- 台湾政府は2019年7月1日に、これまで47年間施行されてきた「化粧品衛生管理条例」を「化粧品衛生安全管理法」に改め、「非薬用歯磨き、マウスウォッシュ」を化粧品管理に加えるとともに「含薬化粧品」の名称を「特定用途化粧品」とした。新法では、化粧品は検査登記制から製品登録(Notification)及び製品情報ファイル(PIF)制度に段階的に移行し、かつ生産品質を確保できるように、これらの製造場所は化粧品適正製造規範(GMP)に適合しなければならないことが規定された。
- 台湾衛生福利部(衛福部)は2019年5月30日に「特定用途化粧品成分名称及び使用制限表」を公告し、2020年1月1日に発効した。また、同年8月には含薬化粧品の「化粧品における医療成分又は毒物・劇物の含有基準」を廃止した。
また、2021年7月1日より非薬用の歯磨き、マウスウォッシュも化粧品管理に組み込み、かつ包装,容器,タグ又は添付文書の表示規定についても正式に実施され、一般化粧品は製品登録が必要となった。そして2024年7月1日以降は検査登記が廃止されるが、特定用途化粧品は製品登録,PIFを行い、かつGMPに適合する必要がある。2026年7月1日から一般化粧品についてもPIFをし、GMPに適合する必要があるが、工場登記は必要ない。
- 前記「化粧品衛生安全管理法」の「特定用途化粧品」の規範に伴い、知的財産局は2020年11月17日に、今後台湾商標登録出願において「含薬化粧製剤、含薬シャンプー、含薬口腔洗浄剤」の商品名を受理しないとしたため、国際分類第5類の商品を指定して出願する場合、出願人はその商品名を新名称にしなければならないことに注意する必要がある。
また、かつて第5類「含薬化粧製剤、含薬シャンプー、含薬せっけん」グループの商品及び「含薬口腔洗浄剤」グループの商品として商標登録されたものについては、法改正により、今後市場で商品名「含薬化粧製剤、含薬シャンプー、含薬せっけん」、又は「含薬口腔洗浄剤」を使用することができず、また「化粧品衛生安全管理法」の関連規定に基づいて、実際に使用する際には、「特定用途化粧品」の検査登記申請に符合する場合、許可を経て許可証が発行されてからでなければ製造又は輸入することができない。
- 知的財産局は、登録済み旧商品名商品の取消し審判における真の使用であるかの認定原則について、登録済み旧商品名商品が真に使用されているか否かは、特定用途化粧品の使用形態に合致する必要があるほか、知的財産局は業者の実際の市場取引状況を参考して判断をし、業者が新名称に沿って商標を使用している場合、登録指定商品と同一性を有するものでなければならない、とした。
- 改正後の国際分類第5類(新)0519,0520グループ商品(特定用途化粧品)と、第3類「一般化粧品」中の030102「パーマ液、カラー剤、洗髪剤、トリートメント剤」小グループ及び030104「人体用洗浄剤」小グループ、0307「非医療用口腔洗浄剤」グループとは同一/類似を構成する商品であることから、相互に検索しなければならない。
- 2021年1月1日より商標登録出願では以下の商品名称を使用しなければならない。
| 今後、知的財産局が受理しない商品名 | 新たに受理される商品グループ及び名称 |
|---|---|
| 0519 | 0519 |
| 含薬化粧製剤、含薬シャンプー、含薬せっけん | 医療用アフターシェーブローション、医療用シャンプー、医療用バス洗面製剤 |
| 051901 含薬化粧製剤 | 051901 医療用アフターシェーブローション |
| 含薬化粧製剤、含薬化粧品、含薬アフターシェーブローション | 医療用アフターシェーブローション、医療用脱毛後用製剤 |
| 051902 含薬シャンプー | 051902 医療用シャンプー |
| 含薬シャンプー、含薬ヘアローション、殺虫用シャンプー、含薬ドライシャンプー | 医療用シャンプー、医療用ヘアローション、殺虫用シャンプー、医療用ドライシャンプー、医療用髪油 |
| 051903 含薬せっけん | 051903 医療用バス洗面製剤 |
| 含薬せっけん、抗菌せっけん、抗菌ハンドクリーナー、消毒せっけん | 医療用せっけん、抗菌せっけん、抗菌ハンドクリーナー、消毒せっけん、抗菌ドライハンドクリーナ、浴用薬剤、浴用マッド、医療用浴用海水、医療用浴剤、医療用バスソルト、鉱泉浴用塩 |
| 0520 含薬歯磨き | 0520 医療用口腔洗浄剤 |
| 含薬歯磨き | |
- エピソード
せっけんを習慣的に使っている台湾消費者であれば誰でも、美琪生技公司が製造する「美琪香皂」、又は「美琪藥皂」を知っている。美琪生技公司は1943年に創立し、その製品は消費者に広く愛され、市場のブランドリーダーとなっており、「美琪」やその系列商標(例えば「美琪藥皂」)が表示されたせっけんは、その優れた抗菌、洗浄効果のために消費者から高い評価を受けている。しかし、前記台湾化粧品衛生安全管理法の改正により、「含薬化粧品」は「特定用途化粧品」とされ、かつ管理規制上、名称やパッケージに「藥」という文字を用いることができなくなったことで、「美琪藥皂majestic及び図」をはじめとする「美琪MAJESTIC」商標及び系列商標には数十年にわたる使用実績があり、これら商品のパッケージには人目を引く「美琪藥皂」という四文字が示されているものの、美琪生技公司は商品パッケージの名称を変えなければならなくなった。そこで美琪生技公司は「美琪藥皂」中の「藥」の草冠を外して「美琪樂皂」とする妙案を出し、パッケージは変わっても「成分は変わらない」ことをアピールした。
興味深いのは、「美琪藥皂」の「藥」の中国語発音は“yiao”で、草冠を外すと「樂」になるが、中国語の「樂」には2通りの発音があり、一つは“lo” (快樂の「樂」)で、もう一つは“yiao”(“藥”と同じ発音。論語「仁者樂山,知者樂水」における「樂」は“yiao”と発音する)であるため、「美琪樂皂」の発音はこれまでの「美琪藥皂」と同じであり、絶妙なパッケージの変更であったといえる。
また、美琪生技公司の説明によると、新パッケージの「美琪樂皂」の包装ケースは、以前の商標「美琪藥皂」中の「藥」から草冠を外して「樂」としているが、その樂と皂という文字の上に、草葉が成長するイメージを体現する「草葉状」のデザインを施して、美琪樂皂が植物性石けん素地からなるものであることを表し、これはまた、美琪生技公司の絶え間なく湧き起こる力を象徴するものでもある。
| 改名前の商品パッケージ | 改名後の商品パッケージ |
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