経常的に雇用する
社員が100人未満の台湾企業
実務上、外国の中小企業が前記条件を満たす場合も年金の減免を申請することができるが、台湾代理人に資本額又は前年の売上高又は雇用者数を伝えなければならず、知的財産局は必要と認めた場合、特許権者に関係証明書類を提出するよう命じることができる。
- 特許年金は複数年分を一括して納付することができ、年金額の調整があった場合にもその差額を納付する必要がない。
- 特許年金の納付後は、その特許が特許保護期間に入ってない年度分に限り、払い戻しを申請することができ、保護期間に入った年度分は払い戻しすることができない。
- 特許年金は、特許権者だけでなく、何人も納付することができ、委任状も必要ない。特許年金の減免申請については、該特許の原代理人でない場合、特別委任状を提出しなければならない。
二、特許権回復の実務
- 前述したように、特許年金を納付期間満了前に納付しなかった場合、或いは猶予期間満了前に年金及び罰金を納付しなかった場合、該特許は本来の納付期間満了の翌日に消滅する。
ただし、台湾専利法第70条第2項には「特許権者が故意でなく、第94条第1項で定めた期限までに追納しなかった場合、期間満了後一年以内に特許権の回復を申請することができ、三倍額の特許年金を納付した後、特許主務官庁はこれを公告する」と規定されている。
- 例えば、第7年の特許年金の有効期間において、翌年(第8年)の年金を本来の納付期限2017年6月30日前に納付しなかった場合、2017年7月1日から2017年12月31日までの期間(6ヶ月の猶予期間)に、本来の年金額に加えて超過期間に応じた罰金を納付すれば、該特許権は消滅することなく有効である。しかし、特許年金を2017年12月31日前に追納しなかった場合、その特許権は2017年7月1日に消滅したことになる。
- 前記2.のケースにおいて、特許権者が第8年の年金を猶予期間内に納付せずにその特許権が2017年7月1日に消滅した場合でも、特許権者が前記専利法第70条第2項の規定に基づいて、猶予期間満了(2017年12月31日)から1年以内(即ち2018年1月1日から2018年12月31日)に特許権の回復を申請し、本来の年金額(NT$8,000)に加えて倍額の特許年金(罰金)(即ち合計NT$8,000×3)を納付すれば、この特許権を回復することができる。
- 実務上、特許権者が特許権の回復を申請する場合、年金の未納が「故意でなった」ことを表明するだけでよく、別途に証明書類を提出する必要はない。
特許権の回復の申請は原則として特許権者が行わなくてはならず、その特許案件にかかり本来登記されている代理人でない者が特許権回復の申請を行う場合、特許権者がその申請手続きを委任する特別委任状をもつ代理人でなければこれを行うことができない。
特許権者が台湾の会社であるとき、委任状に押印する社章は、特許出願時のものと同じでなければならない。

