台湾と中国の特許出願における関連用語及び法定中国語書類の提出について

台湾と中国の特許出願における関連用語及び法定中国語書類の提出について 3

特許制度は属地主義であるため、出願人が台湾と中国で製品の特許保護を取得する場合、台湾と中国でそれぞれ特許出願する必要があります。台湾と中国で特許出願する場合は、基本的に三つの要件を満たす必要があり、台湾では新規性、進歩性及び産業上の利用性、中国では新規性、創造性及び実用性となります。
台湾で特許出願する場合に必要な明細書、特許請求の範囲、要約、図面と、
中国で特許出願する場合に必要な明細書(と添付図面)、権利要求書、要約(と添付図面)とでは、規定される文字、用語及び様式が異なります。その説明について述べます。

  1. 中国語文字と用語
    台湾と中国の特許における公用語はいずれも中国語であるが、その中国語には違いがあり、繁体字(台湾では現在「正体字」と称している)と簡体字との違いがあるほか、一般用語や専門用語(技術用語)でも違いがあります(下表を参照)。

表1:台湾と中国の特許関連用語対照表

英語中国語
(台湾)
中国語
(中国)
日本語
Claim申請專利範圍權利要求書(权利要求书)特許請求の範囲
Substantive Examination實體審查實質審查(实质审查)実体審査
Inventive Step進步性創造性(创造性)進歩性
Cited Reference引正案對比文件引例
Said上述;該所述前記
Assignment讓與;移轉轉讓(转让)譲渡
Re-examination再審查覆審(覆审)再審査
Invalidation舉發撤銷無效宣告(无效宣告)無効審判
Oral Examination言詞辯論口頭審理(口头审理)口頭審理
Divisional Application分割分案(分案)分割
Grant核准專利授權(授权)特許査定
License授權許可(许可)許諾

表2:台湾と中国の専門用語対照表

英語中国語(台湾)中国語(中国)日本語
Computer電腦計算機(计算器)パソコン
Digital數位數碼(数码)デジタル
Diode二極體二極管(二极管)ダイオード
Disk磁碟磁盤(磁盘)ディスク
Hardware / Software硬體/軟體硬件/軟件(硬件/軟件)ハードウェア/ソフトウェア
Information資訊訊息(讯息)情報
Internet網際網路;網路互聯網;網絡(互联网;网络)インターネット
Integrated Circuit積體電路集成電路(集成电路)集積回路
Laser雷射激光(激光)レーザー
Mask遮罩;光罩掩膜(掩膜)マスク
Plasma電漿等離子(等离子)プラズマ
Printer印表機打印機(打印机)プリンター
Photoresist光阻光致抗蝕劑(光致抗蚀剂)フォトレジスト
Read Only Memory唯讀記憶體只讀存儲器(只读存储器)ROM
Row行(行)
Valve氣門(气门)
  1. 繁体字と簡体字の変換
    台湾と中国の特許出願中国語本は、Microsoft Wordが提供した機能で繁体字と簡体字の間の変換を行った後に、様式を調整することで再翻訳と入力の手間を省けることができるが、繁体字と簡体字の自動変換は、完全にミスが起こらないという保証が無く、例えば下記用語や文字は変換の際に違う言葉になる場合もある:

(ソフトウェアの常用単語への判断)
繁体字 → 簡体字→ 繁体字
質量   质量   品質
程序   程序   程式

(単一の簡体字が複数の繁体字に対応)
簡体字        繁体字         
发(毛发、发生)   髮(毛髮)、發(發生)
制(制度、制造)   制(制度)、製(製造)

従って、繁体字と簡体字の変換を行った後は人力でチェックする必要がある。

  1. 特許中国語本の様式
    台湾の特許出願の中国語本(明細書、特許請求の範囲、要約)は、世界五大特許庁が定めた共通出願様式(Common Application Format、略称CAF)を参照して規定したものであるが、中国出願の中国語本とは依然として下記の違いがある。
項目台湾特許の中国語本中国特許の中国語本
明細書台湾で明確に記載すべきと規定された事項は、発明の名称、技術分野、背景技術、発明の内容、図面の簡単な説明、実施方法及び符号の説明(図面がある場合、そこに記載されている主な部品符号と説明を記述しなければならない)があり、明細書の内容と特許請求の範囲、要約との専門用語、符号は一致しなければならない。各項目は順次記載して項目名を付けるべきであり、各段落も番号をつけて順序とおり配列しなければならない。中国で規定された明細書の内容は、(発明)名称、技術分野、背景技術、発明内容、図面の説明(図面がある場合、簡略な説明が必要)及び具体的な実施方法があり、各項目の前に項目名を記載しなければならず、明細書の文字部分と図面で記載された標示(台湾では符号の説明)は一致しなければならない。
段落番号と符号の説明前記のとおり、台湾においてこの二項は明確に規定されている。中国においてこの二項は特に規定されていない。
特許請求の範囲台湾で規定された項目名は「申請專利範圍」で、独立項と従属項を含む。文章では「如申請專利範圍第1項」または「如請求項1」と記載しても良い。請求項の特許標的の名称は明確に記載すべきであり、基本的に台湾では、独立項は曖昧で簡略的な用語、例えば「一種装置」又は「一種方法」を使用してはならないと規定されている。中国で規定された項目名は「權利要求書」で、独立項と従属項を含む。文章では「根據權利要求1」又は「如權利要求1」と記載しても良い。特許標的の名称の、例えば「一種装置」又は「一種方法」の使用に関しては特に規定されていない。
要約250字以内と限定されており、化学式がある場合、最も代表的な技術特徴を有する化学式を開示すべきであり、特許出願に図面がある場合、代表図とその主な符号、説明を指定すべきである。300字以内と限定されており、発明の特徴を最も代表できる化学式を含んでも良く、特許出願に図面がある場合、技術特徴を最も説明できる図面を提供すべきである。
  1. 特許出願の法定書類
    中国で特許出願する場合、中国語で提出する必要があるため、出願人は台湾で特許出願する際に、よく中国の特許出願での中国語本をそのまま使用することもあるが、上述説のとおり、中国の特許出願の中国語書類(明細書、権利要求書など)は、そのまま台湾の特許出願に使用することはできない。この件について、台湾知的財産局も、台湾で特許出願する際は「権利要求」等の中国の用語を使用してはならないと知らせているため、提出後に審査意見を受けて補正費用が発生しないよう、中国出願の中国語本を台湾の出願の中国語本に適宜修正してから台湾の特許出願を行うべきである。
    台湾では、先に外国語本又は簡体字中国語本で特許を出願し、特許出願後の四ヶ月内で改めて規定に合致した中国語本を提出しても良いようになっている。外国語本は法定書類であり、中国語本に誤訳があった場合、その外国語本を基に補正を請求できる。原則的に、簡体字中国語本も外国語本の関連規定が適用されるため、台湾出願が中国又は米国、日本などの国を基礎優先権とする場合、誤訳などの論議事項により補正できないことを避けるよう、台湾で特許出願する際は、依然としてその優先出願の簡体字中国語本又は外国語本を提出するのが好ましく、それと同時に又は後に台湾の規定に合致した中国語本を提出しても良い。
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